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藤子・F・不二雄のパラレル・スペース#6[Final] [ドラマ]

今回の物語は「ボクラ共和国」。本編が27分40秒、ED主題歌が加わると29分10秒ということで、次回予告が無い(今回が最終回)ために、最も時間的には長い作品でした。

子供の視点に立った物語で、取り上げているテーマはとても良いものである。ただ、子供の視点から成立している物語ということもあって、「共和国」を名乗っていながら、元首となる大統領がいないというような所があるが、子供の発想らしい所である。(「共和国」は普通は大統領制が取られるものですからね...)が、ドラマとしたら平凡な作品の範疇に入るものでした。

15年後、当時の心は子供たちに受け継がれていたが、国としては成立していない。が、心の問題というのは素晴らしい考えである。が、演出的にもこれという特徴が無く、折角の良いテーマを十分に表現しキレていなかったのが残念な所でした。→ひょっとしたら満点、少なくても95点以上取れたのに、自ら80点の内容に自重してしまったという感じでした。

小学生の風子たち。一学期が終わり、明日から夏休みという時、風子は幼なじみの豪とイッチーに誘われて、新しく作ったボクラ共和国の国民になった。その国の国民になる資格は思いやりがあるということのみで、その心を持って国民を増やしていけば、自分たちが大人になる頃には思いやりに満ちた世界になり、戦争もなくなるのではないかという発想だった。仲間同士で、総理大臣、防衛大臣、外務大臣、文部科学大臣などが決まる。

家に帰った風子は、母から、来月に引っ越すと知らされてショックを受ける。そのことを豪やイッチーに話せない風子だったが、ボクラ共和国の建国宣言の準備が始まる。

一同は、公園でエアガンで遊んでいる中学生たちを追い払った。が、中学生たちは、ボクラ共和国の活動の場である廃工場の秘密基地(正に、子供の感覚では「秘密基地」であるが、彼らは「国会」と呼んでいる。)を荒らした。が、「喧嘩をしないと決めた」して立ち向かって行かない豪と、それを黙って見ていられないイッチーが対立、空中分解しかねない状況になってしまった。

そんな中、豪は風子の引っ越しのことを知っていて、建国宣言を予定よりも早めることにした。

建国宣言の日、イッチーがやってこない。風子は国会にいると思って様子を見に行くと、イッチーはそこにいた。が、例の中学生がまたも国会を襲ってきた。豪の元に知らせに行った風子。豪は風子と共に駆けつけた。

国会ではイッチーが中学生たちに刃向かうことをしないでやられていた。また、建国宣言に集まった子供たちも現れた。無抵抗だったが喧嘩をしないということを守ったイッチー。風子は、これからも思いやりを持ち、ボクラ共和国の理念を持ち続けることを誓った。

アメリカに引っ越した風子。それから15年が流れ、風子は日本に戻ってきた。町中で人にぶつかって書類を散らしてしまった風子。そこに子供たちが集まってきて、書類を拾ってくれた。その子供たちの胸にはボクラ共和国のバッチがあって、風子は心は受け継がれていることを知ってホッと笑顔を見せていた。

全6話の中で、インパクトがあったのは第1話と第5話の2つだけで、あとは平凡な30分枠のドラマということに纏まってしまったのが残念な所でした。オムニバス形式ということなので、各物語の出来不出来にバラツキがあるのは仕方のない所であるが、酷いものは完全に赤点、良いものは良いのだが、それが少なく、平均すると辛うじて及第点ということに終わってしまったのは残念でした。

 

↓原作はこれに収録されています。

藤子・F・不二雄SF短編PERFECT版 (2) (SF短編PERFECT版 2)

  • 作者: 藤子・F・不二雄
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2000/08
  • メディア: 単行本


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