東京少女・福永マリカ#1「井の中のマリカ」 [ドラマ]
今月のヒロインは福永マリカであるが、これまでの8人のヒロインと大きく違うのは、脚本も手掛けているということである。処女作は8月の「東京少女・岡本杏理」の第2話「家出のススメ。」であり、あれから3ヶ月ちょっとでの脚本家としての再登場であり、主演と言うことでは1年8ヶ月半ぶりにこの枠に戻って来ました。(「恋日・3rd.」の「15才」以来。)
最初の物語は「井の中のマリカ」という物語。「家出のススメ。」の時の若松孝二監督がマリカを主演で撮ってみたいと言っていたが、それも実現したことになりました。
そう言えば、4月の「東京少女・山下リオ」の「私が欲しいもの」に出演していた矢部裕貴子が、その時と、ある意味では同じような役(ヒロインの中学時代の同級生)で出演していましたね。また、マリカの母親・可奈江を演じた根岸季衣さんは「恋日・文學の唄」の最後の物語「老妓抄」(2005/12/25放送)以来、3年弱ぶりのこの枠への登場となりました。(その時は日曜日の放送でした。)
物語の方は母子家庭の長女の物語で、高校生という年頃だったらありがちな物語であるが、その主人公と同世代の福永マリカの作という所に味を感じました。(そういう物語でも、脚本を書いているのは高校生というのはまず無いですからね...)が、甘さを感じる所もあったのもまた事実です。が、高校生の立場という主人公と同じ世代の目を通しての物語ということでは、良かったですね。ただ、東京に対する拘りというものは特に感じなかったが、全く外れていることもなかったので、今回はまあよろしいかと...
主題曲は今月も『イケナイ恋』が使われているが、10月以降はヒロインが歌わなくなり、色々とアレンジされた『イケナイ恋』が登場するが、今回の物語でも同様でした。エンドロールの所で流れた今回のアレンジされた『イケナイ恋』は、さびのあのメロディを聴けば『イケナイ恋』と分かるが、そうでなければ『イケナイ恋』とは思わないんじゃないですかね。筆者は、映画「セント・エルモス・ファイヤー」のエンドロールの雰囲気を感じました。(これもなかなかいい感じの物語でした。)
大野マリカは高校生。母子家庭ということで、母・可奈江は昼夜働きづめであり、3人の弟たちの世話はマリカがしていた。で、いつものように夕飯の買い物をして帰宅すると、夕飯の用意をする。で、弟たちと「いただきます!」と言うが「ちょっと待って、今日はね」ということでケーキを持ってきた。そして弟たちに「今日、何の日だっけ?」と問う。が、3人の弟たちは全く覚えていなかった。(それぞれが子供らしい発想でした。)で、オカンムリのマリカ。
というのは、今日はマリカの誕生日だった。母も仕事で帰ってこなかったことに不満を爆発させたマリカは、預かっている今月の食費をわしづかみにして「これで遊びまくってやる」と言って、東京に遊びに行った。
派手にショッピングをして、両手に荷物をたっぷりと持ち、人気スポットを歩くマリカ。そんなマリカは町中で偶然にも中学の時の同級生・木下美波と出くわした。美波は美容師になりたくて、近くの美容院で見習いをやっていて、その店のビラ配りをしていたのだった。久しぶりだったが、「仕事中」ということで、携帯番号だけ教えて貰うと、2人は分かれた。
外食をして、店を出たマリカだったが、所持金があと1000円ということで、美波のことを思い出して携帯を開いたが、そこには母からの着信履歴が山のようにあった。(現在時刻は15:28、15:25だけで4回、15:24にも2回の着信があるが、「01/30」と出ていることから、一体何回掛かってきていることやら...)しかし、マリカが電話したのは美波だった。(ここでAパート終了。経過時間は11分を過ぎた所でした。よってBパートは15分弱になります。)
マリカは美波の部屋に泊まった。翌朝、ベッドで寝ている美波、キッチンで朝食を作っているマリカ。「一宿一飯の...」ということで朝食を作ったのだったが「一飯はしてあげてないけど...」と行っていた美波だった。
食事をしながら身の上話をしているマリカと美波。で、マリカは自分の誕生日を忘れられたことの不満を言い、居酒屋で働いている母に「仕事だからって、客と飲んだり歌ったり、遊んでるようなもの」と漏らし、着歴の数を見せては「こういう時だけ子供扱いする」と不満を言い、「普段、親の仕事してるの私だ」「私のこと家政婦だと思ってるから」と、好き放題に言った。これに美波は「マリカはバイトとかしたことある?」と尋ねた。が「ないよ」とマリカ。すると「働くって、もの凄く大変なことなんだよ」と美波。
が、マリカは「みんなが生活できるのは頑張っている私のお陰でしょう」「何で親の肩持つかなぁ」「美波に何が分かるの」と美波に反発する。美波は「説教する気はない」と前置きしていたが、社会の厳しさを語ろうとする。が、マリカは「私は一人でやっていけるし、誰の世話にもなりたくない」と言った。これに美波は「勝手にすれば」と呆れかえってしまった。マリカは「言われなくても勝手にします」と言うと、腹を立てる。美波は「井の中の蛙。マリカのことだよ」と漏らした。「それ、どういう意味?」と問うマリカに「一人で出来るんでしょう。意味ぐらい調べて」と見放す美波。マリカは「ご迷惑をおかけしてすいませんでした。さようなら」と言うと、怒って飛び出して行った。
が、お金がないということで、マリカは「アルバイト募集」と出ているのを見て、自分でお金を稼ごうとして、キッチン・スタッフを募集しているレストランを訪れた。二十歳と誤魔化して、今日から働くことになり、厨房で皿洗いの手伝い(皿を拭く仕事)をしているマリカ。が、皿を落として割ってしまう。更に、客に料理を運んでいくが、途中で躓いて転び、皿を割り、直ちにクビになってしまう。
ふてくされて街中を歩いていると「お金、稼げますよ」と声をかけられた。「良いバイトがある」「日払いで3万ぐらいかな」と言う言葉を聞くと、マリカは男についていった。
「カワイイ」と言われていい気になっているマリカだったが、いかがわしそうな男と「今日の客、マジ最悪」というお姉さんに「話しがある」と言ってマリカを連れて来た男は奥に行った。マリカも、これがいかがわしいバイトだと悟り、怖くなって隙を見て逃げ出した。
既に暗くなっていて、渋谷に戻ったマリカは、困り果てて家に電話をした。で、自分が思い上がっていて「ただのバカだった」と言うが、母も「誕生日、祝って上げられなくてごめんね」と謝る。マリカは、母が自分の誕生日を忘れていなかったことを知った。
母が渋谷まで迎えに来た。待っている間にマリカは携帯で「井の中の蛙」の意味を調べていて、美波の言った意味を身を以て感じた。やがて母がやってきた。母の姿を見ると駆け寄っていったマリカは、目から涙をこぼしていた。が、母は何も言わずに笑顔で抱きしめてくれた。そしてマリカと母は帰っていった。駅に向かって歩いていくマリカと母・可奈江の姿がフェードアウトしていき、インスト『イケナイ恋』(やはり「セント・エルモス・ファイヤー」のエンドロールを思い出させてくれるアレンジです。)が流れはじめ、エンドロールが流れて行きました。
次回の物語は「サンタの贈り物」という物語です。サンタクロースに絡んだ物語の様ですが、次回予告にはクイーン・宝積さんが出ていました。ということで、クイーン・宝積さんも遂に「東京少女」に登場です。(流石に「東京少女・宝積有香」は製作されないでしょうし...)ティーンの目を通したサンタクロースとはどういう風に描かれているのか、と共に楽しみです。
「BS-iドラマ倶楽部」からのお知らせのバックの風景は、いつも通りの「高速道路と東京タワーを中心としての夕景」でした。
docomoのCMの後、次の番組に繋ぐ15秒の所では、12/27放送の「ポッキー 4シスターズ」の15秒版の番宣がありました。27秒版の方は既に何度か目にしているが、やはり15秒版もありました。あとは「iしたい。」の方にいつ登場するかですね。(まもなく登場するでしょうね。で、今月は新しいものは青木アナが担当しているから、やはり青木アナでしょうね。)
「恋日・3rd. ~15才」の時は辿々しかった福永マリカだが、やはり随分と良くなりましたね。(ただ、料理を運んでいて躓く所は、ちょっと不自然な感じもありましたが...)
脚本家ということでは、物語としたら派手に目立つ所もなく、平凡な範疇に入ってしまうものだったが、マリカの気持ちと美波の気持ちに関しては10代らしい視点で捉えた思いが出たし、ラストの部分についても、色々と語らせないで気持ちが通じ合うというのも良い所でした。(こういう所では、色々と語りたがる親もいるが、子供としたら言われたくないものですし...)
物語上で、特にジェネレーション・ギャップを感じてしまうような所もなかったことを思うと、脚本家・福永マリカとしたら十分及第点を付けられる物語でした。弾けたヒロインやコメディ・タッチの作品を観てみたいところですが、今月もハチャメチャなコメディ作品は無いかも知れませんね...
それにしても、1月からのこの枠がどうなるのか、まだ発表されない。(4週後になります。)7代目ケータイ刑事が始まると思っているのだが、この様子だと早くても7代目は4月、ひょっとしたら7月かもと言う気がします。そうなると、「東京少女」をあと1クール続くのが普通に考えられる所であるが、ひょっとしたら「恋する日曜日・ニュータイプ」の2nd.シリーズなんてこともあるような気が...(但し、ヒロインは多々野ユリ、津木野ユリではなく、新たなヒロイン(例えば「新棚ユリ(あらたな・ゆり)」「紺友ユリ(こんども・ゆり)」「間多茂ユリ(またも・ゆり)」等の名前で...)ということになるでしょう。下良さんや内藤怜奈先生の再登場はあるでしょうが...)
↓福永マリカ出演作品。
台所のすみで、わずかに漏れる泣き声を聞く。―東京少女〈5〉 (リンダブックス)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 泰文堂
- 発売日: 2008/08
- メディア: 文庫
コメント 0