東京少女・福永マリカ#2「サンタの贈り物」 [ドラマ]
今回の物語は「サンタの贈り物」という物語。前半と後半でガラッと雰囲気も展開も変わった物語になっていたが、何処かで見たことのある物語をつなぎ合わせていた、と言う感じも、正直ありました。雰囲気としたら、見終わった後にちょっぴりと幸せを感じる「恋する日曜日」の一編と言う感じで、初期「東京少女」の持っている「東京」に対する拘りは全く無い物語でした。
また、ゲストのクイーン・宝積さんは意外とまともな役(とても良い店長さん)だったのだが、こういう普通の役って「今を生きる母」(2007/7/7のカルピス・ドラマ・スペシャル)以来じゃないですかね。(クイーンに期待するものは、普通ではないだけに、これはこれで期待外れと言うことになるが、こういう宝積さんも良いんですけどね...)
今回の物語の前半は佐藤二朗さん脚本の「恋日・3rd.~アダルトな恋」を感じさせるものがあり、心で思ったことを心の声として素直に語っていたというのは面白い所でした。でも、高校生にしたら随分と拗ねているというか、冷めているというか...が、そういう描写があったからこそ、後半に繋がるのだが、その鍵を握るあやかが前半では埋もれてしまい、物語の変化がちょっと唐突すぎたような感じがしてしまいました。前半からあやかに対する描写がしっかりしていたら、急激な変化ももう少し良くなったでしょうが、ちょっと残念でした。
昔のテプラを使ったOPの主要スタッフの所は、ちょっと面白いアイデアだと思ったが、それが物語の方には繋がっていなかったのは、残念でした。これ意外でも、細かい所で伏線らしきことを用意していたが、それが消化されたものが少なく、脚本としたら随分と甘かったですね。(まあ、今月は福永マリカ脚本ということで、眼をつぶっていますけど...)で、部分的には色々と面白いことをやっているのだが、それが物語全体に上手く絡んでいないということで、もう少し工夫が欲しい物語でした。
ただ、今回流れた『イケナイ恋』はクリスマス・バージョンと言ったら良いんでしょうが、随分と雰囲気が変わり、これはこれで良かった所でした。でも、クリスマスを意識した物語だったら、今週ではなくて次週(12/20)に放送した方が良かったと思うんですけどね...
高校生の黒瀬マリカは喫茶店でバイトをしている。仕事を覚えるのも早く、テキパキと仕事をこなし、店長からも気に入られて、信頼されていた。が、心の中では他人に対して色々と突っ込んで批判していた。学校でも同様で、心の中では他人に対して批判していたが、素直な気持ちを表に出せないでいた。(随分と拗ねた女子高生ですね。が、毒っ気ということではまだまだ修行が足りません。)
喫茶店(チェック・ワゴン)の接客三原則を守り、笑顔で接客するが、心の中では客に対していちいち突っ込んで批判していた。で、見るからにバカップルというカップル客に対しても、笑顔を作って接客していた。(Aパート終了は早く、9分半にならない所でした。で、Bパートは16分強です。)
学校で昼食の弁当を友達と食べていると、マリカがバイトしている店に行こうということになり、放課後、その友達が店にやってくる。接客三原則を守って接客するマリカだったが、心の中では不満タラタラだった。
その夜、閉店してクリスマスツリーの飾り付けをしていると、店長から「友達いないでしょう」と言われ、マリカのことを見抜かれていた。で、アドバイスをしてくれる。(人生の先輩として語ってくれている。)で、サンタさんのプレゼントの小さな赤い靴下を渡される。サンタは来ないと言うマリカだったか、「たまには何かを信じてみるのもいいかもよ」と、暖かい店長でした。
学校、昼食を食べながら、クリスマス・パーティをやろうという話になる。が、マリカは25日はバイトを入れた、と言ってパス。
25日。(ここから物語が一変しました。)店長から貰った靴下を手に「サンタさんねぇ...」と呟いていたマリカ。トナカイのすすり値賀聞こえてくると、マリカの前にサンタクロースが現れた。(突然、近に移動しているのは何故?)驚くマリカにサンタクロースは「君にもプレゼント、あります」と言って、小箱を渡した。「開けてごらん」と言われて開けてみると、携帯電話が入っていた。「何で、携帯?」と問うマリカに「ただの携帯電話じゃない。君がなかなか話せないことも話したくなる電話ですよ」と語るサンタさん。が「嘘でしょう?」とマリカ。が、サンタさんは消えていた。
マリカは電話を掛けてみた。それは中学からの友達のあやかだった。あやかは「電話してくれてありがとう」と言ったが、「どうしてお礼なんか言うの?」とマリカ。そしてマリカはあやかに対して思っていたことを素直に語った。が、あやかも言いたいことが言えずにいたマリカに対する思いを素直に語り、過去のことを互いに謝りあった。
開店準備をしている喫茶店。店長はマリカが明るくなっていることに気づき、語りかける。で「サンタさん、来たんだ」と言うが「まだ私、良い子じゃないですから」とマリカ。そんなマリカの前に、あやかがいた。パーティは断って、マリカの所にやってきたのだった。そんなあやかとマリカは、笑顔で語り合っていた。
クリスマス・バージョンのインスト『イケナイ恋』が流れる中、エンドロールが流れていき、マリカの「メリー・クリスマス」という言葉で終わりました。(雰囲気だけは、とても良い感じのエンディングでした。)
次回は「会いたい」という物語です。ひょっとして映画「東京少女」と「東京少女・瓜生美咲」の主題歌である『aitai』がヒントになっているのですかね?映画「東京少女」には福永マリカも出演していたし、次回ゲストの佐野和真もやはり映画「東京少女」に出演していましたからね。(しかも、マリカとは宮田兄妹を演じた間柄です。)物語は、ミュージシャンを目指すマリカが男装して路上ライブをやっていて、それに感動した男がデュオを組まないかと持ちかけたが...(が、男と思っている。)ということで、コミカル編のようですね。ただ、「東京少女・水沢エレナ」の「君の歌」(特に「後編」の方)と、「68FILMS」の「東京少女~それっきりだった」と「原っぱ」を合体させたような感じがしたんですけど...
次回予告では、マリカが『イケナイ恋』を歌っていたが、ヒロインが主題歌を歌うというのは久しぶりですね。(でも、エンドロールはやっぱりインスト・バージョンのような予感が...)ただ、キャンディーズのあの名台詞「普通の女の子に戻りたい」と言っていたが、今回のようなつぎはぎだらけという物語にはならないでもらいたい所です...
「BS-iドラマ倶楽部」からのお知らせのバックの風景は、いつも通りの「高速道路と東京タワーを中心としての夕景」でした。
部分的には色々と良い所があった物語だが、それらが上手く繋がっていかなかったために、「つぎはぎ」という印象を持ってしまった物語ということになってしまったのが残念でした。福永マリカには、もう少し脚本の勉強をしてもらう必要がありますね。「東京少女・岡本杏理」での脚本は1本だけだったこともあり、処女作でもあったから大目にみることもできたのだが、今月の4本の脚本はそうとはいかない。こういう時は監督の技量によって、脚本をカバーすることも出来るし、共倒れになってしまう場合もある。今回は不安点が方に転ばなかった物語でした。
今回、クイーン・宝積さんがゲスト出演していたが、頭に浮かんだのは「東京少女・宝積有香」でヒロインを務めてもらいたいということ。確かに「少女」という年ではないが、福永マリカに脚本を書かせるのなら、連ドラ初主演となる宝積さんに、高校生を演じさせるのも面白いと思うんですけどね... 1月と2月の「東京少女」のヒロインが発表されたが、3月のヒロインが発表されなかったことを思うと、3月のヒロインが7代目ケータイ刑事を襲名する可能性が高いと思われるが、3月は「東京少女・宝積有香」を放送して貰いたいと強く思いました。(まあ、実現はしないでしょうが...)
↓「サンタクロース」ということで...
サンタクロースってほんとにいるの? (かがくのとも傑作集―わくわくにんげん)
- 作者: てるおか いつこ
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1981/01
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