GIVE MY REGARDS TO BROAD STREET(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は1984年のイギリス映画「ヤァ!ブロード・ストリート」である。14年ぶりの映画出演となるP・マッカートニーが脚本、主演、音楽の3役を務めたミュージカル仕立ての作品である。物語を云々というよりも、ポール・ファンのための映画といったところである。
作品データを記しておくと、時間は108分、監督はピーター・ウェッブ、脚本はポール・マッカートニー、撮影はイアン・マクミラン、音楽はポール・マッカートニーである。そして出演は、ポール・マッカートニー、リンゴ・スター、バーバラ・バック、ラルフ・リチャードソン、ブライアン・ブラウン、リンダ・マッカートニー、イアン・ヘイスティングス、トレイシー・ウルマン、たちである。
人気シンガー・ソングライターのポールはレコード会社に向かい、10時に到着、早速、マネージャーのスティーヴから1日の予定を聞かされる。間もなく重役たちの前に呼び出された2人は、ポールの新アルバムのマスター・テーブが何者かに盗まれてしまったと聞かされる。そしてそれを24時間以内に取り戻さないと、会社が乗っ取られてしまうと知る。ポールは予定通りレコーディングを行ない、リンゴと2曲を演奏する。更に、、スケジュールをこなすポールは映画スタジオでミュージカル・シーンの撮影を行い、キー・ボードのリンダたちと演奏する。そしてそこでテープを盗んだ疑いが掛けられているハリーの恋人・サンドラと会う。スケジュールをこなすポールはBBCに行き、仕事を済ませると、バーバラやリンダたちと一緒にピクニックを楽しむ。その後、テープを探すポールは昔馴染みのジムじいさんの元を訪ねてハリーの行方を訪ねるが、手掛かりはなかった。そんな中、ハリーが歌っていた曲を思い出してブロードストリートに行くポール。で、ブロードストリート駅のベンチでマスター・テープを発見した。で、無事にテープが戻ったと言う所で、ポールは夢から覚めたのだった。
映画の内容は、特にこれというものではない。ポールのファンにとったら、動く写真集とでも言った所である。(ただそれだけという作品である。)
一方、ポールのアルバム(彼のソロ・アルバムとしたら13枚目となる。)としてリリースされたサントラ盤の方は、リンゴが参加しているのをはじめ、TOTOのS・ルカサーやJ・ポーカロをはじめ、D・エドモンズ、D・ギルモア、C・スペディング、E・スチュワート、G・マーティン、J・P・ジョーンズなど、豪華な顔ぶれが参加している。また、イギリスではNo.1を獲得、アメリカではBillboardで最高位21位を記録している。
サントラ盤(本アルバム)の収録曲は以下の全15曲である。『No More Lonely Nights (Ballad)』『Good Day Sunshine/Corridor Music』『Yesterday』『Here, There And Everywhere』『Wanderlust』『Ballroom Dancing』『Silly Love Songs』『Not Such A Bad Boy』『So Bad』『No Values/No More Lonely Nights』『For No One』『Eleanor Rigby/Eleanor's Dream』『Long And Winding Road』『No More Lonely Nights [Playout Version]』『Good Night Princess』。
この中からシングル・カットされた『No More Lonely Nights』は、イギリスでは最高位2位、アメリカではBillboardで最高位6位を記録し、1985年の年間シングル・チャートでは72位にランクインするヒットとなった。
収録曲の一部はBEATLES時代の曲であり、それを新たにレコーディングしているが、演奏の方は流石に凄さがある。この点だけは本アルバムが評価される所である。
映画の方は、ポールのファンであればということで、平々凡々な作品であり、暇があれば見たら、というものであるが、音楽(サントラ盤)だけは聴き所のあるものである。
Give My Regards to Broad Street
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: EMI
- 発売日: 1991/12/03
- メディア: CD
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