ケータイ刑事銭形泪19話(2nd.6話)[裏ネタ編]PART 5 [ケータイ刑事]
5回目となる「銭形泪・2nd.6話(通算では19話)」の「相棒を逮捕せよ! ~友達の輪殺人事件」の「裏ネタ編」ですが、今回は物語の中で罪として名前が出てきた「逃亡幇助」についてと「犯人隠匿」について、そして高村さんが続けていた「黙秘」について、サインを迫られた「供述書」について記します。尚、今回取り上げた内容は、法律の世界の話であるため、詳しくは刑事訴訟法や憲法などの条文をはじめ、法解釈について記したものなどをご覧下さい。また、根本から法律が変わった場合(革命でも起こって、全く違う国家が成立でもした場合(→そういうことは起こらないでしょうが...)は、完全に意味のないものになってしまうでしょうね...)
尚、約2年9ヶ月前のBS-iでの再放送時に記した本編について記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「逃亡幇助」:「幇助」とは、他人の犯罪の遂行に便宜を与える有形無形の一切の行為のことである。(刑法、民法で、他人の違法行為に加担して、違法行為を容易にさせること。)但し、刑法では「正犯を幇助したる者は従犯とす」となっているので「従犯」になるが、民法では「共同行為者」となる。例えば、「自殺幇助」「逃亡幇助」「内乱幇助」「殺人幇助」などがある。
しかし、何でもかんでも幇助ということにはならない。例えば、ホームセンターなどで包丁を売る行為は、購入者が殺人や強盗をすると言っていて、それを承知の上で販売したのならともかく、普通に販売した包丁が殺人や強盗に使われたというのなら、幇助罪は成立しない。また、殺人や強盗をすると分かっていて販売しても、購入者が殺人や強盗を行わなければ「幇助罪」は成立しない。
一般的に、幇助罪で起訴された場合は、正犯よりも罪状は軽い(正犯が情状酌量によって罪を軽減された場合は逆転する可能性もありますが...)が、前科が付くことに変わりはない。
この物語では、高村さんが容疑者になっている(無実という結論が下されていない)ので、泪ちゃんに対して確かに「逃亡幇助」ということは成り立ちます。
「犯人隠匿」:「隠匿」(「いんとく」と読むが「いんちょく」と読む場合もある。)とは、他人に見つからないように包み隠すこと、秘密にすること、匿うことを言う。犯人を匿った場合には犯人隠匿罪が成立し、証拠を隠滅した場合には証拠隠滅罪が成立する。
この場合の「犯人」というのは、罰金以上の刑に当たる罪を犯した者、または拘禁中に逃走した者のことを言う。また、証拠隠滅は、他人の刑事事件に関する証拠に関して、それを隠滅したり、偽造したり、変造または偽造した場合を指し、変造の証拠を使用した場合も該当する。で、これらに該当すると、「二年以下の懲役、または二十万円以下の罰金に処せられる」と刑法で定められている。
この物語では、高村さんが容疑者となっているものの、泪ちゃんの行動は匿っている訳でもないので「犯人隠匿」というのにはちょっと疑問が...→一応、証拠の隠滅工作を行っているだろうという嫌疑を掛けて、「証拠隠滅罪」ということの方が筋が通っているかという気はします。
「黙秘」:自分に不利益になるかに関わらず、刑事事件の捜査段階で、自己の意思に反して供述をすることを強要されず、終始沈黙し、または個々の質問に対し陳述を拒むことであり、秘して何も言わないことを言う。また、これらは「黙秘権」ということで、刑事訴訟法に定められている。(憲法でも保障されている。)「供述拒否権」と呼ばれることもある。(正確には別であるが、同じようなものである。)
黙秘権を行使したことを理由にして、処罰を行うことや、その他の法律上の不利益を与えることはできないが、日本では黙秘権を行使すると、不利益な事実を隠したものと邪推されて自白したとみなされることや、黙秘は否認と判断されて、反省の姿勢が無いとして情状酌量されなくなるという不利益を生じているのが実情である。
また、判例で、氏名については黙秘権の保障が及ばないというものがあるため、取り調べで何もかも完全に黙っているということはできない。
「供述書」:被疑者、被告人、証人などが、自らの知覚や記憶から、事実を事実として述べることを「供述」というが、その供述内容を記した書類のことである。尚、意見を述べることは「陳述」と言い、その陳述内容を記した書類を「陳述書」と言うが、「供述書」は事実について記されているが、「陳述書」はあくまでも事実や法律上の意見である。
取り調べの際、語ったことは供述となるので、当然のことながら、その内容が「供述書」となる。サインを求められるのは、発言者である本人に、供述内容を確認させるという意味がある。(これが無かったら、勝手な内容の供述書が作成されることになり、冤罪をいくらでも作り出せることになっちゃいます...)
↓参考まで
↓こういうのも「隠匿」です。(物によってはヤバイことになり得る...)
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