JUDAS PRIEST『BRITISH STEEL』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年に発表された彼らの6枚目のアルバムであり、イギリスでは最もチャート成績の良いアルバムである。(アメリカでは他のアルバムの方が上である。)また、彼らのキャリアの上でも一つの転換期となったアルバムでもある。尚、本アルバムは、イギリスでは最高位4位、アメリカでは最高位34位を記録している。
収録曲は、オリジナル盤では全9曲であったが、2001年にリマスターされた時に2曲のボーナス・トラックが追加されて、全11曲になった。(後ろの2曲がボーナス・トラックである。)収録曲は以下の通りである。(リマスター盤)『Breaking The Law』『Rapid Fire』『Metal Gods』『Grinder』『United』『Living After Midnight』『Don't Have To Be Old To Be Wise』『The Rage』『Steeler』『Red, White & Blue』『Grinder (live)』。
この中からシングル・カットされたのは3曲であるが、、アメリカではいずれもチャートインしていない。まずは『Living After Midnight』がイギリスで最高位12位を記録、続く『Breaking The Law』も同じく最高位12位を記録、そして『United』は最高位26位を記録している。
本アルバムからのお薦め曲は、シングル・ヒットを記録している『Living After Midnight』と『Breaking The Law』、そして『Grinder』『Rapid Fire』『Metal Gods』をピックアップしておく。特に『Grinder』はボーナス・トラックとして追加されたライヴ・バージョンの方をお薦めする。(スタジオ収録版と聞き比べてみるのも、また楽しい所である。)
本作のサウンドは、余計なものを省いてシンプルなものとなっているが、贅肉だけを落としているので、無駄が無くなっていて、彼らのアイデンティティを中心に押し出して、密度の高いものに仕上がっている。時代が「'80's」に近づく頃からHRの方も色々と変わってきたが、ゃゆわゃとの声を聴いてから発表された本作は、新しい'80'sという時代に見事にマッチすることになり、当時はヨーロッパと日本だけが市場と言ってもいいようなHRをアメリカにも浸透させることになるが、その礎が完成したアルバムでもある。
'80's中期に確立するHR/HMを聴くのであれば、そこに至までのHRの歴史を知る上でも、聴いておきたいアルバムである。
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