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横溝正史シリーズ ~仮面劇場(全4話) [ドラマ]

KBS京都での放送の最後の物語となったのは「仮面劇場」で、全4話のこれも放送が終了したので、記します。尚、この物語は、横溝正史の原作には金田一耕助は登場しないが、やはり金田一がいないとということで、ドラマの方では金田一耕助が登場する。で、最後に「原作には金田一耕助は登場していませんが原作者の了解を得て脚色しました」ということわりのメッセージが毎回表示されていました。(「真珠郎」と同じですね。)ということで、原作があるとはいうものの、翻案作品である。

全4話ということなので、時間は3時間ちょっとということになる。時間的にはたっぷりあるので、じっくりと描かれるはずなのだが、金田一耕助らしからぬ言動をしていて、部分的にはコメディの様な雰囲気もありました。

ちょっとしたことから、目が見えず、口が利けず、耳も聞こえない美少年・虹之助を拾った大導寺家の未亡人・綾子。彼女は実よりもない虹之助を大導寺家で引き取り、家に連れてくる。が、虹之助には謎の尼僧や男がつきまとっていた。大導寺家では次々と殺人事件が起こり、綾子は容疑者として警察に目を付けられる。更に、虹之助にそっくりな娘が登場したり、虹之助につきまとっていた尼僧まで殺されてしまう。容疑者は、綾子と綾子の恋人、そして虹之助と言うことになるが、警察は綾子だと睨む。金田一は虹之助の出生の秘密が事件の鍵だと考え、出身地の小豆島で調査を行い、真相を掴んでいくが...

警察に連行された綾子に対して、金田一は犯人ではないと言うが、その理由を問われると「僕が金田一耕助だからですよ」と言うが、綾子に惚れた金田一ということもあって、名探偵が「探偵」になっていた金田一耕助でした。

事件の方は、虹之助の一族に対する復讐であり、しかも虹之助の目が見えず、口が利けず、耳も聞こえないという三重苦は全て嘘(目も見え、口も利け、耳も聞こえる)であり、虹之助が真犯人で、それを止めようとしたのが綾子の彼で、虹之助の叔父だったということで、力業でちょっと無理がある動機でした。

本作は1978年に製作、放送された「横溝正史シリーズⅡ」の作品の一つであるが、「Ⅱ」の方は結構凡作、駄作という作品があったが、本作はその典型的な一本でした。ただ、綾子に恋心を持った金田一の言動は、色々と面白い所があっただけに、事件の方が強引なものにならなければ、もっと面白くなったのに、残念でした。

 

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↓金田一耕助の登場しない原作はこちらです。

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