「HOPE AND GLORY」 [映画(洋画)]
表題の作品は1987年のイギリス映画「戦場の小さな天使たち」である。子供の視点から見た戦時下のドラマであり、人間描写が優れている作品で、こういう形の反戦映画もあるということを教えてくれる秀作である。
作品データを記しておくと、時間は114分、監督と脚本はジョン・ブアマン(共同製作として製作にも名前を連ねている。)、撮影はフィリップ・ルースロ、美術はアンソニー・プラット、音楽はピーター・マーティンである。そして出演は、サラ・マイルズ、セバスチャン・ライス・エドワーズ、デヴィッド・ヘーマン、イアン・バネン、サミ・デイヴィス、ジャン・マルク・バール、チャーリー・ブアマン、スーザン・ウールドリッジ、たちである。
1939年のロンドン。チェンバレン首相は第二次大戦の勃発を国民に語りかけた。これによってロンド菜市民たちにも戦争は身近なものになり、ロンドン郊外に住む少年・ビル・ローハンも戦争を身近に感じるようになる。父・クライヴは出征し、母・グレースはビルと妹・スーを疎開させようとしたが、子供たちが駅で嫌がり、手許に置くことにした。ドイツ軍の空襲が始まり、ビルの住む町の家は次々に焼かれていったが、焼跡は子供たちに取っては恰好の遊び場になっていた。また、ビルの姉・ドーンに取っ手は逢い引きの場所になっていた。それぞれが楽しい日々を過ごしている中、ビルたちがピクニックに行っている間に家が爆撃を受け、焼けてしまい、一家は田舎のおじいちゃんの家に移り住むが...
戦争とは無縁な子供たちの生活を通しているだけに、市民にとって戦争が身近なものになっていく様は、これまでの戦争映画とは違ったものであり、それだけ戦争批判に対する強いメッセージがある。また、自然の中で過ごす子供たちの姿には、詩的な表現にもなっていて、これがまた味わいの深さを感じる所である。
派手な所は無いが、こういう作品を「秀作」と呼ぶのである。じっくりと見て、戦争について考えたい映画である。
↓輸入盤ですが...
↓日本版はビデオです。
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