「水戸黄門漫遊記」(その12) [映画(邦画)]
今回は東映シリーズの中から1956年作品の残っている2本(シリーズ第9作と第10作)についてです。尚、シリーズ第11作からカラー作品となるため、東映シリーズの白黒作品の最後の部分ということになります。
シリーズ第9作「水戸黄門漫遊記 人喰い狒々」
作品データを記しておくと、1956年の東映京都の作品で、時間は62分、白黒作品である。監督は伊賀山正徳、脚本は尾崎十三雄、撮影は杉田正二、美術は川村鬼世志、音楽は高橋半である。そして出演は、月形龍之介、月形哲之介、加賀邦男、千原しのぶ、丘さとみ、東宮秀樹、戸上城太郎、若水美子、大邦一公、清川荘司、月丘千秋、日高綾子、青柳竜太郎、七条友里子、八汐路佳子、山本鳥古、源八郎、大江光、島田秀夫、高松錦之助、岡島艶子、江原真二郎、美鈴れい子、矢奈木邦二郎、泉春子、山内八郎、高山深雪、中野市八蔵、小金井修、相良三四郎、たちである。尚、黄門様は月形龍之介、助さんは月形哲之介、格さんは加賀邦男が演じている。
前作の怪猫騒動から、黄門様一行は信州は七日市へと足をのばしたが、そこで甲武信権現の怒りを鎮めるために若い娘が生贄にされるということを耳にすると、早速立ち上がる。実はこの裏には、藩主の病気を治すために若い娘の生胆を薬として差し出し、その見返りに資金提供を受けていた邪教集団がいた。黄門様はお蝶を生贄になる娘の身替わりとして送り込み、立ち向かっていって、悪者一味を退治した。
邪教集団というのはよくあるパターンであり、物語としたら新鮮さは無いものの、お決まりのパターンということで、安心して楽しむことが出来る作品である。
シリーズ第10作「水戸黄門漫遊記 鳴門の妖鬼」
作品データを記しておくと、1956年の東映京都の作品で、時間は86分、白黒作品である。監督は伊賀山正徳、脚本は尾崎十三雄と村松道平の2人、撮影は杉田正二、美術は川村鬼世志、音楽は高橋半である。そして出演は、月形龍之介、月形哲之介、加賀邦男、喜多川千鶴、浦里はるみ、東宮秀樹、坂東簑助、清川荘司、山本千秋、七条友里子、沢田清、高松錦之助、楠本健二、大邦一公、八汐路佳子、小金井勝、時田一男、大文字秀介、小金井修、河村満和、千舟しづか、凰衣子、円山栄子、葉山富之輔、山内八郎、大丸巌、松浦築枝、陽田重利、津村礼司、月笛好子、たちである。尚、黄門様は月形龍之介、助さんは月形哲之介、格さんは加賀邦男が演じている。
黄門様一行は、四国は阿波の国にやってきた。蜂須賀家の家中では、一番家老・桜井主膳が老齢ということで、二番家老・岩橋軍太夫が藩政を取り仕切り、更に特産藍問屋・四国屋治左衛門と結託して、悪の限りを尽していた。主膳は江戸に使いを出すが、岩橋の一味がその死者を殺害、そんな所に黄門様一行が現れ、ことを知って首を突っ込んでいく。黄門様の動きから、四国屋は黄門様たちを公儀隠密と思い、黄門様たちを抹殺しようと手を打った。襲われた黄門様だったが、助さんと格さんの活躍で難を逃れる。黄門様は藩主の元に行って正体を見せ、悪事を尽くす岩橋一味を退治した。
久しぶりに尺が長くなった本作は、このシリーズの10作目というだけでなく、白黒作品としては最後の作品となった。(どうせなら、本作からカラーにしたら良かったのに...)色々と力が入っている作品であり、阿波の国と言えば「阿波踊り」であるが、それもしっかりと見せてくれている。娯楽作品としては特に文句のない作品でした。
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