KENNY LOGGINS『VOX HUMANA』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1985年に発表された彼の5枚目のソロ・アルバムである。前作の大ヒットと映画「FOOTLOOSE」の主題歌の超大ヒットというのを受けて発表された作品であるが、セールスの点では今一つとなったアルバムである。また、本作の次に映画「TOP GUN」の主題歌の超大ヒットを飛ばすことになるため、彼のキャリアにおいては谷間ということになってしまったアルバムでもある。それでも、Billboardのアルバム・チャートでは最高位41位を記録している。
収録曲は以下の全9曲である。『Vox Humana』『No Lookin' Back』『Let There Be Love』『I'll Be There』『I'm Gonna Do It Right』『Forever』『At Last』『Loraine』『Love Will Follow』。
この中からシングル・カットされたのは3曲で、『Vox Humana』はBillboardのシングル・チャートで最高位29位を記録、『Forever』は最高位40位を、『I'll Be There』は最高位88位を記録している。
本アルバムからのお薦め曲は、『No Lookin' Back』『I'm Gonna Do It Right』『Forever』という所をピックアップしておくが、『Footloose』の路線が好きという方にはアルバム・タイトル・ナンバーであり、本アルバムからは最も大きいシングル・ヒットを記録している『Vox Humana』を取り上げておくことにする。(この曲は、完全に『Footloose』の延長線上であり、ファンの間では評判が良くない曲の一つですし...)
『Footloose』の延長線上の曲がアルバム・タイトルにもなっていることから、ヒット狙いということが見え見えであるが、そのようにならなかったのは天の声というところですかね。で、本アルバムはヒット狙いの所は酷評されているが、そうでない所は彼らしい曲が収録されていて、如何にも'80'sらしいバラエティに富んだ内容となっている。が、そのバラエティに富んだ所が、アルバムとしての纏まりに書けることとなっているのが皮肉な所でもある。で、ファン離れを起こすことになり、ここから彼は低迷期に突入していくことになってしまった。
また、M・マクドナルドやD・フォスター、N・イーストといった当時のウエストコーストを代表するアーティストが参加しているのはいつものことであるが、やはりヒット狙いというのが見え見えで、今一つ音楽的な良いものが出ていないのが残念な所である。
が、'80'sの商業路線に対して、結果的にはアーティストたちに警鐘を鳴らしたことになり、これはこれでよろしいかと...
↓2曲のボーナス・トラックあり
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