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「水戸黄門漫遊記」(その13) [映画(邦画)]

今回は、東映シリーズで初のカラー作品となったシリーズ第11作と、それに続く第12作の2本についてです。

シリーズ第11作水戸黄門
作品データを記しておくと、1957年の東映京都の作品で、時間は98分、シリーズ初のカラー作品である。原作は直木三十五、監督は佐々木康、脚色は比佐芳武、撮影は吉田貞次、美術は鈴木孝俊、音楽は万城目正である。そして出演は、月形龍之介、東千代之介、大川橋蔵、千原しのぶ、長谷川裕見子、桜町弘子、花柳小菊、伏見扇太郎、尾上鯉之助、片岡栄二郎、原健策、加賀邦男、吉田義夫、若水美子、高松錦之助、松浦築枝、入江たか子、横山エンタツ、団徳麿、月形哲之介、河部五郎、高木新平、水野浩、杉狂児、坂東簑助、進藤英太郎、薄田研二、大河内伝次郎、市川右太衛門、中村錦之助、大友柳太朗、片岡千恵蔵、たちである。尚、黄門様は月形龍之介、助さんは(シリーズでは5代目となる)東千代之介、格さんは(シリーズでは2代目となる)大川橋蔵が演じている。(前作まで助さん、格さんを演じた2人も出演しているため、続けて見たらちょっと違和感が...)

生類憫みの令に対して意見して、将軍綱吉にこれを止めさせた黄門様は、助さんと格さんを伴って江戸に入るが、高田藩の筆頭家老・小栗美作が、実子を藩主と養子縁組させてお家を乗っ取ろうとしていて、二番家老・萩田主馬は藩の剣客・関根弥次郎たちと共に、この実情を幕府評定所に訴願したが、小栗は老中・柳沢、酒井たちと通じていて、家中の美女を献じ、訴願を握り潰そうとしているということを知った。早速動き出した黄門様だったが、柳沢は既に手を打っていて、訴願は握り潰されて、主馬は遠島を命じられ、弥次郎は闇打ちに遭って深手を負い、通りかかった巾着切りの宇之吉に助けられる。柳沢に人身御供として差し出された一人であるお縫は、助さん、格さんの働きで救い出され、傷を癒した弥次郎は宇之吉の手引で黄門と会い、全ての悪事を黄門様は掴む。で、登城し、将軍綱吉に全てを語り、小栗は将軍綱吉から切腹を命じられ、お家騒動は収まった。で、黄門様は助さん、格さんを連れて江戸を離れ、諸国漫遊の旅に出た。

本作は月形龍之介の映画生活30周年を記念して製作された作品であり、今までのシリーズ作品とは違って、オールスター・キャストという豪華なものとなった。(その一つがカラー化である。)娯楽作品としたら、ツボを心得た仕上がりとなっていて、楽しむことが出来るが、これまでのシリーズ作品との連続性は完全に捨てている。黄門様が月形龍之介が引き続き演じているが、別物という認識で見ることにすれば良いでしょう。

シリーズ第12作水戸黄門 天下の副将軍
作品データを記しておくと、1959年の東映京都の作品で、時間は94分である。監督は松田定次、脚本は小国英雄、撮影は川崎新太郎、美術は鈴木孝俊、音楽は深井史郎である。そして出演は、月形龍之介、中村錦之助、東千代之介、里見浩太郎、丘さとみ、若山富三郎、山形勲、大河内伝次郎、進藤英太郎、美空ひばり、大川橋蔵、三島雅夫、杉狂児、星十郎、香川良介、小柴幹治、有馬宏治、月形哲之介、上代悠司、水野浩、月笛好子、長島隆一、武田正憲、清村耕次、尾形伸之介、羅生門、久保雅計、那須伸太朗、望月健佐、国一太郎、小田部通麿、楠本健二、高松錦之助、団徳麿、伊東亮英、佐々木孝丸、阿部九洲男、加賀邦男、たちである。尚、黄門様は月形龍之介、助さんは(シリーズでは5代目となる)東千代之介、格さんは(シリーズでは3代目となる)里見浩太郎が演じている。

黄門様は、息子の高松藩主・松平頼常が乱心したという噂を耳にしたため、助さんと格さんを連れて、それを確かめるために旅立った。が、黄門様一行は途中の鈴鹿峠で山賊に襲われる。この時、黄門様を狙った男を短銃で撃ち殺した男がいた。これは高松藩のお家騒動に関係があると呼んだ黄門様は、高松に急いだ。高松では、藩主・頼常の言動が狂気と思われるものが多く、これを絶好の機会として、お家を乗っ取ろうとする城代家老・佐伯将監の陰謀が進んでいた。鈴鹿峠で黄門様ほ襲ったのも佐伯の息の掛かった者たちだった。が、頼常は狂人ではなく、佐伯一派の悪事を暴くために狂気を装ったものであり、黄門様に高松に来て貰うために「乱心」という噂をまいたのだった。黄門様一行を救った男は頼常が信頼している高松藩留守居役・中川与惣右衛門だった。黄門様が高松城に入ると、一気に形勢逆転、佐伯の陰謀は潰えた。

前作から2年ぶりということになった作品であり、前作までの「オールスター・キャスト」とまではいかないものの、それに近いキャストで、豪華な作とした作品である。娯楽作品として楽しめる要素は揃っているものの、今一つ歯切れが悪いのが残念な所であったが、それなりに楽しめる作品である。

これまでの東映シリーズ10作は白黒作品であったが、今回取り上げた第11作からはカラー作品となり、キャストも豪華なものとなって、シリーズが別のものになった印象がある。前作までを見ていたら、助さんと格さんを演じた役者が別の役で出演しているということに、ちょっと違和感を感じてしまう。(見ていなかったら問題ないでしょうが...)この点だけがカラー化となったシリーズの問題点である。尚、東映シリーズの第10作までを全く見ていなければ、第11作から(後ろに)見ていくというのもよろしいかと...

 

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