ケータイ刑事銭形泪23話(2nd.10話)[裏ネタ編]PART 6 [ケータイ刑事]
6回目となる「銭形泪・2nd.10話」の「ミステリー作家の挑戦状 ~犯人は私だ!殺人事件」の「裏ネタ編」は、この物語の見せ場となった「消火装置」について、「スプリンクラー」について、そしてそれに関するものとして「酸素ボンベ」について記すことにします。
尚、約2年10ヶ月半前のBS-iでの再放送時に記した本編について記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「消火装置」:火事が起こった際、火を消すための装置のことを言う。広義では消防車や給水ポンプをはじめ、消防ホース、消火器なども全て含まれるが、一般的には建物に設置された消火を行うための固定設備のことを言う。また、建物の内外に設けられている消火栓もこれに含まれるのは言うまでもない。
火事が発生すると、延焼して多大な被害が出るため、古くから火を消すということが行われてきた。(日本では、延焼を防ぐために、火元の周囲の建物を壊す、という方法もありましたけど...)また、火災は初期消火が重要であり、早く消火することで生じる損害を小さくすることが出来る。それまでも昇華のために水を使うということで、火元に向けて放水できるような設備が開発されていたが、やがて、火事を検出すると自動的に火を消すという装置の開発が行われるようになる。これも水を使っていたものから、火災の種類に対応するために化学薬品を使ったもの、そして火が燃えるためには酸素が必要という所に目を付けて、不活性ガスを利用した消火装置が開発された。
中世や近代では、火を検出というものはなく、防火水槽などを設け、火災時の消火用水として使用するというものが登場した。19世紀のアメリカで、火事を検出すると水を散水する、所謂「スプリンクラー」というものが考案され、建物に設置されるようになる。また、20世紀になると、油火災の消火のために、泡を使って消化するというもの(化学薬品を使っている)が開発され、これが「消火器」という形で世の中に登場する。同時に、工場や飛行機火災のように、油(燃料)に引火した場合の火災に対応した設備として、泡を使った消火剤を噴霧する消防車としても発展していくことになる。その後、発電/変電設備、駐車場、大型コンピュータの設置室など、普段は人がいない場所で、火災が発生すると大きな損害を生じる場所に対して、火を消すには酸素の供給を絶つという考えから、不活性ガスを利用した消火設備が開発された。これはその部屋に組み込まれた建物設備であり、火災発生時には外部と遮断し、火災現場を密室にして、その空間に不活性ガスを充満させる。火が燃えるのに必要な酸素の供給が絶たれることになるため、炎は消えるという仕組みである。これには二酸化炭素を使ったものや、ハロン、代替ハロン、窒素などを使ったものが知られている。但し、二酸化炭素を使ったものは、火災が発生した場合、その場は二酸化炭素が充満するため、人(動物も同じ)がいたら窒息してしまうことになるため、動作時に避難命令がアナウンスされるようになっている。また、ハロンは温室効果ガスとしての使用が禁止されたことから、現在では代替物質を使った物になっているが、代替ガスに対しても問題が指摘されていることもあるため、そういう気体を使った物も無くなっている。危険のない気体ということでは窒素が良く、これだと密室内に人(動物)がいても、普通の人であれば窒息することはない。→但し、炎が酸素を消費し、酸欠状態となったり、危険な一酸化炭素を発生させることもあり、二次的な危険があるのは言うまでもない。(やはり、動作時に避難命令がアナウンスされるので、避難して現場にいないのが正解である。)
しかし、消火設備もハイテク化の影響で、コンピュータ制御などが取り入れられているが、そういうものはあくまでも(自家発電を含めて)電源供給が行われていてこそ正しく動作するものである。火災発生時には電源供給が止まる可能性もある。ハイテク技術に溺れると、とんでもないしっぺ返しが待っているのは言うまでもない。
また、安全工学の観点から、1つのシステムではなく、全く違ったアプローチからの複数のシステムが有った方が危険度は低下する。そういう意味からも、消火器(未使用でも寿命があるので、使用期限のチェックは重要である。)を備えておくというのは基本中の基本であり、(建物内であれば)スプリンクラー、(屋外であれば)消火栓を備えておくべきである。一般家庭でも、消火器だけでも備えておくのは当然である。(火災報知器の設置は義務づけられたが、それだけでは不十分。)
「スプリンクラー」:英語では「Sprinkler」、日本語では「散水機」と言う。水に高圧をかけ、水しぶき状にして、ノズルから水を散布する装置のことである。実用化されているものとしてはも火災の際に消火用水を散水する消防用のものと、芝生をはじめ、畑や農地に散水する灌漑設備としてのものが知られている。
原理的には上記のものは同じであるが、灌漑設備としてのものは、定期的に散水を行うものであり、消防用のものは火災発生という非常時にのみ散水するという違いがあるため、構造に一部の違いがある。
消防用のものは、通常時に散水すると困ることになるので、散水動作に入るためには、弁が火災の熱を検知すると開くようなものが使われている。(ヘッド部分に熱で破裂するような仕組みになっているのが一般的である。)また、炎を消すということが求められるため、広い範囲に散水出来ること、ある程度の勢いが必要なことから、水圧0.1Mpa以上で毎分80リットル以上の散水が可能という企画があり、これ以上の散水能力を持っている。
また、ヘッド部分には放水を止めるような弁は設けられていないので、消火のために散水を開始すると、炎の方が鎮火しても(吸水管が崩壊するとか、水源が枯渇するなどの特殊なことが起こらない限り)散水は続くため、鎮火を確認すると、別の場所に設けられた水栓を閉じて水を停止させる必要がある。(たいていは人が手で行うことになる。→実際に動作することがない、すなわち火災が起こらないのがベストであるのは言うまでもない。)
ちなみに、家庭用のスプリンクラーというものもあって、水道に接続して使用するというものもある。(但し、このスプリンクラーの能力は前述の規格値に達するようなものではない。)
一方、灌漑設備のものは、加圧されているものの、そんなに高くない圧力が掛けられている。これは散水する範囲を考慮して配管やヘッドを設置することも可能であり、広範囲に散水することよりも均一に散水する方がより求められる。また、これは毎日決まった時間に散水を行い、散水を行わない時間帯もあるのが一般的である。タイマーなどを用いて配管に給水する/止めるを制御することからも、加圧を行っていても、それほど高くないのは設備の耐性との兼ね合いもある。
大規模農園、ゴルフ場、芝のある公園などでは当たり前のようにあるが、アメリカでは(芝のある庭を持つ)一般家庭にも広く普及している。
近年では、粉塵予防というこれまでとは違った用途としても使われるようになっていて、工事現場(特にビルの解体現場)や土のグランドを持つ運動場などにも設置されることがある。(工事現場では移動可能な可搬型ですけど...)
「酸素ボンベ」:ボンベとは、圧縮された高圧の気体を入れておく金属製の完全密閉容器のことである。気体だけでなく液体の貯蔵にも利用されるのは言うまでもない。尚、ボンベは「Bombe」と綴るが、これはドイツ語であって、英語では「Cylinder」または「Air Tank」と言う。
都市ガスが整備されていない所ではプロパンガスがボンベを使って供給されているが、大きなボンベではそれが良く見るものである。小さなボンベとしては、カセットコンロと呼ばれる小さなコンロの燃料を詰めたものが一般的である。
尚、広義では、各種スプレー缶もボンベの仲間と言うことになる。
気体を圧縮して保管するのに使われることから、酸素、水素二酸化炭素、水素、塩素、アンモニアなどの気体を詰めたボンベがあり、一般的には「ガスボンベ」または「ボンベ」と呼ばれている。その中でも酸素を収めているボンベを「酸素ボンベ」と呼ぶ。(英語では「Oxygen Cylinder」)医療用として、医療機関・施設には必ずあるものである。また、ダイビングを行う際に使用するボンベも広く知られている。
日本においては、気体用のボンベは、内容物によってボンベの色や表記する文字の色が定められている。(一目見ただけで中身が分かるようにするためである。法律は「容器保安規則」)ボンベの色は、酸素ボンベは「黒」、二酸化炭素ボンベは「緑」、水素ボンベは「赤」、塩素ボンベは「黄」、アンモニア・ボンベは「白」、アセチレンは「褐色」、その他は「ねずみ色」となっている。文字の色はアンモニアが「赤」、それ以外は「白」である。(→プロパンガスのボンベがねずみ色、文字が白なのは、この法律に従っているためである。)更に、内容物が劇物、毒物、可燃物の場合、その旨をボンベに記載し、所有者もボンベに記載することが義務づけられている。
よって、新しいデザインのボンベを使ったとして、(例えば)ピンクのボンベに青文字で気体を表記したとか、絵柄をボンベに記したというのは違法行為となる。
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