ケータイ刑事銭形愛23話[裏ネタ編]PART 1 [ケータイ刑事]
今回からの「銭形愛[裏ネタ編]」は第23話の「姿なき犯罪者 ~凡才柳沢教授の生活」に突入です。初回となる今回は、サブタイトルにある言葉から「凡才」について、サブタイトルの元ネタとなる「天才柳沢教授の生活」について、この物語のモチーフとなっている「ジキル博士とハイド氏」について、そして「二重人格」について記します。
尚、この物語について過去に記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「凡才」:平凡な才能、または平凡な人のことをであり、特別な才能の無い普通の人のことである。そのため「凡人」と言う場合もある。(この言葉は「平凡な人」と言う意味になり、才能に関しては触れられないことになる。)
英語では人の場合は「Mediocre Person」と言い、才能に言及する場合は「Ordinary Ability」と言う。
但し、「普通の」ということが一番難しいことでもあるのですが...
「天才柳沢教授の生活」:山下和美原作の漫画であり、TVドラマ化もされている作品である。漫画の方は1988年から「モーニング」で不定期連載という形で、一話読み切りという形で掲載が始まる。不定期連載であったが、2006年9月からは月に一度の定期連載となり、現在でも続いている。
物語は、Y大学経済学部教授の柳沢良則の日常生活と、それに関わる人々の姿をユーモアを交えて描いたものである。
一方、TVドラマの方は、フジテレビで2002年9月から12月にかけて、全9話が放送された。(全10話の予定が、1話減った。)今回の物語の本放送が2003/3/9であることから、本作がスタートした時点で他局で始まり、先に終了したドラマということになる。(「ケータイ刑事」は人気シリーズとなったが、「天才柳沢教授の生活」の方は視聴率低迷で打ち切られた形になったため、現在では殆ど忘れられている。→TVとは時代を映す鏡と言うが、そのことがよく分かる元ネタということになる。)
尚、ドラマで柳沢を演じたのは松本幸四郎である。(「ケータイ刑事」関係者は、ゲスト出演を含めても特に出演していない。)
漫画の方は、講談社漫画賞一般部門を2003年に受賞するなどして高い評価を受け、現在は21年目に突入しているが、ドラマの方は転けただけに、続編をと言う声もない。まあ、原作の評判が良くても、ドラマがよいとは限らない作品の例の一つという所である。
「ジキル博士とハイド氏」:19世紀のイギリス・スコットランド出身の小説家・ロバート・ルイス・スティーヴンソン(1850年~1894年)の代表小説であり、1886年に出版された。尚、原題は「The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde」。二重人格を題材にした小説の代表作としても知られている作品である。尚、「二重人格(現在は「解離性同一性障害」と言う)」の代名詞となっている「ジキルとハイド」は本作に由来している。
これまでにも何度も映像化されている作品であり、また、本作をモチーフにした作品も多数生み出されている。
物語は、医学と法学の博士号を持つジキル博士は、性格を善悪に二分する薬を発明し、それを試す。ジキル博士は悪の人格のハイド氏を生み出し、悪の衝動を開放していた。次第にハイド氏の方が強くなっていき、ジキル博士に戻ることが困難になっていく。ジキル博士の友人のアターソン弁護士は、ジキル博士の様子がおかしいことから調査をしていくが...
映画としては、1920年のアメリカのサイレント映画「狂へる悪魔」(原題:Dr. Jekyll and Mr. Hyde、ジョン・S・ロバートソン監督、ジョン・バリモア主演)が最初で、この1920年には3回映画化されている。有名なのは1931年の「ジキル博士とハイド氏」(原題:Dr. Jekyll and Mr. Hyde、ルーベン・マムーリアン監督、フレドリック・マーチ主演)であり、この作品でフレドリック・マーチはアカデミー主演男優賞を獲得している。また、1941年のリメイク作(同名邦題、原題)は「風と共に去りぬ」や「オズの魔法使」のヴィクター・フレミング監督で、スペンサー・トレイシー主演、イングリッド・バーグマンも出演している。その後の何度か映画化されていて、最近では原作を元にした別小説の映画化である1996年の「ジキル&ハイド」(原題:Mary Reilly、スティーヴン・フリアーズ監督、ジュリア・ロバーツ主演)が、ジキル博士のメイドを主人公とした作品があったり、日本では劇場未公開であるが、2005年の「ハイド」(原題:Jektll + Hyde、ニック・スティルウェル監督、ブライアン・フィッシャー主演)などがある。
「二重人格」:1人の人間の内に、全く異なる2つの人格があって、それが交互に入れ替わって現れる症状のことをいう。また、3人以上の人格が現れる場合もあって、その場合は「多重人格」と言う。(「二重人格」は「多重人格」の中の1つである。)近年では、「二重人格」だけでなく「多重人格」のことを「解離性同一性障害」または「統合失調症」などと呼ばれる。英語では「Dissociative Identity Disorder」と言い、この頭文字から略して「DID」と呼ばれることもある。
強い心的外傷から逃れようとする結果、解離が起こって個人の同一性が損なわれる疾患であり、神経症の一つであるが、その原因、発生メカニズムは完全に解明されてはいない。(治療法に付いても確立していない。)
尚、よくある誤解が、この症状は小説「ジキル博士とハイド氏」があまりにも有名なため、架空の病気だという考えがあるということである。このような、若しくはこれに近いような症状がある場合は、精神科や神経科を受診することである。
↓いくつか
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- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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天才柳沢教授の生活 (1) (モーニングKC (1058))
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ジキル博士とハイド氏 コレクターズ・エディション [DVD]
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