「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その115) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「車のトランクで運ばれる人」ということで述べていきます。車のトランクというのは、荷物を入れるところであるので、そこに乗るような人はいないが、「運ばれる」という所にポイントがあります。で、取り上げる物語は「ケータイ刑事」からは「零・1st.9話」と「海・1st.4話」を、「007」からは「慰めの報酬」です。
「ケータイ刑事」:「零・1st.9話」。「引越しする死体!? ~幻の殺人事件」という物語である。この物語では2人の人が殺される。(被害者はある裁判の関係者で、山田と鈴木。)しかも、通報があって現場に行くと、2人とも生きていて、その後で殺され、しかも、山田は鈴木の家で、鈴木は山田の家で発見された。死亡推定時刻は零ちゃんたちが被害者の家で会っていた時刻だった。
ということで、死体移動のトリックが使われるのだが、それが車のトランクである。しかも、死亡推定時刻を誤魔化すために、ドライアイスを使って、死体を冷やして運ぶという手の込みようであった。(こうすることで、死亡推定時刻を早めることが出来る。)
被害者は横浜・緑山に住む建設会社社員・山田太郎と、港区赤坂に住む裁判官・鈴木弘子。関係していた事件のもう一人の当事者・鬼瓦平蔵を調べると「お侍様の祟り」だと言う。調べていくと、鬼瓦は過去に殺した妻を自分の住む土地に埋めていて、再開発によって立ち退くと、死体が発見されることを恐れて、「お侍様」の製にして殺人を犯したのだった。
「ケータイ刑事」:「海・1st.4話」。「炎天下の殺意! ~渚のお嬢様殺人事件」という物語。お嬢様学校のヨーク女学院に通う海音寺エリカの溺死体がプライベートビーチで発見された。友人の3人を呼んで、別荘に滞在していた。エリカを解剖すると、肺には大量の海水があったが、熱射病の兆候もあったという。3人にはアリバイがあり、ティータイムになっても戻ってこないのでビーチに行ったらエリカが死んでいたという。事故の可能性もある中で捜査を開始した海ちゃんだったが、エリカは水泳が得意で、溺死と言うのが腑に落ちない。また、ヨーク女学院はエスカレーター式の学校であって、小学校からいる生徒を内部生、中学や高校、大学から入って来た生徒を外部生と呼び、内部生が幅を利かせていた。やがて、浴室に、海水が乾いた後に残る成分があったこと、3人の中で車の免許を持っているのは1人だけで、死亡推定時刻には車で買い物に出ていた。そして車のトランクにあるマットの繊維がエリカの爪に残っていた。また、車の免許を持つ磯山今日子は小学校の時はヨークにいたが、家庭の問題で一度退学して、大学で改めて入学してきた外部生だったが、エリカが内部性として扱ってくれていた。その代わりに今日子はエリカの召使いとしてこき使われていた。
結局、今日子は浴室に海水を張り、そこでエリカを溺れさせた。が、この時エリカはまだ生きていた。エリカを車のトランクに入れて、買い物をしてきて、帰りにビーチに放置してきたが、真夏ということで車のトランクに入れられたエリカはそこで熱中症になって息絶えたのだった。
「007」:「慰めの報酬」。シリーズ第22作で、前作「カジノ・ロワイヤル」から続く物語である。ということで、レギュラー・キャスト以外にも前作から引き続いて登場するキャラクターも何人かいるが、今回取り上げるのは、前作「カジノ・ロワイヤル」にも登場した人物である。(が、トランクで運ばれたのは「慰めの報酬」でのことである。)
ミスター・ホワイトは謎の組織の幹部である。ヴェスパー(「カジノ・ロワイヤル」のボンドガール)の残した情報によってボンドはそのことを知って、ホワイトを捕らえた。(ここまでは「カジノ・ロワイヤル」での物語である。)
「慰めの報酬」は、ボンドの乗ったアストン・マーチンが追われている。カーチェイスを繰り返しながら、追っ手を撃退しながら逃げるボンド。が、ドアももげ、ボディーはボロボロになっている。が、何とか追っ手を振りきって、イタリアのシエナという町に到着した。この町にはMI-6の秘密基地があって、そこに到着したボンドは、車を降りると、トランクを開けた。するとその中に捕らえたホワイトがいた。あの追いつ追われつのカーチェイスをしていた車のトランクの中に押し込められていたということになるが、この時は無事に生きていた。
で、ボンドに連れられていき、謎の組織のことで尋問をうけることになる。が、謎の組織と繋がっているMの警備を5年間も務めていたミッチェルが組織を守るためにホワイトを射殺して逃亡したため、謎の組織についての詳しい情報を得ることは出来なかった。(手掛かりは掴み、それによってボンドはハイチに飛ぶことになって、物語が開けていくことになる。)
共通点は、いずれもが人を人間扱いとしないで物扱い(「ケータイ刑事」では人ではなくて「死体」という認識であり、「007」では人手はなくて謎の敵組織の「情報源」という認識である。)されて運ばれていること、そして他人には気づかれないように運ばれているということ、そして運ばれた人は全て死んでいる(既に死んでいた/その中で死んだ/到着後に別の形で殺された、という違いはあるが、トランクで運ばれる前後に命を落とすことになっている。)ということである。
違いは、トランクでは特に何の細工もされることなく運ばれた「銭形海」のエリカと「007」のホワイトと、ドライアイスで冷やすという細工をされて運ばれた「銭形零」の山田と鈴木の間で違いがあるのと、「ケータイ刑事」では少なくとも死体として運ばれていた時間帯があるが、「007」ではトランク内では死んでいないということである。(あの壮絶なカーチェイスを暗所に閉じ込められた形で体験している(実際には目では見ていないのが救いということでしょうか)が、これは拷問のようなものだったでしょうね...)
尚、「銭形海」で述べられているが、真夏の車のトランク内は高温になるので、その中に閉じ込められると熱中症になって死亡するという可能性がある。(トランクでなくても車内であっても、屋外に駐車した車では同じことである。)そのような危険なことは絶対にしないようにしましょう。
次回も「007」からは「慰めの報酬」ということで、キャラクターにするか、シチュエーションにするか、ある物にするか、決めかねているところです。何が登場するかはお楽しみに。
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