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THE LAST OF ENGLAND(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]

表題の作品は1987年のイギリス映画「ラスト・オブ・イングランド」である。D・ジャーマンの私的な作品であって、ベルリン映画祭フォーラムで国際芸術映画委員会賞やLA批評家協会賞でインディペンデント/実験的作品賞を受賞している作品である。

作品データを記しておくと、時間は87分、監督はデレク・ジャーマン、撮影はデレク・ジャーマン、クリストファー・ヒューズ、クリス・ヴァン・エヴァンス、リチャード・ヘスロプの4人、音楽はサイモン・ターナー、アンディ・ギル、ハヨ・トンプソン、アルバート・オーリン、バリー・アダムソン、エル・ティト、主題歌を歌ったのがマリアンヌ・フェイスフルである。そして出演は、ティルダ・スウィントン、スペンサー・レイ、スプリング・ソング、ジョン・フィリップス、ナイジェル・テリー、マシュー・ホーキンス、ゲイ・ゲイナー、たちである。

物語は4つのパートから成っていて、D・ジャーマン監督の自室で夜間に撮影された部分、ロンドンやリヴァプール市街の廃墟で撮影された部分、1928年~1953年にかけてジャーマン監督の両親や祖父によって撮影されたホーム・ムーヴィーの部分、ティルダ・スウィントンとスペンサー・レイが演じる恋人たちのいる近未来のイメージの世界の部分がある。

テーマは「大英帝国の終焉」というもので、廃墟、ホモセクシャル、ドラッグ、核戦争、テロ、暴力、難民、恋、個人の記憶と死、社会の歴史と殺戮、というものをイメージとして捕らえて、ドキュメンタリー・タッチで描いている。

映画としてストーリーを追いながら見ていく作品ではなく、D・ジャーマン監督の映像詩であって、映像の美学を堪能するための映像作品といった方が正解である。また、本作で使われている音楽を中心にして聴きながら、映像がある、と言っても良いかも知れない。(乱暴な言い方をすると、音楽のPVという事になる。→それにしては重すぎる映像ですが...)私的な実験作ということでは、これでも宜しいかと...

ということで、本作はサントラ盤の存在を抜きには語れない。そのサントラ盤には以下の全21曲が収録されている。『Disco DeAth』『Springback』『Refugee Theme』『In The Free World』『Intro』『Treizieme Revient』『Enoy Me』『Tonala』『Autumn Leaf』『Sketches Of Luxembourg』『Last Of England』『Fina』『Persistance Of Memory』『Bridge』『Hymn For Thatcher』『Day After Tomorrow』『Imprisoned Memories』『Jets』『Dead Sea』『Broadway Boy』『National Grid』。

じっくりと聴かせる静かな曲から激しい曲まで、一つの交響詩のようなスケールがあり、これはこれで一つの芸術作品として成立するものになっている。(ただ、部分的にはサントラ盤としての構成に手を入れた方が良いと思うところもある。)まあ、音楽作品として鑑賞するということでよろしいかと...

 

Last of England

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