「THE LAST PICTURE SHOW:TEXASVILLE」 [映画(洋画)]
表題の作品は1990年の映画「ラスト・ショー2」である。(ビデオでは「新ラスト・ショー」というタイトルになっている。)前作から19年の時を経て製作された続編である。物語は、あれから33年後ということになっているが、物語の舞台は同じテキサスの田舎町のアナリーンである。ただ、前作はモノクロ映像であったが、本作はカラー作品となっている。
作品データを記しておくと、時間は126分、原作はラリー・マクマートリー、監督と脚本はピーター・ボグダノヴィッチ、撮影はニコラス・フォン・スタンバーグである。そして出演は、ジェフ・ブリッジス、シビル・シェパード、ティモシー・ボトムズ、アニー・ポッツ、アイリーン・ブレナン、ランディ・クエイド、クロリス・リーチマン、ウィリアム・マクナマラ、たちである。
時は1984年の夏。テキサスの田舎町・アナリーン。30年前の若者たちも今では立派な中年になっていた。デュエーン・ジャクソンは倒産寸前の石油会社を抱えながら、数多くの女と浮名を流し、妻・カーラとは喧嘩が絶えない日々で、サニー・クロフォードはアナリーンの市長になっていたが、亡くした人々の思い出の中に生きていた。そんなところに、かつてのデュエーンの恋人で、イタリアで女優をしていたジェイシーが帰ってきた。ジェイシーは昔と変わらず、今でも美しく、そんな彼女の姿に昔を懐かしむデュエーン。が、ジェイシーも離婚を経験し、子供までを亡くした傷を秘めていた。それを知ったカーラは、夫と彼女のかつての仲を知りつつ、ジェイシーとの間に女同士の友情を育んでゆく。そんな中、町は百年祭のイベントが近づいてくる。が、サニーが行方不明になる。デュエーンたちが必死で捜すと、サニーは30年前に閉館したロイヤル劇場にいた。「百年祭」の最終日、デュエーンは自分の会社が倒産したことを知る。それを知らせたのは秘書のルースで、かつてサニーと関係があった仲だった。デュエーンは自分を見失っているサニーを救って欲しいと頼む。百年祭がクライマックスを迎えたその夜、デュエーンは久しぶりに妻・カーラと愛しあった。翌日、またもサニーが失踪した。彼は30年前のロイヤル劇場の最終上映の日の「赤い河」を思い出していた。デュエーンとルースはサニーのことを分かっていて、心が壊れそうになったサニーをしっかりと抱き止めたのだった...
前作と同じキャストであるというのは、続編であることを考えると、結構重要である。特に本作のような人間ドラマの場合はなおさらである。前作では青春の真っ直中にいた若者たちが、時の流れによって中年になっていて、あの時持っていた夢を叶えることが出来ず、現在に至っていて、それなりに暮らしている姿は、人物描写がしっかりしているからこそ伝わってくるものがある。また、彼らの子供たちの世代には持っていない映画館に対する思いが強く残っているというのも、時の流れを感じさせるところであって、表現としたらオーソドックスだがなかなか良い味を出している。
人間ドラマとしたらいい味が出ているのだが、前作のモノクロの映像がノスタルジックなところがあるだけに、カラーにしなかった方が良かったと思えるのをはじめ、物語としてはスケールダウンしているのは仕方のないところなのでしょうか。尚、本作を見るには、前作を見てからにするのは言うまでもないことである。
↓DVDではなくてビデオです。
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