OTIS REDDING『PAIN IN MY HEART』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1964年に発表された彼のデビュー・オリジナル・アルバムである。1962年にソロ・シンガーとしてデビューをしていたこともあって、待望のオリジナル・アルバムということになった。独特の歌唱方法は本アルバムの頃には既に確立していて、オーティス節をたっぷり聴かせてくれる。
しかし、本アルバムはチャート成績は意外と良くなく、イギリスでこそ最高位28位を記録しているものの、アメリカ(Billboard)では最高位103位を記録しただけである。(だからといって、本アルバムの価値が下がるということはありませんが...)
収録曲は以下の全12曲である。『Pain In My Heart』『Dog』『Stand By Me』『Hey Hey Baby』『You Send Me』『I Need Your Loving』『These Arms Of Mine』『Louie, Louie』『Something Is Worrying Me』『Security』『That's What My Heart Needs』『Lucille』。
この中からシングル・カットされたのは全部で4曲であるが、チャート成績の方は、それほど良くはない。(まあ、R & Bである彼の曲はBillboardの総合チャート(ポップが中心になっている。)では今一つになってしまうのは仕方のない所でもありますけど...)で、『These Arms Of Mine』が最高位85位、『Pain In My Heart』が最高位61位、『Security』が最高位97位を記録したに留まっている。また、『That's What My Heart Needs』は総合チャートではランクインしていない。
チャート成績は今一つであるが、本アルバムには彼の代表的な曲も収録されているので、彼を聴く場合には絶対に外すことは出来ないアルバムである。そのため、お薦め曲は「全部」ということにしておく。(まあ、『Pain In My Heart』や『These Arms Of Mine』等は当たり前すぎる定番曲なので、「お薦め曲」として取り上げるのも恥ずかしいぐらいですけど...)
彼が亡くなるのは1967年のことであり、26才であった。そのため、彼の活動期間というのはそれほど長くない。が、彼の独特の歌唱法は多くのシンガーに影響を与え、ソウル音楽の世界では神様の1人である。彼の死後、特に'70'sに突入すると、ソウル・ミュージックはファンキーな要素が色濃くなって、彼のサウンドとは随分とかけ離れたものとなって発展していくことになるが、彼が生きていたら、'70'sのソウル・ミュージックはどれだけ違ったものになっていたか、と考えるだけでも本当に残念な飛行機事故でした。
ちなみに、彼の誕生日は1941/9/9である。(生きていたら、明日で68才になるところでした。)彼の音楽に触れてみるのには丁度良いところでもあるだけに、じっくりと聴いてもらいたいアルバムである。
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