「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その120) [ケータイ刑事]
今回の「ある物」は、物とは言い難いものである。(無形のものですから)が、一応は「物」ということにして取り上げます。今回のテーマは「オペラ」です。(観劇にすると、更は幅が広がってしまうので、「観劇」の中の1つとして「オペラ」と言うことにします。)取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「雷・2nd.12&13話」(前後編の物語だから、2話分ということになります。)、「007」からは「慰めの報酬」です。
「ケータイ刑事」:「雷・2nd.12&13話」。「BS-i初!まさかオペラ!? ~犯人はあなただ!殺人事件」という物語である。この物語はオペラで演じられる物語であり、有名なオペラ作品が登場するのではなく、物語自体がオペラになった物語である。(こういう物語があるところが「ケータイ刑事」ならではである。)
「ケータイ刑事」の捜査会議(=企画会議のこと)が行われる中、強権を発動して脚本家たちを威圧する丹羽プロデューサに対して、見ながら死んで欲しい人の名前を念じると、その人が本当に死んでしまうという映像が収録されたDVDを持ってきた林。効果が分からないと言うことで、林が自分自身で試したらしく、その林が急死した。残された3人の脚本家たちは林の遺志を継いで丹羽を殺そうとするが、3人とも踏ん切りが付かず、DVDを見ることが出来かった。一方、雷ちゃんと高村さんもDVDを再生することにした。途中で柴田から連絡があって部屋を離れ、再生が終わった後に戻って来た。すると丹羽が死んだという知らせが入る。3人の脚本家たちは、結局は誰もDVDを再生しておらず、誰が犯人だ?と言うことになるが、部屋にあったテレビから雷ちゃんは結論を導いた。
「犯人はあなたです」と言って指摘されたのは視聴者だった、という、普通ではあり得ないことが起こった事件であった。(雷ちゃんがテレビの視聴者に向かって「犯人はあなたです」と言うのだから、これだけでも凄いことです。→「ケータイ刑事」らしいといえばらしいのですけど...)尚、「オペラ」はこの物語がオペラの物語として製作されているということなので、有名なオペラ作品が登場することはなく、「ケータイ刑事」自身がオペラになった物語でした。
「007」:「慰めの報酬」。シリーズ第22作で、6代目の第2作。現時点でのシリーズ最新作である。前作「カジノ・ロワイヤル」の続編であり、謎の組織の活動が前作よりも更にはっきりとしてくることになる。初代ボンドの時に登場したようなスペクターのような存在となるのかはまだ分からないが、今後のシリーズでも描かれることが予想されるところである。
この物語に登場する「オペラ」は『トスカ』である。場所はオーストリアのブレゲンツ。ここでオペラ『トスカ』が上演されていて、そこにドミニク・グリーンも(客として)やってきた。が、何やら秘密の通信装置を身につけていた。『トスカ』の上演が始まると、その通信装置を使って大勢の人間たちと話すグリーン。「ティエラ計画」「カナダの件」「ボリビアの資源」という言葉が飛び交う。それは謎の組織の幹部たちの秘密会議だった。観客の中に紛れている秘密会議の参加者たち。それは世界各国の政財界の大物たちだったが、お互いの顔は知らず、顔を見ることなく秘密会議が進められていく。
ボンドもその中の1人に紛れ込み、話を聞いていたが、突然口を出したことから、会議は打ち切りとなり、グリーンたちは席を立って会場から出て行こうとする。その途中でボンドと鉢合わせになったことから、用心棒がボンドを追い、会場内のレストランから舞台裏での追っかけっことなる。その隙にグリーンは車に乗り込み、会場を後にしようとするが、ボンドを追ってきた男を捕らえたボンドは、屋上から突き落とし、グリーンの乗った久瑠のに落下する。顔を見られたと言うことでグリーンは男の消すように命じ、男は始末されたが、その男はイギリスの特命大使の護衛の任務に就いていた男だった。
オペラの会場で、オペラの上演中に秘密会議が行われるということで、謎の組織が隠れ蓑に使ったということになった「オペラ」であり、死人が出ているが、それらはオペラの出演者や一般の観客にとっては全く知らないところで起こったことである。
尚、「トスカ」というオペラは、フランスのサルドゥーによる悲劇の物語であり、歌姫トスカと画家カヴァラドッシとの秘剣を描いたものである。1887年に初演されている。また、それを元にして、プッチーニによる作品としても知られていて、こちらは1900年に初演されている。色々と見せ場があり、オペラ史に残る作品として知られている。
共通点は、「オペラ」の席を借りて会議が行われているということ、そして人殺しが行われたことである。しかも、その会議では中心人物が強権を発動しているというのも共通している。また、物語としては「オペラ」というのは隠れ蓑であったというのも共通している。→オペラ16世紀末から17世紀初頭に生まれたものであるが、21世紀になって歴史も400年を超えた所で、同じような発想で利用されたというのも、偶然とは思えない不思議な力が働いているということですね。
違いは、「ケータイ刑事」ではオペラを演じる方であったが、「007」では(一応)見る側であったということと、その場で起こった人殺しは「007」では情報を得るためだったとはいうものの、主人公のボンドに寄って行われているが、「ケータイ刑事」では主人公・銭形はあくまでも事件を解決した方であって、殺しには関与していない。(前代未聞の視聴者が犯人という物語でした。)
次回も「007」からは「慰めの報酬」として記していきます。「ある物」にするか「シチュエーション」にするかのどちらかの予定です。何が登場するかはお楽しみに。
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