「THE MALTESE FALCON」(1941) [映画(洋画)]
表題の作品は1941年の映画「マルタの鷹」である。ハードボイルドという言葉を定着させることになった作品であり、主演のH・ボガードの出世作となり、彼のイメージを決定づけた作品である。原作はD・ハメットであり、彼の探偵小説で私立探偵・サム・スペードが登場する唯一の長編小説の映画化作品である。と言っても、ボガードの主演作品はその3度目の映画化であることは意外と知られていない。(最初は1931年の「マルタの鷹」、2度目は1936年の「魔王が婦人に出遭った」である。が、「魔王…」は現在では殆ど知られていない。→原題は「SATAN MET A LADY」、ウィリアム・ディートリー監督、ウォーレン・ウィリアム主演作である。)
が、その3度の映画化の中で最も有名なのが本作である。(というより、本作のみが広く知られていると言った方が正解でしょう。)
作品データを記しておくと、時間は100分、白黒作品である。原作はダシール・ハメット、監督と脚本はジョン・ヒューストン、撮影はアーサー・エディソン、音楽はアドルフ・ドイッチである。そして出演は、ハンフリー・ボガート、メアリー・アスター、ピーター・ローレ、シドニー・グリーンストリート、ウォード・ボンド、グラディス・ジョージ、エリシャ・クック・Jr.、バートン・マクレーン、ジェローム・コーワン、ウォルター・ヒューストン、リー・パトリック、たちである。
サンフランシスコで私立探偵をしているサム・スペード。ある日、彼はワンダリーという女から、サースビーという人物に尾行されているから救ってほしいという依頼を受ける。この依頼をスペードの相棒であるアーチャーが買って出た。が、その夜、アーチャーはサースビーと共に死体となって発見された警察は、スペードとアーチャーの妻・アイヴァの間を怪しんで、彼の謀殺だと考えた。で、スペードは自分の身を守るために調査を開始し。ワンダリーを追及する。で、彼女はオーショネイという名前が本名で、サースビーと儲け話を考えている間に裏切られ、サースビーの尾行を頼んだということが分かった。そんなスペードが事務所に戻ると、カイロという男が来ていて、黒い鷹の置物を探してくれたら5000ドルの謝礼を出す、という。で、カイロとオーショネイは鷹の置物を捜している競争相手であり、更に第三の男がいることも分かる。で、鷹の置物は16世紀にマルタ騎士団がスペイン王に献上するために作った純金の像であり、オーショネイとカイロはこれを独占しようと企んでいたことが判明する。やがて、パロマ号という船が香港から入港し、その夜火事となり、重症を負った船長が鷹の包をスペードの事務所に持ちこんできた息絶える。スペードは全関係者と事務所で会うと、鷹の処分、3つの殺人事件の犯人の処理についての話を始める。底に警察が現れ、スペードは事件について語った。そして届けられた鷹の置物は、鉛製のニセモノであって、本物ではなかった...
70年近くも昔の作品ということで、舞台となっているサンフランシスコの町も随分と様子が違い、社会インフラも大きく違っているが、ハードボイルドという分野を確率した作品であり、これは見ておくべき作品である。それにしても、ボギーがカッコイイですね。(この点だけは時代が大きく変わっている現在でも不変である。)
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