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ケータイ刑事銭形泪34話(2nd.21話)[裏ネタ編]PART 7 [ケータイ刑事]

7回目となる「銭形泪・2nd.21話」(通算では34話)の「殺しを語る肖像画 ~軽井沢夫人殺人事件」の「裏ネタ編」ですが、今回はこの物語では言葉上の誤解があった「缶詰」について、劇中で名前が出てきた「ムンク作『叫び』」について、そして毒物として登場した「青酸カリ」についてと、「アゾ系の顔料」について記します。尚、「ムンク作『叫び』」は「ムンク(叫び)」ということで「・14話(2nd.1話)[裏ネタ編]」で、「青酸カリ」は「・2話[裏ネタ編]PART 3」で記しているが、それぞれをベースにして加筆しました。

尚、約3年1ヶ月前になるBS-i(当時)のこの物語の再放送時に記した記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。

缶詰」:2つの意味があり、この物語ではその2つの意味を上手く物語に使っている。1つは工業製品の「缶詰」であり、英語では「Can」または「Canned Food」と呼ばれる食品の総称である。(ドイツ語では「Dose」、フランス語では「Conserve」、イタリア語では「Scatola」、スペイン語では「Comida en Lata」と言う。)尚、日本語でひらがな表記する場合は「かんづめ」であって「かんずめ」ではない。(→漢字表記の「缶詰」の「詰」は「つめ」と読み、「かんつめ」の「つ」が濁ったため、「づ」と表記するのが正しい。)

もう1つは、この物語の服部大五郎が置かれた状況そのままであって、アル場所に人間を閉じ込めて、外部との接触を断った状態にすることを言う。この物語のように、ある作業に集中させるために、人を何処かに缶詰にするというのは珍しいことではない。また、鉄道が雪や豪雨、或いは事故のために立ち往生してしまった時、「乗客が列車に缶詰になる」という様な使われ方をする。(後者の方ならば、経験したことがある、という方も結構いるのでは...???)

前者の食品の「缶詰」は、加工した食品をアルミやブリキ製の缶と呼ばれる容器に詰めて加熱殺菌し、脱気して密封したものである。密封してあることから長期保存に適したものである。

尚、概念的には飲料でも同じであるが、飲料を入れた缶詰は「缶ジュース」などと呼ばれて「缶詰」とは呼ばないのが一般的である。(長期保存が出来るということでは同じですけど...)

缶詰の歴史は19世紀初頭まで遡る。1804年にフランスのニコラ・アペールが長期保存可能な瓶詰めを発明するが、これはガラス瓶を使っていて、ガラスは重く破損しやすいという欠点があった。これを解決したのがイギリス人のピーター・デュランドであって、1810年に金属製容器に食品を入れる缶詰を発明したのが最初である。これによって食品の長期間保存が容易になる。しかし、この時の缶詰は、殺菌の方法に問題があって、中身が発酵して缶が破裂するという事故が度々起こっていた。(後に改良されて解決する。)また、1833年には缶の蓋回りをはんだ付けし、熱で溶かして缶を開ける方式が考案され、1860年代にブリキが発明されて缶詰容器に用いられるようになると、缶切りを使って開けるようになる。(それまでは、缶詰を開けるというのは、ノミを缶に当ててカナヅチで叩いて開けるという方法が用いられていた。中には、銃で撃って開けるという輩もいました。(軍隊らしい発想ですけど...))現在では缶切りが不要となるようにプルトップが解いているものが当たり前になっている。

日本では、1871年に長崎で松田雅典がフランス人の指導の下でイワシ油漬の缶詰の試作が行われたのが最初である。本格的に量産されるようになったのは1877/10/10の北海道石狩市で石狩缶詰所が創業したことによるものである。(このため、日本缶詰協会10/10を「缶詰の日」と定めている。)しかし、とても高価であり、軍隊の携行食品というものであり、一般人の間では殆ど普及しなかった。これが1923年の関東大震災の時、アメリカからの支援物資に缶詰があって、これから普及するようになったと言われている。

現在でも缶詰は、長期保存が可能な食品として広く利用されているが、近年はレトルト食品が缶詰よりも軽量であり、食後の容器(すなわち空き缶)の処理が楽になる容器として売り上げが伸びてきている。ちなみに、現在では日本人は1人が年間に30~40個の缶詰(食品)を利用している計算になっている。(缶飲料はこの中には含まれておらず、これらを含めると4~5倍になる。)

ムンク作『叫び』」:「ムンク」はエドヴァルド・ムンク(Edvard Munch)。ノルウェーの画家であり、1863/12/12の生まれ、1944/1/23没。ノルウェーの国民的な画家として知られている19世紀から20世紀の画家であり、表現派の先駆け的な画家として知られている。また代表作「叫び」は余りにも有名である。彼の作品は、生と死、病患を主題にした作品が多い。

ノルウェー・ヘードマルク県ロイテンで生まれた彼は、翌年クリスチャニア(現在のオスロ)へ移住する。5歳の1868年に母が結核のために30歳の若さで死去、1877年には15歳の姉が結核で死去していて、彼も病弱な少年であった。幼い頃に「死」を身近に感じていただけに、初期の作品では「死」がテーマになった作品が多い。特に1886年の『病める子』、1893年頃の『病室での死』は諸にそり影響が出ている。

1881年に画学校(後の王立美術工芸学校)に入学し、「クリスチャニア・ボヘミアン」という、当時の前衛作家、芸術家グループと交際するようになる。1889年にノルウェー政府の奨学金を得るとフランス留学し、レオン・ボナのアトリエで学ぶ。そしてゴーギャン、ファン・ゴッホなどのポスト印象派の画家たちに大きな影響を受けることになる。が、パリに留学してまもなく父が死去する。1892年にベルリンに移り、彼の代表作となる『叫び』はここで描かれることになる。その後、コペンハーゲン、パリなどと転々とする。尚、夏は毎年母国のノルウェー・オースゴールストランの海岸で過ごしていて、彼の作品にはオースゴールストランの海岸風景は数多く登場している。

1902年の夏、オースゴールストランにて数年ぶりに以前の恋人と再会するも、トラブルとなって有名な発砲事件を起こし、この事件で左手中指の関節の一部を失うことになる。(発砲事件の詳細は不明である。)そしてアルコールに溺れるようになる。

1909年にノルウェーに戻り、健康を回復すると、建築内部装飾のための大作、雪中で働く労働者をテーマとした作品などを手がけていくことになる。1914年に依頼されて1916年に完成したオスロ大学の講堂に装飾画がころころの代表作として知られている。

その後も、オスロ郊外のエーケリーに住み、創作活動を亡くなる1944年まで続ける。が、気に入った作品は手元に残していたため、死後、遺言でオスロ市に寄贈されて陽の目を見ることになった作品が多数ある。

代表作は『叫び』であるが、それ以外にも『マドンナ』『嫉妬』『思春期』という作品がある。彼の作品の多くはオスロのムンク美術館に所蔵されているので、実物を鑑賞したければオスロに行くと、数多くの作品と接することが出来ます。

『叫び』はノルウェー語では「SKRIK」というタイトルであり、1893年に発表された作品である。遠近法を強調した構図、血の色のような赤い空の色、フィヨルドの不気味な形、極度にデフォルメされた人物などが印象的な作品であり、余りにも有名な作品である。そして、『モナリザ』と共に色々とパロディ作品が生み出されている作品でもある。また、ここに登場している人物をモデルにした人形などが制作販売されていることでも知られている。

尚、この作品は4点制作されていて、ノルウェーのムンク美術館に2点所蔵されていて、それ以外の2点はオスロ国立美術館に1点、個人が1点を所蔵していることが知られている。

そして、2004年8月(奇しくも、この物語の本放送の頃ですね。)に、ムンク美術館に所蔵されていた1点が、彼の作品である『マドンナ』と共に盗み出されたというニュースは記憶に新しい所である。(2点とも2006/8/31にオスロ市内で発見されて無事に回収された。→こんなにも有名な作品を盗んでも、換金するのは不可能である。贋作ならば金にならないし、本物だったら窃盗したということになりますからね...)

青酸カリ」:「シアン化カリウム」が正式名称であるが、一般的には「青酸カリ」または「青化カリ」とも呼ばれている毒物である。毒物の代名詞のような有名なものであるが、工業的にも重要な化合物であり、メッキや治金の分野で幅広く使用されている。また、現在では使用されていないが、以前は写真の世界でも、銀盤写真の銀メッキを行う過程で使用されていた。

化学式は「KCN」、比重は1.52、融点は634.5゜Cである。潮解性であり、結晶としては無色である。乾燥状態であれば無臭であるが、水に溶けた場合はアーモンドのような匂いがする。(この物語ではちゃんも語っていますし、お姉ちゃまも口にしていました。)

水に溶けやすく、酸と反応するとシアン化水素を発生する。また、猛毒であることから、毒物及び劇物取締法施行令で毒物に指定されている。そのため、一般には簡単に入手出来るものではない。しかし、工業的に重要な物質であり、治金(金や銀の抽出)やメッキを行う上では必要な物質であり、そういう業者(特に町工場)は厳重な管理行うことが義務づけられているものの、日常の業務で利用されている。そのため、町工場には意外と多くある化学物質でもある。(当然、泥棒の侵入に対する盗難防止対策も行っていなければならない。)

毒物としての性質は、致死量は成人の場合150mgとされているので、ほんの微量で死に至ることになる。致死量の青酸カリが体内に入った場合は15分以内に死に至る。そのため、即効性の毒物ということになる。

体内に入ると、胃の中で胃酸と化学反応を起こしてシアン化水素を発生し、呼吸によってこれが肺を経由して血液中に入り、重要臓器を細胞内低酸素状態にして壊死させ、個体死に至るとされている。そのため、青酸カリ中毒を起こした人の呼気を吸うのはシアン化水素を吸収してしまう可能性があり、とても危険である。体内に入った場合は、めまい、嘔吐、激しい動悸と頭痛が起こり、これが全身に現れる。続いて、血液中のpH値が旧に下がるアシドーシスによって痙攣が起こる。また、それとは別に、皮膚から吸収することによっても中毒が起こり、死に至る可能性がある。(「ウラリ」もこれと同じですね。)

青酸カリ中毒となった場合の処置としては、医療機関への連絡(シアンによる中毒であることを忘れずに伝えるように!)は当然であるが、患者の呼気を吸わないように対策を行ってから開始する必要がある。(患者の呼気をを吸うと、その人も中毒症状になる可能性が非常に高い。マウストゥマウスの人工呼吸は厳禁である。(自殺行為です。))患者に意識があるならば、兎に角吐かせて胃洗浄を繰り返して毒物を体外に出すことである。それ以外は素人の出来る範囲ではなく、救急隊員や医師に任せましょう、

アゾ系の顔料」:「顔料」とは、水や油に溶けない着色用の粉末の総称である。(水や油に溶けるものは「染料」と呼ぶ。)天然鉱物の粉末や化学的に合成された人造無機化合物の「無機顔料」と(後述する)アゾ系や多環式系の「有機顔料」に大別される。(水溶性の染料(一般的に有機化合物である)をレーキ化して顔料として使用する場合もあり、これを別に考える場合もあるが、ここでは有機顔料り仲間と言うことに分類しておく。)尚、英語では「Pigment」と言う。

「アゾ系」というのは、アゾ化合物であるものであり、「R−N=N−R'」という構造のアゾ基で2つの有機基が連結されている有機化合物の総称である。特に芳香族アゾ化合物には色素となるものが多く存在していて、これらは「アゾ染料」として多く利用されている。色の種類も豊富であり、合成もしやすいことから、人工的な顔料や染料として広く利用されている。但し、一部では発癌性も指摘されているため、使用が減少しているものもある。

「アゾ系の顔料」は上述のアゾ化合物である有機化合物を顔料として使用したものである。芳香族アミンとカップリング成分の反応によって水中で合成されることで作り出される。色は黄色、オレンジ、赤、赤紫というところであり、無機顔料よりも強い着色力を持っている。

アゾ系の顔料としては、モノアゾ顔料(アゾ発色基を一つ分子構造中に有するもの)、レーキ顔料(モノアゾ顔料に金属を配向したもの)、ジスアゾ顔料(アゾ発色基を二つ構造中に有しするもの)、縮合アゾ顔料(縮合反応により中心部に配向構造を持ちアゾ基を二つ持つもの)がある。

アゾ系顔料は耐光性が強いという特徴があるが、これは分子内に分極によって水素結合を持つことになり、この水素結合の力によって結晶の結びつく力が強化されているためである。

現在、市場に出回っているインクジェットプリンターで使用されているインクは水性であり、染料系のものが多く利用されているが、耐光性を強調した機種では顔料系インクが使用されている。

また、顔料系インクの方が染料系インクよりも紙表面でのインクにじみが少ないため、黒に顔料系インクを使い、モノクロ印刷の高精細化を狙ったものがある。(同じ黒でも、染料系と顔料系の2つのインクを使うプリンターがありますね。)

 

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