「悪名」(その13) [映画(邦画)]
今回は、大映でのシリーズ終了後5年のブランクを挟んで勝プロとーの制作で東宝が配給した作品についてです。一応この作品がシリーズ第16作という扱いになっているが、ソフト化されていないということで、見ようとするとかなり困難になっている作品でもある。
シリーズ第16作「悪名縄張荒らし」
作品データを記しておくと、1974年の勝プロ・東宝作品で、時間は104分、原作は今東光、製作が勝新太郎と西岡弘善の2人となっている。監督は増村保造、脚本は依田義賢、撮影は宮川一夫、美術は太田誠一、音楽は富田勲である。そして出演は、勝新太郎、北大路欣也、中村鴈治郎、アイ・ジョージ、大滝秀治、望月真理子、十朱幸代、太地喜和子、田武謙三、須賀不二男、杉村春子、悠木千帆、今福正雄、伊佐山ひろ子、財津一郎、阿波地大輔、たちである。
物語は、1961年のシリーズ第1作「悪名」、第2作「続悪名」を再構築してリメイクしたものである。(2作で3時間ちょっとというものが100分ちょっとに凝縮されている。)ということで、第1作と第2作の朝吉とモートルの貞のコンビの物語となっている。しかし、朝吉は勝新太郎が演じているが、貞は田宮二郎ではなく北大路欣也が演じている。(ここでは物語については省略します。「その2」と「その3」でそれぞれの作品を記しており、基本的にそれを再構築したものです。)
スタッフは旧大映関係者で固められていることもあって、かつてのシリーズの雰囲気は活きている。そして増村監督の演出も冴えていて、後半になると増村節がよりいっそう輝くことになる。また、時代の流行を取り入れていてもそれが浮いていない所も上手い所である。
リメイク作品は色んな形のものがあり、本作のように連続した2本の物語を1本にまとめてしまうという形でのリメイクは冒険でもあるが、味付けの方もなかなかであり、決して悪いものでは無い。但し、「悪名」シリーズと言うことにしたら、結構はちゃけた所もあるのも事実ですが...で、モートルの貞を改めて登場させたことで、「悪名」シリーズは完全に幕となりました。尚、この後、21世紀になった2001年にリメイク作が製作されているが、大映時代のシリーズのような痛快な面白さがないのが残念でした。(一応、次回にそのリメイク作を取り上げることにします。)
↓一応、中古ということならばあるようですが...
↓原作小説
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