SSブログ

「犬」(その2) [映画(邦画)]

今回は1964年に製作されたシリーズ第1作と第2作についてです。

シリーズ第1作宿無し犬
作品データを記しておくと、1964年の大映京都の作品で、時間は91分、監督は田中徳三、脚本は藤本義一、撮影は武田千吉郎、美術は西岡善信、音楽は塚原哲夫である。そして出演は、田宮二郎、天知茂、江波杏子、坂本スミ子、成田三樹夫、水島道太郎、五味龍太郎、島田竜三、須賀不二男、佐々木孝丸、水原浩一、寺島雄作、木村玄、西岡慶子、毛利郁子、西川ヒノデ、たちである。

女よりもコルトが好きという鴨井大介。彼は母の墓参りのため高松にやってきたが、墓地はゴルフ場となっていて墓はなかった。で、憤慨した大介だったが、金比羅参りをする途中にであった美人に興味を持った。その夜、宿で大介は、やくざにかこまれて口論する昼間の美女を見ると、喧嘩に割って入り、一人の肩口を刺した。翌日、大介は沼野観光の社長と言う男から30万円を差し出される。事情を聴くと、昨日大介が喧嘩をした相手は大興組の連中であれ、沼野を狙っていたが、大介が割って入ったことで助けられたというのだった。しかも大興組は、墓をゴルフ場にした張本人であると知らされた。大介は大興組に乗り込もうとしたものの、沼野にひきとめられ、食客となる。それ行こう、大介はあの美人を何度も見かけるが、彼女にはボディガードが守っていて、話しかけることも出来なかった。そんな中、沼野の経営する宿が火事になり、焼け出される。この火事は青井が保険金詐欺で金を得ようとして企んだものだった。で、沼野から青井を殺すように頼まれる大介。しかしそれを断ると、沼能の元を出ていった。そんな大介の元に、気になった美人のボディガードをしていた男が尋ねてきた。彼は実は刑事で、大興組、沼野観光、青井という悪の繋がりを断ち切るために動いていたのだった。で、青井を連れ出して欲しいと頼まれる。これに、あの美人の居場所を教えて貰うという交換条件で、大介は引き受けた。(美人の名前は麻子と知る。)で、情夫・康市の前で、麻子か墓の落とし前として4200万円のどちらを選ぶか迫る。これに康市が麻子を殺そうとしたが、康市を海に落して麻子を連れ去った大介だった。しかし、大介は康市と麻子が姉弟だと知り、康市の骨を引きとるために大興に乗り込んだが...

主人公・鴨井大介は女に持てるプレイボーイという設定であり、パット見ただけでは単なるお調子者に見えるのだが、拳銃の腕前だけは人並み外れたものがあるという設定が面白く、'50年代からある無国籍ヒーロー作品の様な雰囲気があって、楽しませてくれる作品である。シリーズ作品の題1作ということでは、主人公のキャラを掴むまでが問題となるのだが、特に抵抗なく入って行くことが出来るので、まずは合格と言ったところでした。

シリーズ第2作喧嘩犬
作品データを記しておくと、1964年の大映京都の作品で、時間は89分、監督は村山三男、脚本は藤本義一、撮影は渡辺公夫、美術は高橋康一、音楽は土橋啓二である。そして出演は、田宮二郎、浜田ゆう子、山下洵一郎、坂本スミ子、成田三樹夫、千波丈太郎、玉川良一、海野かつを、遠藤辰雄、榎本美佐江、守田学、藤井竜史、橋本力、小山内淳、阿部脩、小原利之、村上不二夫、伊東光一、小柳徹、中田勉、松浦いづみ、橘喜久子、たちである。

刑務所にいた鴨井大介が出所すると、刑務所時代に彼のことを慕っていて、先に出所した小吉の家を訪ねた。が、小吉は女房・町子を暴力団に連れられていき、新聞記者・佐々木にしつこく取材されている所だった。で、町子を連れて行った暴力団のいるクラブに乗り込む。そのクラブの経営者は、土建屋の天地組のボス・小森安五郎であり、大介が刑務所にいた時、同房だった男だった。小森は大介の腕を知っていたので、町子をあっさりと返した。で、それからの大介は、小吉の世話で仕事を始め、気になる女も現れるようになる。が、拳銃を持っていないと心が落ち着かない大介は、小森に頼んで拳銃を手に入れたが、その交換条件として、小森の工事現場の監督を務めることになる。が、新聞記者・佐々木から、小森と蒲生が悪だくみをしていて、その邪魔となる大介を消そうとしていると教えられる。そんな中、蒲生の言葉によって踊らされた労務者たちの逃亡を小吉が手助けし、それに怒った小森が小吉を殺した。で、大介は怒りが爆発、小森の元に殴りこみをかけ、小森たち一味を全滅させた。新聞記者・佐々木から警察がやってくることを教えられた大介は、そのまま夜の闇に消えていった。

本作では、この手の作品ではお決まりの、刑務所から出所してからの物語になり、シリーズ作品らしいものになりました。ノリは前作から大きく違っていないので、シリーズ作品としての正否が決まることになる第2作ということでは順当な展開でした。

 

↓本シリーズはDVD化されておらず、ビデオです。

宿無し犬 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 大映
  • メディア: VHS

 

喧嘩犬 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 大映
  • メディア: VHS


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。