POCO『POCO』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1970年に発表されたかれらの2nd.アルバムである。カントリー・バンドである彼らが本当の意味でスタートしたアルバムといって良いものであり、本アルバムから彼らの持ち味が活かされるようになったアルバムである。が、彼らの全盛期は'70's終盤であって、それまでは地道な道を歩んでいくことになる。とは言っても、単にカントリー・ロックというものではなく、ソウルやラテンのテイストとクロスオーバーしたものであり、当時としては新しいサウンドである。
収録曲は以下の全7曲である。『Hurry Up』『You Better Think Twice』『Honky Tonk Downstairs』『Keep On Believin'』『Anyway Bye Bye』『Don't Let It Pass By』『Nobody's Fool/El Tonto de Nadie, Regresa』。
本アルバムからシングル・カットされたのは『You Better Think Twice』であり、Billboardのシングル・チャートでは最高位72位を記録している。(一応、チャートに記録のある彼らの最初のシングルと言うことになる。)
収録曲が少ないと感じるかも知れないが、『Anyway Bye Bye』が約7分、『Nobody's Fool/El Tonto de Nadie, Regresa』は約18分半というメドレーとなっているためで、それ以外の曲は時間的には普通である。(この2曲で半分以上の時間を占めている。)
この中からのお薦め曲は、シングル・ヒットを記録している『You Better Think Twice』、7分という大作の『Anyway Bye Bye』、そして『Hurry Up』『Don't Let It Pass By』をピックアップしておく。尚、18分半という時間のメドレーでもある『Nobody's Fool/El Tonto de Nadie, Regresa』も悪くはないのだが、余りにも時間が長すぎるということでお薦め曲からは外しておくが、一度は聴いておきたい曲であるのは言うまでもない。
日本では今一つ人気の無い「カントリー」であるが、アメリカではカントリーは身近なものである。しかも彼らのサウンドは、明るく、ソウルフルで、親しみやすいものである。また、元々はBUFFALO SPRINGFIELDのメンバーでもあった連中によって結成されたバンドが彼らであり、'70'sのカントリー・ロックを支えていくことになるEAGLES、LOGGINS & MESSINAなどが派生していくことになるだけに、チャートの記録以上の大きなものを生み出していくことになる彼らである。それだけに、'70'sのアメリカン・ロックを聴くのであれば、しっかりと聴いておきたいバンドであり、本アルバムは真っ先に聴いておきたいアルバムである。
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