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ケータイ刑事銭形泪36話(2nd.23話)[裏ネタ編]PART 6 [ケータイ刑事]

6回目となる「銭形泪・2nd.23話」(通算では36話)の「まりもクイーンVS女王卑弥呼 ~邪馬台国を迎撃せよ!」の「裏ネタ編」は、この物語の事件を解く鍵になったウルシによる接触皮膚炎の原因物質になった「ウルシの木」について、事件の動機にもなった「生命保険」について、「保険金」について、そしてダウジング卑弥呼に対してちゃんが口にした「死体の隠滅」について記します。尚、「保険金」については「・16話(2nd.3話)[裏ネタ編]PART 6」で記したものをベースにして加筆しました。

尚、約3年2ヶ月前のBS-i(当時)での再放送時に記した本編について記した記事(「改訂版」となります。)は「ここをクリック」してご覧下さい。

ウルシの木」:ウルシ科の落葉高木であり、成木は3m~10m程度になる。樹皮は灰白色、葉は3~9対の卵形か楕円形の小葉を有する奇数羽状複葉であり、紅葉する。花は6月頃に、葉腋に黄緑色の小花を多数総状に開く。雄雌異株であり、果実はゆがんだ扁平の核果で、10月頃に成熟して黄褐色となる。英語では「Lacquer Tree」と言うが、学名では「Toxicodendron Vernicifluum」という。中国の奥地が原産であり、漆を採取するために中国や日本では古くから栽培されている樹木の一つである。

特に、かぶれ(アレルギー性接触皮膚炎)を起こす植物であることで知られている。これはウルシオールという物質によるものであり、症状が酷い人は、ウルシに触れなくても、空気感染のような漢字でかぶれを起こすことがある。(ウルシの木の近くを通ったどけで症状が出る。)また、山火事でウルシの木が燃えた場合、煙の中にウルシオールが含まれていると、その煙を吸い込んだだけで、気管支かぶれが出て、呼吸困難に陥るという可能性が高く、危険な樹木でもある。

ウルシの木は塗料である漆を得るために古くから栽培されている。(また、「蝋」の原料にもなる。)漆はウルシの木から取ったどゅえきを加工したものであり、天然樹脂塗料である。主成分はウルシオール、ゴム質、ラッカーゼなどである。漆器で使用する塗料として利用されるが、塗料以外の用途として、接着剤として利用されることもある。尚、塗料としての「漆」は、英語では「Japanese Lacquer」と言う。(以前は「Japan」と呼んでいたこともあるが、現在ではこの言い方は用いられない。)

漆器は伝統工芸の一つとしても知られているものであり、食器、家具、楽器などに用いられるが、いずれもが高級品とされている。これは、漆が湿気、酸、アルカリに強いためであり、そのため、耐久性の高いものを得ることが出来る。また、防虫の効果もある。しかし、漆は紫外線によって劣化する、長期の乾燥状態ではひび割れを起こす、という欠点もある。→屋外に設置するものに使用すると、太陽からの紫外線により劣化することになる。

接着剤としての利用は、陶磁器の修理に用いられることがある。但し、降下するまでに暫く時間がかかり、その後で上から塗料としての漆を塗るということが行われるため、非常に時間のかかることになる。しかし、伝統工芸の世界では、この技法は工芸的な価値を高めることになるため、貴重な方法とされている。

尚、塗料として、または接着剤として利用される漆には、かぶれの原因となるウルシオールが原料となるが、加工される工程で、ウルシオールが重合していくことでかぶれることはなくなる。(漆器ではかぶれることはない。)

漆器では、京漆器や輪島塗が特に有名であるが、日本各地に漆器は存在している。日本では縄文時代前期(約9000年前)に既に漆器が存在していたことが分かっている。尚、中国では約7000年前の漆器が最も古いものとされている。(以前は、中国が発祥地で、日本に伝わってきたと考えられていたが、縄文時代前期の漆器が発見されたことから、現在では日本発祥説が唱えられている。)

尚、ウルシにかぶれた場合の対処法として、漆工の間では、ワラビの根を煎じた汁、煮たサワガニの汁、ホウ酸水などを患部に塗るという民間療法が伝えられている。(現在、これらを使うとしたら、ホウ酸水ということになるでしょうね。が、やはり専門医に診て貰うことが重要である。)

生命保険」:偶然起こる事故によって生じる財産上の損害に備えた保険の一つであり、被保険者(=保険の契約者)の死亡、若しくは一定の年齢に達するまで生存したことを条件として一定の金額が支払われる保険のことである。略して「生保」という。

これに該当する保険としては、「死亡保険」「生存保険」「養老保険」の3つがある。「死亡保険」は文字通り、被保険者の死亡を事由として保険金が支払われるものである。(満期(一定年齢)まで被保険者が死亡しなかったら、保険金は支払われない。)「生存保険」は被保険者が一定期間生存していることを事由として保険金が支払われるものである。(子ども保険、学資保険、結婚資金保険などがこれに該当する。)「養老保険」は「死亡保険」と「生存保険」を組み合わせたものであり、「混在保険」と呼ばれることもある。満期(一定年齢)までに死亡すると死亡保険金が支払われるが、それを超えると(死亡保険金は)支払われなくなるが、生存保険料が支払われることになる。

日本の生命保険契約は大半が「養老保険」タイプであり、ドイツも養老保険が多いが、世界の中では珍しい。

生命保険の起源は17世紀のイギリスであり、セントポール寺院の牧師たちが葬式代を賄うために、互いにある金額を積み立てていったものから始まったとされている。しかし、これは年齢に関係無く一定金額を支払っていたことから、年配層は小額で、若年層は多額を払うことになり、自然消滅した。その後、18世紀後半になって近代的生命保険が登場することになる。これは「生命表」と呼ばれるものが作られて、これを利用したものであり、年齢別、男女別に、次の誕生日まで生存する確率と死亡する確率を求めたものである。(今で言う所の「平均余命」に相当するものである。)

例えば、現在30歳の人と50歳の人、70歳の人がいるとすると、それぞれの中である程度の数の人は次の誕生日を迎えることなく死亡してしまう。誰が死亡するのかは分からないが、30歳の人はa%の人が、50歳の人はb%の人が、70歳の人はc%の人が死亡する(一般にa<b<cとなる。)ことから、それぞれの年齢で、保険料を払う人と保険料を受け取る人の人数が推定できることになる。但し、これはあくまでも一般論であって、戦争や自然災害があると、これは成り立たなくなる。(よって、これらは免責事項ということにして、保険金の支払いを行わないことにした。)

このシステムを導入した近代保険会社が1762年にイギリス・ロンドンに設立されたエクイタブル生命である。(但し、年齢制限を始め、契約するには多くの条件があった。)また、年齢が高くなるほど保険料が高くなるという仕組みである。

これを改善したものが、現在の保険でも採用されている「平準保険料方式」である。(保険料の支払いを、契約期間に応じて平均化して、月々の支払額を一定にしたもの。)

日本では、1881年に設立された明治生命保険会社が最初の生命保険を販売した。しかし、当時は「生命保険」に対する認識が低く、なかなか普及することはなく、養老保険の類が中心であった。(日本での生命保険の普及は、戦後になってからである。)

近年では、様々な特約を用意したりしていて、保険料の方は複雑になっているが、要は、必要な保険の種類は何であり、保険料はどのくらい必要なのかということを考えることが重要である。また、新しい保険が次々と登場しているが、新しいものほど「養老保険」として支払われる金額が少なくなるという傾向があるようですね。→バブル期には満期が10年から20年の養老保険は配当利率が高かったため、貯蓄商品としても魅力的なものであったが、バブルが弾け、その高利率の養老保険が満期を迎えたことで、支払いに苦しんだことで保険会社は養老保険を嫌うようになったのがその理由とされている...(某生命保険会社に勤める友人が口にしたことですが...)

保険金」:偶然起こる事故によって生じる財産上の損害を補填する内容の契約(=「保険」)に基づき、保険者(一般には保険会社がこれになる)が被保険者(=保険の契約者)に支払うお金のことである。(保険の種類については関係無く、この明照が使われる。)尚、英語では「Insurance」という。

保険の種類にはいくつかあり、物に対する「損害保険」、病気に備えての「医療保険」、死亡時に備えた「生命保険」、失業時などに備えた「社会保障保険」が主な種類となる。(それぞれの保険には、いくつかのものが存在する。例えば、養老保険、年金保険、疾病保険、入院保険、介護保険、医療保険、火災保険、地震保険、自動車保険、海上保険、傷害保険、雇用保険、失業保険など。(それぞれの詳細についてはここでは省略する。))

「保険」は、損失に対する保障を金銭で行うものであるため、これを悪用して、金銭を騙し取る目的で行われる「保険金詐欺」が古くから存在する。(これに対する保険会社の防衛策は「保険金の支払い拒否」ということになるが、保険金支払いの請求が行われると、疑わしい場合は色々と調査され、保険契約時の告知義務違反があったというような難癖を付けられることになるだけに...→保険金詐欺として立件された場合のように、何でもかんでも支払い拒否は出来ない。)で、「生命保険」は、損害保険と比べて、保険金の額が大きいことが多いため、保険金詐欺のでターゲットにされることが多いものである。(生命保険をかけ、その被保険者を殺害してしまうという方法が保険金詐欺となる。→当然、殺害行為は犯罪行為であるが、騙し取る行為も犯罪行為である。)

それにしても、刑事ドラマでは「保険金詐欺」  が動機となった事件が多いのだが、「ケータイ刑事」シリーズもそれに倣っていて、保険金が犯行動機となった事件が多いですね...

死体の隠滅」:「隠滅」とは、存在していた物事を跡形無く消して無くしてしまうこと、または完全に隠してしまうことであり、存在していないものにしてしまうことである。一般には「湮滅」または「堙滅」と表記するのだが、「湮」「堙」という漢字は共に常用漢字ではないため、法律の世界では「隠滅」と表記することになっている。(そのため、「隠滅」という表記が一般的なものになっている。)

この物語では、「死体の隠滅」=「犯罪行為」ということが直に語られているが、これは正確に言うと正しくない。(間に一段落あって、それが繋がることで「犯罪行為」になる、ということである。)

この事件では、被害者・美香子は首吊りに見せかけて殺され、その遺体をダウジング卑弥呼が土の中に埋めたということになっている。美香子を殺害した町上春樹には、美香子を殺害したという「殺人罪」と、美香子の死体をそのまま放置したということで「死体遺棄罪」が適用される。ダウジング卑弥呼は、遺棄された美香子の死体を勝手に移動させて埋めた(=隠滅行為に該当する。)ということになるので、殺人事件の証拠となる遺体を埋めるという隠滅行為による「証拠隠滅罪」が適用されることになる。また、正式な手順を経ずに美香子の遺体を処分した(=土中に埋めた)ことから、埋葬法違反になり、更にしたいを処分したことによる「死体損壊罪」が適用されることになる。

ということで、結果的にダウジング卑弥呼の行為はちゃんの言ったように「死体の隠滅」行為になり、犯罪行為になる。(但し、「死体隠滅罪」という罪は無い。)

 

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