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名曲探偵アマデウス#49 プロコフィエフ「組曲『ロメオとジュリエット』」 [ドラマ]

今回取り上げられた曲は、プロコフィエフ「組曲『ロメオとジュリエット』」ということで、シェイクスピアの余りにも有名な戯曲で知られる曲でした。曲についての解説は当然であるが、シェイクスピアの「ロメオとジュリエット」についても簡単に話があり、親切でしたね。(カノンさんが簡単に語り、更には人形劇でロメオとジュリエットの悲劇の部分を演じていました。)ということで、今回は、音楽と物語についての両方が分かる内容でした。(と言っても、「ロメオとジュリエット」の物語は有名すぎて、誰でも知っているでしょうが...)

冒頭では、カノンさんが携帯ゲームにハマっていて、ピコピコと五月蠅い、と所長が怒る。が、カノンさんはゲームのことを語り始め、今はやっている「駆け落ちゲーム」だという。そんな所に依頼人が現れ、駆け落ちした娘を捜して欲しい、と飛び込んできた。事務所の看板の「曲」の字が落ちていて「名探偵アマデウス」と見て飛び込んできたのだった。「名曲探偵」と言うことを説明して、依頼を断ろうとするカノンさんだったが、依頼人の携帯の着メロがプロコフィエフ「組曲『ロメオとジュリエット』」だったということから、所長は依頼を受けることにした。

情熱ラーメンというラーメン店を経営する依頼人は、娘・ゆりえ(14歳ということでした。→この名前は言うまでもなく、「ジュリエット(JULIET)」の英語以外の読みから来ていますね。)が、向かいにあるラーメン店(微熱ラーメン)の息子・トメオ(言うまでもなく「ロメオ」の名前をいじったものですね。)と駆け落ちしたということ、微熱ラーメンとは昔からのライバル関係で仲が悪いこと、2人の恋は許す訳にはいかない、ということを語る。(完全に「ロメオとジュリエット」の物語をベースにしている。)また、携帯の着メロはゆりえがセットしたと語り、所長は曲を聴けば居場所が分かるかも、ということで説明を始めた。

まずはジュリエットの部分から語られる。(「ライトモチーフ」について)カノンさんの豊かな表情はいつもの通りであるが、ジュリエットに憧れるような表情は良い表情をしていました。

続いて「モンタギュー家とキャピュレット家」の部分の解説となる。カノンさんは「使っている音は以外と単純な気がする」と言うが、これは「音感だけは抜群」というカノンさんの設定を上手く活かしていますね。で、この部分の説明は野本先生も力が入っていましたね。

ロメオの登場の所では、カノンさんの妄想が始まりだして、「ロメオはイケメン」とまで言って、うっとりとしていたが、恋する乙女という姿をたっぷりと出していました。しかも、これに依頼人が色々と突っ込むのだから、面白いですね。で、ここでは「ヘテロフォニー」の説明、そして「倚音」の説明があったが、野本先生の「倚音」の説明は丁寧で、その効果も含めてとても分かりやすかったです。

で、所長は「変わることも必要」と言って、そこからはプロコフィエフについての説明となり、この曲が作曲された背景の説明となる。曲の仕掛けの説明の後だったので、曲についての理解もなるほど、と思えるものになり、良く分かりました。

で、変わることも必要、憎しみからは何も生まれない、と話した所長は、「悲劇」の部分の説明に入る。カノンさんは「「ロメオとジュリエット」の結末はご存知ですよね」と言ってから、人形劇で、その悲劇の部分を説明していたが、いつの間にロメオとジュリエットの人形を作っていたのでしょうか...???

で「これは「ロメオとジュリエット」のお話です、昔々の」と言って依頼人を励まし、所長がそれを受けて依頼人を諭して娘・ゆりえの気持ちを語ったが、今回はカノンさんも所長の人生相談の力になっていたことが発揮されていて、良い感じで結びになりましたね。で、依頼人は娘のことを許し、自分も大きく変わることをやってみようと決意した。

で、帰って行く依頼人に「アツアツラーメンの出前、待ってます」と言うカノンさんの一言が、現実の世界に戻してくれるには上手い一言となっていましたね。

今回のドラマ部分は37分半強、曲の演奏は5分半弱、ラストのオチが1分弱という構成で、ドラマ部分が長く、曲の部分が短かったですね。で、5分半では当然ながら曲を全部という訳にはいかないので、曲は組曲の中から「モンタギュー家とキャピュレット家」と「マドリガル」の部分のダイジェストという形になっていました。

ラストのオチの部分は、カノンさんが所長に「所長の大恋愛を聴かせてくださいよ」と言って、所長の恋愛話を尋ねる。で、「あれは私が27歳の時だった...」と語り始めた所長。が、カノンさんの携帯にメールが届き、それに目を通すカノンさん。(所長の話はストップする。)で、そのメールは依頼人だった備前島からで、娘・ゆりえがトメオと別れて戻って来たという報告と、依頼人も変わることにして恋愛を始めようということで、カノンさんに「私と大恋愛してみませんか」と申し込んでくる内容だった。それを見たカノンさんは凍てつき、「大きく変わりすぎだよ!」と切り捨てた。(→カノンさんは所長一筋ですから、当然ですよね...)

1日前の11/14のBS-TBSの再放送「東京少女・瓜生美咲」が「ロミオと美咲」という物語で、これも「ロメオとジュリエット」を元にした物語であったが、その翌日の「名曲探偵アマデウス」でも「ロメオとジュリエット」が取り上げられたというのは、何かの縁があるということですかね。こうなると、いくつかある映画版の「ロメオとジュリエット」を改めて見てみようという気になりますね。有名なのは1968年のF・ゼフィレッリ監督、O・ハッセーがジュリエットを演じたものであるが、これと1936年のジョージ・キューカー監督、レスリー・ハワードのロミオ、ノーマ・シアラーのジュリエットの作品、1996年のバズ・ラーマン監督、レオナルド・ディカプリオのロミオ、クレア・デインズのジュリエットの作品は見ているので、未見である1954年のイギリス映画でレナート・カステラーニ監督、ローレンス・ハーヴェイのロミオ、スーザン・シェントルのジュリエットのものか、同じ1954年のソ連映画でレオ・アルンシュタム、レオニード・ラブロフスキー監督、U・ジダーノフのロミオ、ガリーナ・ウラノワのジュリエットのもののどちらかを見てみようかと...

それにしても、今回のカノンさんは豊かな表情を魅せてくれるだけでなく、「ロメオとジュリエット」の開設をしてくれたり、依頼人との掛け合いを楽しませてくれたり、所長の人生相談の助手も務めていて、大活躍でした。前回(ファイルNo.048)がちょっと物足りなさを感じたが、今回はそれをしっかりと取り返してくれていて、色々と楽しませてくれて、しかも色々と勉強になった物語でした。

次回(来週11/22)はファイルNo.050(ようやくこの大台に到達ですね。)のヤナーチェク「シンフォニエッタ」です。また、来週は大河ドラマ「天地人」が最終回のために30分延長されるので、BS-hiの放送は20:30からになり、いつもよりも30分繰り下がります。11/29は何かの再放送で、12/6はファイルNo.051・フォーク「レクイエム」と続きます。また、今週の再放送は、火曜朝だけとなり、土曜昼のBS-hiの再放送はお休みです。また、金曜朝のBS-2はファイルNo.048・ショスタコーヴィチ「交響曲第5番」で、地上波の方は大相撲のためお休みです。

 

プロコフィエフ:ロメオとジュリエット

プロコフィエフ:ロメオとジュリエット

  • アーティスト: スクロヴァチェフスキ(スタニスラフ),プロコフィエフ,ケルン放送交響楽団
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2002/06/21
  • メディア: CD

プロコフィエフ/ロメオとジュリエット

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  • アーティスト: アバド(クラウディオ),プロコフィエフ,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1998/02/01
  • メディア: CD
プロコフィエフ:ロメオとジュリエット

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  • アーティスト: 佐渡裕,プロコフィエフ,スイス・ロマンド管弦楽団
  • 出版社/メーカー: エイベックス・クラシックス
  • 発売日: 2005/03/24
  • メディア: CD
プロコフィエフ:ロメオとジュリエット組曲第1番、第2番より

プロコフィエフ:ロメオとジュリエット組曲第1番、第2番より

  • アーティスト: ムーティ(リッカルド),プロコフィエフ,フィラデルフィア管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2008/08/20
  • メディア: CD
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲

プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」組曲

  • アーティスト: サラステ(ユッカ=ペッカ),プロコフィエフ,トロント交響楽団
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2003/04/23
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シェイクスピア全集 (2) ロミオとジュリエット

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新訳 ロミオとジュリエット (角川文庫)

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  • 出版社/メーカー: 角川書店
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  • メディア: 単行本
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