SSブログ

名曲探偵アマデウス#53 パガニーニ「24の奇想曲」 [ドラマ]

年内最後の新作は、パガニーニの「24の奇想曲」でした。バイオリンの超絶技巧でしよれている曲であるが、それをマジックというものと結びつけて、楽しい内容の物語となっていました。(去年のン無い最後(ファイルNo.023)は年末恒例のベートーベンの「第九」だったが、今年はたっぷりと楽しませてくれる内容での締めということで、なかなか面白いことをやってくれますね。)

また、今回のゲストは山田まりやであるが、テンションも高く、これにカノンさんもハイテンションで色々と魅せてくれたのは楽しい所でした。(ドラマで姉妹を演じるというのも悪くないですね。)

冒頭、カノンさんがトランプで占いをしているが、結果は悪いものがでる。そんな所に、トランプのジョーカーが勝手に舞っていき、依頼人の2代目・マジカル・ジョーカーが現れた。父を次いで2代目になって10年ということで、父がテーマ曲として使っていた曲を使おうとしたが、それからは失敗するようになって上手く行かないということで、相談に来たのだった。が、2代目はアイドル路線で売っているということだった。この時、「マジドル!」と自ら言うマジカル・ジョーカーに対して、カノンさんも「マジドル!」とポーズを決めたが、カノンさんの方が可愛いかったですね。それを察知したのか、マジカル・ジョーカーのカノンさんに対する目がちょっと怖かったのと、殺気を感じたカノンさんの表情がまた面白かったです。

で、曲はパガニーニの「24の奇想曲」ということだったが、所長は初代・マジカル・ジョーカーのことを色々と知っているようでした。で、依頼を受けた所長だった。

この曲はバイオリンの超絶技巧に満ちた曲であり、この曲をモチーフにした作曲家が何人かいるということも語られて、リスト、シューマンの曲も紹介されていたが、嬉しい所でした。

いきなり、空のコップに飲み物を出すというマジックを披露したマジカル・ジョーカーと、これに驚くカノンさん。いつものように表情豊かなカノンさんですが、依頼人を持ち上げるということも多少はあるのかも...???

いくつか登場する超絶技巧のなかから紹介されたのは「一気に駆け上がるアルペッジョ」(ゆっくりと弾いてくれると、一段と凄さが分かります。)、「フラレッジョ」(音の違いがよく分かりました。)、「延々と続くスタッカート」(指の動きが凄いだけでなく、2分も続き、そのテンポも速いというのは凄いです。)、「左手で奏でる音」(音の出し方も1つではないことがよく分かります。)でした。で、カノンさんは「パガニーニって技のデパートなんですね」と言っていたが、実に上手い表現ですね。

続いて、パガニーニを描いた風刺画を出してきた所長。なかなか面白い展開です。また、野本先生の説明もいつものように分かりやすかったです。→パガニーニの時代にフィルムやビデオがあれば、実に凄かったでしょうね。こうやって見ると、余りにも早く生まれた演出家でもあったということですね。

依頼人は、自分も色々と演出をしている、と言うが、カノンさんは「何故か」失敗しちゃうんですね」とストレートに言うが、これに対してマジカル・ジョーカーの反応が面白かったです。(ちょっと、ムッとしていました。)が、カノンさんもそれを察知して、その反応も面白かったです。

パガニーニの生い立ちの説明から、「悪魔」と呼ばれた逸話や「秘密主義者」ということが語られるが、こういう所は自分の演出(野本先生は「情報操作」と言っていました。)を分かっているということで、やっぱり早く生まれすぎたということでしょうね。→ヒトラーも情報操作を心得ていて、プロパガンダが巧みであったが、パガニーニもそうだったということですね。もしもパガニーニの生きていた時代にテレビやラジオなどのメディアがあったら、更に凄いことをやったことでしょうね。

で、この曲の影響を受けた作曲家として、リストの「パガニーニによる大練習曲 第2番」の左手のオクターブ/両手のオクターブや、シューマンの「パガニーニのカプリースによる練習曲 第2番」が紹介されたが、こういう展開があるというのは、それだけ元の曲が凄いと言うことです。ただ、リストやシューマンの曲も、さわりだけでなく、じっくりと聴かせてもらいたかったところでもありました。

で、所長は、2代目の路線(アイドル路線)を捨てるこことを口にするが、依頼人は悪魔になることに抵抗があった、で、最後の第24番の説明へ。

ここでは、シンプルな構成と11の主題の変奏ということが説明されるが、「シンプル・イズ・ベスト」ということは現代でも言われていることであるが、芸術の世界では変わらないと言うことですかね。

また、この部分でも、パガニーニから影響を受けたリストやブラームス、ラフマニノフが少しだけ紹介されるが、こういう繋がりというのは色々と勉強になるところでもあるだけに、嬉しい所です。

で、依頼人は父の目指した世界のことが理解でき、父のマジックは「究極のイリュージョン」だった。また、自分のは「小手先のテクニックの羅列に過ぎなかった」と、未熟さに気がついた。で、自分の集大成と言えるマジックが完成したときにこの曲を使うことにした。

で、パガニーニの絵を使って「マジカルパワー」と言って姿を消した。これにカノンさんが驚いて「何で?」「所長、見ましたよね」と言いながら消えた当を捜しているのは面白い所でした。が、所長はそれを後ろから見ていたので、タネが分かっていて、こっそりと出ていく依頼人にさりげなく手を振っていたのは、カノンさんを騙すということでも、成功でした。が、カノンさんの驚いた反応を考えたら、やってみたくなるというのも分かります。それだけカノンさんの反応は楽しくなるものでした。

今回のドラマ部分は35分強、曲の演奏は7分半強、ラストのオチが1分強という構成であって、前回とほぼ同じような配分でした。また、曲の部分は、当然24曲というのは無理であり、第5番と第24番でしたが、中心となっていたのは第24番でした。一応、これらは第5番では、久保陽子さんの超絶技巧を見せているということにもなるが、聴かせるだけでなく「見せる」ということでは、テレビというのはアップで映してくれるだけに、よく分かりますね。

ラストのオチの部分は、所長は新聞を読んでいて、カノンさんがなにやらゴソゴソとマジックの準備をしている。所長が新聞記事から、マジカル・ジョーカーが来年にハリウッド進出ということを口にすると、カノンさんは「消えても良いものはないですか」と尋ねる。で、事務所にあった地球儀を渡す所長。カノンさんはマジカル・ジョーカーから教わったという「いらない物が消えるマジック」を披露しようと言う。で、地球儀を置き、呪文を唱え始める。「マジカル・カノン!」と呪文を唱えると、地球儀は消えず、なんと所長が消えてしまった。これに慌てるカノンさん。戻す方法を教わっていない、ということで、事務所の中を捜し回っていたが、所長はどこにもいなかった...→所長が消えてしまったら、「名曲探偵アマデウス」から「名曲探偵響カノン」とする絶好のチャンスだと思うのですけどね、カノンさん。

今回は、依頼人がマジシャンで、父の後を継いだ2代目が女性ということで、モデルは言うまでもなく引田天功ですね。(但し、2代目引田天功は初代の娘ではないですが...)で、超絶技巧の曲とマジックの超絶技巧ということで、なかなか楽しい組み合わせでした。ちなみに、「ケータイ刑事 銭形泪」の1st.9話の公開収録の回で、泪ちゃんは劇中でマジック(タバコを立てるマジック)を披露していたが、カノンさんの所長を消してしまったマジックというのが飛び出すとは...でも、何だかんだで楽しいカノンさんでした。

次回は、ラストのオチの部分でテロップが出た(このため、今回の物語の保存版は、火曜朝のBS-hiの再放送とするか、今回と再放送を分割/結合させたものになるか、どちらかになりますね...)が、1/17の20時からです。で、放送されるのはファイルNo.054のブラームス「交響曲第1番」です。また、その翌週の1/24はお休みで、ファイルNo.055・ラヴェル「マ・メール・ロア」は1/31となります。ちなみに、火曜朝の再放送の方は1/5から、土曜お昼は(今週はなし)1/16から再開のようです。そして、BS-2と地上波は今週金曜日が年内最後の放送で、BS-2はファイルNo.053のパガニーニ「24の奇想曲」で、地上波はファイルNo.052の武満徹「ノヴェンバー・ステップス」です。

ところで、2月はバンクーバー五輪があるので、新作は2本、3月に3本の新作で、2年目も30本ということになるか、3月は2本ということで、10月からの半年で15本、本年度は29本ということになるのか、どちらでしょうかねぇ???(で、4月からは3年目に突入してくれますよね...)

 

パガニーニ:24のカプリース(初回生産限定盤)(DVD付)

パガニーニ:24のカプリース(初回生産限定盤)(DVD付)

  • アーティスト: 神尾真由子,パガニーニ
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2009/06/03
  • メディア: CD

パガニーニ:24のカプリース(全曲)

パガニーニ:24のカプリース(全曲)

  • アーティスト: ミンツ(シュロモ),パガニーニ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/02/28
  • メディア: CD
パガニーニ:24のカプリース

パガニーニ:24のカプリース

  • アーティスト: リッチ(ルッジェーロ),パガニーニ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2001/04/25
  • メディア: CD
パガニーニ:カプリース(全曲)

パガニーニ:カプリース(全曲)

  • アーティスト: パールマン(イツァーク),パガニーニ
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2008/01/23
  • メディア: CD
パガニーニ:カプリース(全24曲)

パガニーニ:カプリース(全24曲)

  • アーティスト: パガニーニ
  • 出版社/メーカー: SMJ(SME)(M)
  • 発売日: 2008/11/19
  • メディア: CD
パガニーニ:カプリース作品1(全曲)

パガニーニ:カプリース作品1(全曲)

  • アーティスト: パガニーニ,ツィマーマン(フランク・ペーター)
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2005/10/26
  • メディア: CD
パガニーニ:24のカプリース

パガニーニ:24のカプリース

  • アーティスト: 佐藤俊介,パガニーニ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/04/08
  • メディア: CD
パガニーニ:カプリース

パガニーニ:カプリース

  • アーティスト: 五嶋みどり,パガニーニ
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2009/08/26
  • メディア: CD
パガニーニ:24のカプリース

パガニーニ:24のカプリース

  • アーティスト: レビン(マイケル),パガニーニ
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1999/06/23
  • メディア: CD
パガニーニ:24のカプリース

パガニーニ:24のカプリース

  • アーティスト: ギャレット(デイヴィド),パガニーニ,シューマン,カニーノ(ブルーノ)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2006/03/22
  • メディア: CD
↓一応、これも
ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX I

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX I

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。