「喜劇・列車」(その3) [映画(邦画)]
今回は、シリーズ第2作についてです。尚、本シリーズはシリーズ作品であり、主演は渥美清であるという所は変わらないものの、登場人物は全くの別人ということになっているので、前作(後作)とは全く関係ない独立した物語である。
シリーズ第2作「喜劇・団体列車」
作品データを記しておくと、1967年の東映東京の作品で、時間は91分、監督は瀬川昌治、脚本は舟橋和郎、撮影は坪井誠、美術は北川弘、音楽は木下忠司である。そして出演は、渥美清、佐久間良子、笠智衆、小沢昭一、城野ゆき、由利徹、ミヤコ蝶々、大辻伺郎、市村俊幸、沢彰謙、河野秋武、楠トシエ、上田吉二郎、宮城けんじ、東けんじ、原直人、津路清子、三遊亭歌奴、佐藤晟也、中村是好、秋山敏、鈴木三重子、南風夕子、左卜全、竹村清女、山田甲一、木村修、丸平峰子、南幸伸、仲塚康介、東ひかり、小林稔侍、清水みつえ、たちである。
奥道後温泉近くのローカル線の小さな駅・伊予和田駅に勤務する山川彦一。彼は30歳独身で、母・お杉と二人暮しをしていた。これまでに3度の助役試験に落ちているものの、4度目を控えて張り切っている普通の国鉄職員である。ある日、彦一は迷子の子どもを拾ったことからその子の母親である未亡人の志村小百合と知り合う。彦一は小百合の美しさに一目惚れとなる。そんな所に、彦一の叔父・風間八五郎から見合いの話が届いた。相手は、元国鉄職員・日高友造の娘・邦子だった。また、友造は助役試験に8回落ちた人物だったが、彦一は興味を持って見合いを承知した。しかし、彦一の頭には小百合のことが離れなかった。で、助役試験の日がやってきた。第一次試験は合格し、第二次試験の自由討論に参加する。テーマは「四国鉄道の赤字の克服」ということで、激論を交わす彦一だったが、結果はまたも不合格だった。で、ヤケ酒に走る彦一は、飲み屋で友造と出くわした。友造の言葉に慰められた彦一だった。その後、彦一はある団体旅行の添乗員として旅に出ることになった。そしてその団体客の中には子どもと一緒の小百合がいたことから、彦一は張り切った。しかし、出発間近に晋子も団体旅行に参加した。で、邦子は旅行の途中で彦一に求婚した。しかし、小百合のことで頭がいっぱいの彦一には届いていなかった。が、小百合は彦一に再婚の相談を持ちかけた。で、彦一の思いは届かなかった。それから1年後、5度目の助役試験でようやく合格した彦一は講習会の開かれる大阪に向かうが、その彦一を伊予和田駅で見送ったのは、今や彦一の妻となった邦子だった。
本作は、物語こそ国鉄マンであるが、物語の展開は「男はつらいよ」と言うことを随所に感じさせてくれる。(主演が渥美清というのもその一因である。)但し、寅さんだったら、恋はしても「結婚」という所には辿り着きませんが...ということで、なかなか楽しめる1本である。
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