SLY & THE FAMILY STONE『A WHOLE NEW THING』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1967年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。今でこそ彼らの名前を聴くと、ファンク・ミュージックの大御所であるということを誰もが知っているが、当時は殆どヒットもせずに低迷していた。実際、本デビュー・アルバムはアメリカでもイギリスでもあるバム・チャートにランクインしておらず、シングル・カットされた曲もチャートインしていない。
収録曲は、オリジナル版では全12曲であったが、2007年に40周年を記念した限定版がリリースされていて、そちらでは5曲のボーナストラックが追加されて、全17曲の収録となった。(それ以前はボーナス・トラックは1曲であった。)
収録曲は以下の通りである。『Underdog』『If This Room Could Talk』『Run, Run, Run』『Turn Me Loose』『Let Me Hear It from You』『Advice』『I Cannot Make It』『Trip to Your Heart』『I Hate to Love Her』『Bad Risk』『That Kind of Person』『Dog』。ここから後がボーナストラックになり、『Underdog [Single Version]』『Let Me Hear It from You [Single Version]』『Only One Way out of This Mess』『What Would I Do』『You Better Help Yourself [Instrumental]』が収録されている。尚、ボーナストラックが1曲の時代のCDにボーナストラックとして収録されていた曲は『What Would I Do』でした。
この中からシングル・カットされたのは『Underdog』であるが、チャートインは記録していない。(現在ではこの曲も高く評価されていますれど...)
お薦め曲は、『Underdog』を筆頭に、『Run, Run, Run』『Turn Me Loose』『Let Me Hear It from You』『Dog』という所をピックアップしておく。
本アルバムはセールスの点ではさっぱりであったが、直ぐに彼らはブレークして、音から評価されるようになったのは言うまでもない。本アルバム発表時には、斬新なスタイルであり、音楽的にも新しいものであったが、彼ら自身もまだまだ荒削りで未完成という状況であった。それ故、後の洗練された彼らのアルバムと比べると、完成度という点では確かに劣っている。しかし、新しいものを作だそうというはち切れそうなエネルギーに満ちていて、将来を期待させるだけのものを感じ取ることが出来る。(実際、この後にリリースされるシングル『Dance To The Music』が全米、全英共にTOP 10入りをする大ヒットとなり、彼らはブレークする。)
荒削りであるものの若々しいエネルギーに満ちたものであり、それがファンクというノリの良いものであるだけに、聴いていても自然と体が動いてきて楽しくなるものである。そうして体が動き出すと、本アルバムにあるサウンド的な未完成な部分はあまり気にならなくなるだけに、楽しみながら聴いておきたいアルバムである。
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