名曲探偵アマデウス#54 ブラームス「交響曲第1番」 [ドラマ]
去年のような正月の特別版が無かった今年は、3週目になってようやく新作の登場となりました。(新作は4週ぶりということになる。)で、取り上げられたのはブラームスの「交響曲第1番」。これはベートーベンの「交響曲第10番」と言われることもある有名な曲ですね。この曲もやっと取り上げられたということになりました。
ゲストは奥田恵梨華ということで、「愛の迷宮」のゆりあと恵理香の顔合わせということになったが、キャスティングの方でも色々とやってくれるNHKですね。
物語の方は、依頼人が生け花の家元の娘であり、先代が亡くなって、一番弟子との間で跡目相続で揉めているということで、またまた面白い設定でした。(これがベートーベンの後継の争いということと上手く重ねている。)
冒頭では、カノンさんが花を買ってきて、それを活けているということで、今年も色々と魅せてくれそうで、楽しいカノンさんです。所長が帰ってくると、いつものコントが始まるが、「花は食べられない」ということになるとカノンさんは食用花もある、と返すのは楽しい所です。が、「ならば」ということで、所長が食べてみたら、ということになり、こうなると先を譲り合う二人というのも楽しい所です。
そんな所に依頼人が登場となるが、流石は華道家であり、さっさと活けてしまう。(恵理香がゆりあのやったことを否定しているようで、やってくれるところですね。)で、華道家と言うことから、古風琉の跡目のことで相談にということで、所長にスイッチが入った。
依頼人は、家元の娘であったが、新しいことをやろうとしていた。一方、先代もお気に入りだった一番弟子は古風琉に従った生け方を受け継いでいたが、依頼人は「古い」と言っていた。これが、後に語られるベートーベンの後継者ということで争った「絶対音楽派」と「標題音楽派」にピッタリと当てはまり、一番弟子が「絶対生け花派」、依頼人が「標題生け花派」ということで、実に分かりやすい設定でした。(また、この部分でカノンさんが整理して語ってくれるが、上手く表現したものです。)
いつものように、第一楽章からの説明が始まるが、いつもの事ながら野本先生の説明(ここでは「動機労作」について)は分かりやすい説明です。
そして「絶対音楽派」と「標題音楽派」の説明となるが、ここで出てきたワーグナーの「ニーベルングの指環」は映画「地獄の黙示録」で『ワルキューレの騎行』が使われていることもあって有名であるが、この曲も取り上げて貰いたい所です。
何だかんだで、依頼人(家元の娘)と一番弟子との跡目争いがあっても、お互いは実は思い人同士だったということに導き、対立を解いて素直な気持ちにさせた所長は、「名曲探偵」というだけでなく、今回も人生相談の方でも解決していました。
今回は、ドラマ部分は約35分半、曲が7分半強、ラストのオチの所が1分弱という構成でした。尚、この時間では全曲というのは無理であり、第四楽章から、ということであったが、小澤征爾が指揮したものだったということで、一応は新年のお年玉だったというところでしょうか。
ラストのオチは、その後、依頼人と一番弟子は結婚して、一緒に古風琉をもり立てていくことになった、と語られるが、あれから直ぐに結婚したということになり、まさに電撃婚だったということになっちゃいますね。(いくら何でも、「結婚」は早すぎるような気が... せめて婚約ぐらいだと思いますが、正月一本目のご祝儀と思えば、まあこれでいいのかもしれません...)
で、カノンさんが何かを活けていたということで、所長が尋ねると、カノンさんは「響琉」を立ち上げるという。しかも、所長が「花は食べられない」と言ったことから食べられるものを活けるというで、(串に刺した)焼き鳥を活けていた。(この発想の凄い所がカノンさんらしい所です。)で、食べられると言うことで所長が食べようとするが、カノンさんは「家元が先」と言うことで、先に食べるのを譲らないでいた。(冒頭では先に食べることを譲り合っていたことを思うと、上手くまとめていました。)
依頼人のいないところでは、のびのびとして、自分の殺りたいことを楽しんでいたカノンさんだが、依頼人がやってくると、今回はおとなしくて、しかも所々ではこれまでに語られたことをまとめるというように、助手として所長を助けていましたね。(助手としては当たり前かも知れないが、こういうカノンさんは珍しいですね。)ただ、曲を聴いて感じた印象を口にする所はいつもの通りでしたけど...
前回では、ぶっ飛んでいて、ラストには所長を消してしまって狼狽えていて、派手なカノンさんだったということで、今回はおとなしいカノンさんでしたが、我が道を進もうと考えていた依頼人が「愛の迷宮」の恵理香とダブルところが(少しだけ)あったことを考えると、カノンさんは「愛の迷宮」のゆりあを意識して、真面目なところを意識していたように感じられました。が、依頼人がいなくなったラストのオチの所は、「食べられるものを活けよう」と考えるなんて、自由奔放なカノンさんらしい所でしたね。が、焼き鳥を活けるとなると、「活ける」というだけでなく、「焼き鳥を美味しく焼く」ということも必要であり、更には鶏肉をどのように切るか、どのように串に刺すか、ということも難しそうですね。また、タレは?ということも気になります。でも、美味しく焼けた焼き鳥も、活けている間に冷えてしまうでしょうし、食べる段階では味が落ちていそうで... まあ、そういう細かい所が抜けているのが「ノリで勝負の現代っ子」のカノンさんらしい所でもありますが...
次回は1/31ということになるので、来週24日はお休みです。(再放送ではなく、番組自体がお休みです。)で、1/31はファイルNo.055のラヴェル「マ・メール・ロア」となる。この物語はディープ内藤がまたも登場(ファイルNo.014、018、040に続いて4度目となる。)する物語ということで、所長の狼狽えた姿が楽しみです。尚、ファイルNo.018がラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」だったから、またもラヴェルを持ってくるのですね。ということは、ディープ内藤はラヴェルがお好みということなのでしょうか??? その後は、2/7がファイルNo.056のバッハ「管弦楽組曲第3番」、2/14がファイルNo.057のピアソラ「リベルタンゴ」と続きます。
- アーティスト: ジュリーニ(カルロ・マリア),ブラームス,ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2004/01/21
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