SIMPLY RED『PICTURE BOOK』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1985年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。当時はブルー・アイド・ソウルということが前面に出されて、デビュー曲でありカヴァー曲である『Money's Too Tight (To Mention)』の大ヒットを記録した。が、中心メンバーのミックは、その前にパンク・バンド・THE FRANTIC ELEVATORSで活動しており、大ヒット曲は生まれていないものの、それなりの活動をして、それなりの評価は受けていた。(その時の曲も本アルバムでは取り上げている。)尚、本アルバムは、イギリスではアルバム・チャートで最高位2位を記録し、アメリカでもBillboardで最高位16位を記録している。
尚、2008年には本アルバムの「Collector's Edition」がリリースされて、そちらでは本アルバムからシングル・カットされた5曲のリミックス曲がボーナス・トラックとして追加されている。更に、18曲のライヴと1曲を収録したDVD(但し、PALなので、普通のDVDプレーヤーでは見ることが出来ません。)がセットとなっていて、2枚組としてリリースされた。
収録曲は以下の全10曲である。『Come To My Aid』『Sad Old Red』『Look At You Now』『Heaven』『Jericho』『Money's Too Tight (To Mention)』『Holding Back The Years』『Open Up The Red Box』『No Direction』『Picture Book』。
尚、「Collector's Edition」のボーナス・トラックの5曲は以下の通りである。『Money's Too Tight (To Mention) [The Cutback Mix]』『Come to My Aid [Survival Mix]』『Holding Back the Years [12" Extended Mix]』『Jericho [12" Extended Mix]』『Open Up the Red Box [12" Extended Mix]』。(DISC 2となるDVDの収録曲は省略します。)
シングル・カットされたのは5曲であるが、内1曲は再発されて、最初のリリース以上の大ヒットを記録している。デビュー・シングルの『Money's Too Tight (To Mention)』はイギリスでは最高位13位、アメリカでは最高位28位を記録、『Come To My Aid』はイギリスで最高位66位、『Holding Back The Years』はイギリスでは51位を記録しただけであったが、次のシングルの後に再発されるとイギリスで最高位2位、アメリカではBillboardでは1週だけとはいうものの1位を獲得する大ヒットとなり、1986年のBillboard年間シングル・チャートでも22位にランクインしている。また、『Jericho』はイギリスでは最高位53位、『Open Up The Red Box』はイギリスで最高位61位を記録している。
お薦め曲は、デビュー曲であるTHE VALENTINE BROTHERSのカヴァー曲である『Money's Too Tight (To Mention)』と全米No.1の『Holding Back The Years』、シングル・カットされた『Come To My Aid』『Jericho』、そしてアルバム・タイトル・ナンバーである『Picture Book』をピックアップしておく。
SIMPLY REDということでは確かにデビュー・アルバムではあるが、既にある程度の音楽活動をしていたキャリアがあったため、完成度と言うことではなかなかのものとなっている。それだけに、シングル曲の大ヒットは、楽曲に恵まれれば当然であったということも出来る。(当然、実力が無いと話にはなりませんが...)それだけに、デビュー・アルバムではあるものの、安心して聴くことの出来るアルバムとして完成されている。
イギリスではこの後も発表したアルバムが大ヒットとなることからも、クオリティが高いことが分かるが、アメリカでは本アルバムが彼らの発表したアルバムの中では最もチャート成績が良く、アメリカでは最も売れたアルバムになったことからも、本アルバムのクオリティの高さは理解できるでしょう。
彼らは現在のツアー(2009年から2010年)が終了すると解散すると発表しているが、彼らの25年のキャリアの出発点でもあるだけに、この際、聴いてみることをお勧めする。尚、「Collector's Edition」はイギリス・リリースのものであるため、DVDはNTSCではでなくPALである。そのため、日本では普通のDVDレコーダーとテレビでは視聴することが出来ません。(リージョン・フリーであり、PAL対応のプレーヤーが最低でも必要である。)そのため、ライヴを見ることが出来ると言っても、彼らの熱狂的な支持者で無ければ、「Collector's Edition」は必要ないでしょう。(何せ、再生できないのですから...)
↓2枚組の「Collector's Edition」はこちらです。
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