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名曲探偵アマデウス#56 バッハ「組曲第3番ニ長調」 [ドラマ]

今回取り上げられた曲はバッハの「組曲第3番ニ長調」でしたが、これは誰でも必ず耳にしたことのある「G線上のアリア」の原曲でもある。そういう曲がようやく取り上げられることになったが、相変わらず物語の方を上手く作っていますね。

ただ、前回がディープ内藤というお馴染みのキャラが登場した物語であっただけに、随分と落ち着いた印象の物語に感じられました。が、カノンさんは冒頭で婚活雑誌に目を通しているということで、前回のディープ内藤に触発されたみたいですね。が、所長は所長で随分酷いことを言っていましたが...(が、そこは黄金コンビ。息の合ったところを見せてくれます。)

また、今回は久しぶりにLPレコードが登場したが、CDよりもこっちの方が本作のイメージに合っているように感じます。(そもそも、最初の頃はLPばかりでしたからね。)

冒頭で、「ハッピーウェディング」という雑誌に目を通しているカノンさん。それに対して所長は「婚活よりも豚カツの方がお似合いだったりして」と口撃して笑っている。しかしカノンさんも負けておらず「何か根本的な問題があるんじゃないですか?」と切り返す。で、所長は震え上がって「それは?」カノンさんは「多分...」と言うがそれ以上は語らない。→これが所長が指揮者を辞めたことと関係しているのでしょうね。が、カノンさんも完全に知らないものと思うのですが...

そんな所に、依頼者が登場。婚活バスツアーに行かない、と(息子夫婦に言って)飛び込んできた。そのバスツアーとは、独身者限定の男女の出会いバスツアー、箱根一泊二日というものだった。(主催が「アマデトラベル」となっているが、所長と関係しているってことは無いですよね?)依頼者は10年前に妻を亡くして、亡き妻を裏切ることになると言って行きたくないと言っていた。で、10年前に妻が亡くなる直前に、再興する場合、この曲を聴いて、と行ってレコードを出した。それが今回とバッハ「組曲第3番ニ長調」だった。で、所長は依頼を受けた。が、バス・ツアーのバスはクラクションを鳴らして待っていた。

最初に、いつものように曲の簡単な解説があってから本題へ。依頼人は小説家になろうとして10年、が、芽が出ず、次にプロゴルファーに挑戦したという過去を話す。これにカノンさんの反応が、いつものように「無謀すぎるような...」と言うように、素直なカノンさんです。

で、第1曲「序曲」から。が、ここで流れた曲(レコードの曲)は古楽器で演奏したものだったということで、古楽器についての説明となる。特にティンパニーとトランペットについて、現代の楽器と古楽器の違いと音色の違いについての説明がある。実際に音を聞き比べての説明ということで、違いがよく分かりました。→こういうのは聴き比べによってよく分かるが、相変わらず分かりやすく説明してくれますね。

続いて、第2曲の「アリア」へ。ここではじっくりと分析して、曲の作りについてたっぷりと説明してくれる。そして通奏低音についての説明がある。ここで所長とカノンさんの漫才コンビが、主旋律と通奏低音を依頼人夫妻に準えて寸劇を見せたが、流石は黄金コンビならではですね。

続いて、バッハが得意とした対位法についての説明がある。ここでは解説の所ではピアノではなくてチェンバロを使っていたが、チェンバロの音色というのは独特の魅力がありますね。(約1年1ヶ月前にカノンさんが事務所を飛び出してレポートしていたのを思い出します。)

ここで、依頼人は、再婚は諦めてということを決めようとするが、カノンさんも「もうバスも出ちゃったでしょう」と口にしたが、この考えは普通の考えです。(が、ここにバスのことを口にしたたのが後に繋がるというのだから、無駄がない話の作り方になっていて楽しい所です。→こういう作りは「ケータイ刑事」シリーズが得意としているが、やっぱり意識している様に思えます。)

が、所長は待ったをかけて、クライマックスについての説明に突入する。(ここでもチェンバロを使って解説が行われるのが嬉しいところです。)

が、「アリア」が忘れ去られた曲であり、バッハの死後120年の時を経て「G線上のアリア」として脚光を浴びることになった話になる。→この曲では、ここは避けて通れない所であるが、バッハの気持ちについての説明が欲しかったところでした。

が、ここから所長は結論を導き出した。が、そろそろ所長の過去の秘密を明かしてくれないと、今回の結論については、良い子ぶった結論のようにも解釈できてしまうだけに...

依頼人は、今度はラブラブバスツアーに参加しようと決めた。カノンさんは「チャレンジ、チャレンジ」と励ました板が、そんな時、再びバスのクラクションが鳴った。「まだ待ってますよ」ということで、依頼人は急いでバスツアーに参加するために出ていった。→30分ちょっともバスは待っていたということになるが、随分と悠長なツアーですね。ただ、お客を大事にし過ぎという気もしないでもないですが... でも、他の参加者からは苦情が出るような気がするのですけど...

今回は、ドラマ部分は約34分半弱、曲が8分半強、ラストのオチの所が1分強ということで、ドラマ部分が少し短めでした。また、曲の所では全曲ではなくて、第2曲「アリア」と第3曲「ガボット」でした。→第3曲については詳しい解説が無かったが、まあ、こういうのも良いでしょう。

ラストのオチは、カノンさん(ここではポニーテールになっていて、依頼人の相談を受けているときとは髪型も変わっている。)が飛び込んできて、あの依頼人がバスツアーで3人もの結婚相手の候補を見つけた、と所長に言う。すると所長の表情が変わる。依頼人からの手紙を読むカノンさん。「どの人と結婚しようか悩んでいます」と耳にした所長は、デスクの所に移動して、あのバスツアーのチラシを捜す。で、見つけるとそれを背広の内ポケットに入れると「私は出掛けてくる」とカノンさんに言い、飛び出していこうとする。すると「まだ続きがあるんですけど」とカノンさんが止めて、ハガキの続きを読む。「そんな夢見たいなこと考えてま~す、ですって」と笑顔のカノンさん。で「あちゃ~」と所長。→願望であるが、これは「夢オチ」ということも出来る。前回のディープ内藤は「夢オチは作家が最も使ってはダメなこと」と言っていたが、そのディープ内藤が登場した物語の次にそれをやってしまうところは、全体構成を考えると、実に面白い所でした。(この物語単独のオチではなく、シリーズとしてのオチの持ってくるやり方に感心させられました。)

所長の親父ギャグから始まって、ラストの夢オチにハマってしまった所長。更にカノンさんにも痛いところを口にされるというように、今回は所長にとっては痛い物語になったが、カノンさんの豊かな表情とのコントラストが面白い所でした。また、カノンさんのポニーテールというのも久しぶりですね。しかも来週からはBS-TBSでの日曜朝の再放送「銭形泪」が、髪型がポニーテールとなる2nd.シリーズに突入するのだが、ラストのオチの所でポニーテールを見せてくれたというのは、「銭形泪」の次回予告での髪型に合わせたような感じとなり、偶然とは思えない狙った仕掛けのように感じました。(本作では、時々「ケータイ刑事」(特に「銭形泪」)を意識したように思えるところがあるのだが、今回はその高度なものを仕組んだように思えてなりません。何せNHKには黒川芽以さんの支持者がいるのは確実ですからね...)

次回(来週)はファイルNo.057のピアソラ「リベルタンゴ」ですが、今月の新作はそこまでとなります。その次となるファイルNo.058のストラヴィンスキー「バレエ曲『春の祭典』」は3/7ということで、2週間は何かの再放送の予定となっているが、ひょっとしたら冬季五輪の可能性もあるのかも...???尚、火曜朝と土曜お昼のBS-hiの再放送と、金曜朝のBS-2の放送は今回のファイルNo.056で、金曜お昼の地上波はファイルNo.055のラヴェル「マ・メール・ロア」です。(ディープ内藤の色んな台詞と重ねて見ると、今回の物語がより楽しめるだけに、今週の放送予定は面白いですね。→国会中継になりませんように...)

 

バッハ:管弦楽組曲2&3番

バッハ:管弦楽組曲2&3番

  • アーティスト: ミュンヒンガー(カール),バッハ,シュトゥットガルト室内管弦楽団,ランパル(ジャン=ピエール),シェルバウム(アドルフ),クロツィンガー(ヴェルナー),グラス(ヴィリー),フィッシャー(フリッツ)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2001/04/25
  • メディア: CD

バッハ:管弦楽組曲第2番&第3番

バッハ:管弦楽組曲第2番&第3番

  • アーティスト: リヒター(カール),リヒター(カール),バッハ,ミュンヘン・バッハ管弦楽団,ニコレ(オーレル),シュネーベルガー(ハンスハインツ)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2006/11/08
  • メディア: CD
エヴァンゲリオン・クラシック4 バッハ:管弦楽組曲第3番「アリア」他

エヴァンゲリオン・クラシック4 バッハ:管弦楽組曲第3番「アリア」他

  • アーティスト: バッハ,カザンジェフ(バシル),ナバラ(アンドレ),諏訪根自子,ソフィア交響楽団,熊本マリ
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 1997/10/22
  • メディア: CD

G線上のアリア

  • アーティスト: 千住真理子,千住明,クライスラー,マスネ,モンティ,バッハ,サラサーテ,エルガー,山洞智,高桑英世,広多智香
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2007/11/14
  • メディア: CD
G線上のアリア100%

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  • アーティスト: 江藤俊哉,アレン(ハリー),ラ・プティット・バンド,ペトリ(ミカラ),ショーンヘルツ(リチャード),フォックス(ヴァージル),ゴールウェイ(ジェームズ),キケロ(オイゲン),ストルツマン(リチャード),冨田勲
  • 出版社/メーカー: BMGメディアジャパン
  • 発売日: 1998/02/21
  • メディア: CD
G線上のアリア(ヴァイオリン名曲集)

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  • アーティスト: ミルシティン(ナタン),ヴィエニアウスキ,サラサーテ,ファリャ,バッハ,ドビュッシー,リムスキー=コルサコフ,シューマン,ジェスキント(ワルター),ポマーズ(レオン),コンサート・アーツ管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2004/12/08
  • メディア: CD
G線上のアリア100% rosso

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  • アーティスト: レーデル(クルト),ダイアナ湯川,沢井忠夫,ウェイウェイ・ウー,榊原大,Clacks,ストルツマン(リチャード),フィリップ・セス,カルテット・スピリタス
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2007/11/21
  • メディア: CD
パッヘルベルのカノン/G線上のアリア~バロック名曲集

パッヘルベルのカノン/G線上のアリア~バロック名曲集

  • アーティスト: バッハ,ダカン,バウムガルトナー(ルドルフ),ピノック(トレヴァー),ピノック(トレヴァー),オルフェウス室内管弦楽団,ヴァルハ(ヘルムート),スタンデイジ(サイモン),ベズノシューク(リサ),ホリガー(ウルスラ),ルツェルン祝祭管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/05/06
  • メディア: CD
G線上のアリア~バッハ名曲集

G線上のアリア~バッハ名曲集

  • アーティスト: イタリア合奏団,バッハ,有田正広,カントロフ(ジャン=ジャック),リリング(ヘルムート),中野振一郎,ラ・ストラヴァガンツァ・ケルン,藤原真理,オットー(ハンス),シフ(アンドラーシュ)
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2003/07/23
  • メディア: CD

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