U2『RATTLE AND HUM』(SOUNDTRACK) [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1988年に発表された彼らの6枚目のスタジオ・アルバムである。(一部にはライヴ収録のものも収録されていますが...)また、本アルバムは同名タイトル(邦題は「魂の叫び」)の彼らの1987年のアメリカ・ツアーを描いたドキュメント映画のサントラ盤でもある。ということで、これまでのスタジオ・アルバム、及びライヴ・アルバムとは基本的に異なる位置づけのアルバムである。イギリス、アメリカ、ニュージーランド、ノルウェー、スイス、(西)ドイツ、オーストラリア、オーストリアで1位を獲得する大ヒットとなっている。また、アメリカでは1989年のBillboard年間アルバム・チャートでは29位にランクインしている。
収録曲は以下の全17曲である。『Helter Skelter [Live]』『Van Diemen's Land』『Desire』『Hawkmoon 269』『All Along The Watchtower [Live]』『I Still Haven't Found What I'm Looking For [Live]』『Freedom For My People』『Silver And Gold [Live]』『Pride (In The Name Of Love) [Live]』『Angel Of Harlem』『Love Rescue Me』『When Love Comes To Town』『Heartland』『God, Part. 2』『Star Spangled Banner』『Bullet The Blue Sky [Live]』『All I Want Is You』。
シングル・カットされたのは4曲で、イギリスでは1曲がNo.1に輝いたのをはじめ、全てがTOP 10入りをしている。この中の最大のヒット曲は1st.シングルの『Desire』であり、全英、豪、アイルランド、ニュージーランドではNo.1、全米では最高位3位(1988年のBillboard年間シングル・チャートでは56位)を記録している。続く『Angel Of Harlem』は全英9位、アメリカでは最高位14位、『When Love Comes To Town』は全英6位、全米68位、『All I Want Is You』は全英4位、全米83位を記録している。
注目曲はBEATLESのカヴァーとなる『Helter Skelter』、BOB DYLANのカヴァーとなる『All Along The Watchtower』とB. B. KINGとの共演となる『When Love Comes To Town』といった所ですね。お薦め曲としては、ライヴ収録の6曲と、世界的なシングル・ヒットを記録している『Desire』、そして『God, Part. 2』という(まとも過ぎる)ところをピックアップしておきます。
本アルバムでは彼らのこれまでのサウンドであるルーツ・ミュージックに対して総括的なことを行い、次作からはサウンドのベクトルが変化することになることを考えると、彼らのキャリアに於いても節目となるアルバムとしても評価できるところでもある。
収録時間の方も72分を超えていて、CDの記録できる上限時間にかなり近いこともあるだけに、サービス満点と言うことも出来る。新曲が9曲ということで過半数を占めているので、スタジオ・アルバムとして扱われるのが一般的であるが、6曲のライヴ収録を含んでいるので、ライヴ・アルバムという一面と、映画のサントラ盤という側面もあるだけに、多面的に彼らのサウンドを堪能出来るアルバムである。
ロック・ファンであれば聴いていて当たり前というアルバムである。
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