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THE PEOPLE VS. LARRY FLYNT(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]

表題の作品は1996年の映画「ラリー・フリント」である。本作は過激なポルノ雑誌「ハスラー」を創刊したことで知られるラリー・フリントの半生を描いた伝記映画である。また、O・ストーン監督が製作として名前を連ねていて、M・フォアマン監督と組んだ作品である。

作品データを記しておくと、時間は129分、監督はミロス・フォアマン、脚本はスコット・アレクサンダーとラリー・カラゼウスキーの2人、撮影はフィリップ・ルースロ、音楽はトーマス・ニューマンである。そして出演は、ウディ・ハレルソン、コートニー・ラヴ、エドワード・ノートン、ブレット・ハレルソン、ドナ・ハノーヴァー、ジェームズ・クロムウェル、クリスピン・グローヴァー、ヴィンセント・スキャヴェリ、マイルズ・チャピン、たちである。

1972年、オハイオ州シンシナティ。ストリップ・クラブのオーナーのラリーは、弟のジミーと共に、自分の経営する店の客寄せのために、ヌード写真入りの会報を発行した。これが当たって成功を手にした彼は出版社を設立して男性誌「ハスラー」を創刊した。また、彼はクラブのダンサーのアルシアの魅力に惹かれ同居をするようになった。しかし、雑誌「ハスラー」の創刊号は返品の山だった。しかし、ケネディ大統領夫人の全裸写真をスクープした号は200万部を超える売り上げを記録して、雑誌は広く知られることになり、大金を手にしたラリーだった。しかし、「ハスラー」の過激な内容は世間の良識派と呼ばれる人たちからは敵視され、1977年にラリーは猥褻罪、及び組織犯罪容疑で逮捕されてしまった。裁判を戦うも、翌年、多額の罰金と懲役25年の判決が出た。間もなく釈放されたラリーは「自由な出版を守る会」に招かれた。そして、世間では言論の自由を問う問題へと発展していった。そんな中、1978年、ジョージア州の裁判所で、ラリーは何者かに狙撃されで下半身不随になってしまう。そしてそこから閉じこもるようになってドラッグに溺れていく。やがて、痛みから解放される手術を受けたラリーは、ドラッグを辞めて仕事に復帰する。そんな中、FBIの囮捜査の様子を収めたビデオを手に入れたラリーはこれをネタにして一稼ぎしようとするが、裁判では悪態をつき、精神科の刑務所に収監されることになる。更に、記事のことで告訴され、有罪判決が出た。そんな頃、妻・アリシアが溺死する悲劇が襲った。するとラリーは愛妻のためにも、表現の自由の意味を裁判で争うことにして上告した。そしてその裁判で勝訴した。

前半と後半で作風が変わっているのが特徴である。前半は変わり者のラリーのエネルギッシュな姿が中心に物語が進んで行くが、後半は裁判映画と言った方がぴったりである。しかも、最初は裁判でもやりたい邦題をしていたラリーが、愛妻の死によって人が変わったようになって、それから先は社会派映画になっている。この変化があることで、本作にそれなりの意味があることになるのだが、こういう変化を嫌う人もいるため、賛否の分かれるところでもある。そのため、本作を評価する人は評価するが、評価しない人は切り捨てるだけということで、天と地の扱いがあるのも本作である。

ただ、O・ストーン監督が絡んでいるにしては、社会的メッセージの発信が弱いと感じてしまう作品でもある。ただ、ウディ・ハレルソンの熱演と、コートニー・ラヴの演技は凄味を感じるところであって、物語を離れてもこの点だけは見所でもある。

作品としては評価が分かれている本作であるが、そういう作品に限って音楽(サントラ盤)の方は出来が良い作品が多いのだが、本作のサントラ盤はちょっと不思議な感じがして、良い所と今一つという所が混在している。(こういうサントラ盤(スコア集です。)というのもまた珍しい...)

映画の前半で使われている曲(スコア)はストイックなところの表現や、ちょっと変わっているラリーを見事に表現しているのだが、裁判中心となった後半では、物語の重みを表現できていないで、つまらない音楽になってしまっている。これを良く解釈すると、「表現の自由」というテーマをじっくりと描くためには音楽(スコア)は不要のものであり、内容の方に特化した作品として仕上げるための音楽だった、ということになるが、こういう所が本サントラ盤の評価がどちらにも転がることになる部分となっている。→評価の分かれるアルバムは多数あるが、サントラ盤の場合では珍しいことである。(サントラ盤では評価が分かれること自体が少なく、「良い」「ダメ」の二択に近い所がありますからね)しかも、映画の方が万人に評価されるものではない作品であるだけに、それに歩調を合わせたかのような所は、偶然にしても出来すぎと感じてしまう...(こういうことを意図してやったのならば、それはそれで凄いことですが...)

最後にサントラ盤の収録曲を記しておく。収録曲は以下の全30曲である。『Eggsplat』『Kentucky』『Hello Walls』『Hang On Sloopy』『Tick Tick Tick』『Jail Bait』『Lewd & Shameful Manner』『Cold Turkey Pervert』『Battle Hymn Of The Republic』『My Soul Doth Magnify The Lord』『Shooting』『Porn Again』『Polonaise From "Rusalka"』『Triple Dose』『Surgery』『Fanfare & March [From Dalibor]』『Half With The Brain』『Psycho Ward』『Althea』『I'm Your Boogie Man』『Twenty-One』『Scumbag Like Me』『Deep Depravity』『Falwell Verdict』『Happy You & Merry Me』『Los Angeles』『Stabat Mater Dolorosa [Ending]』『Rosefall』『Stabat Mater Dolorosa [Beginning]』『Dream Weaver』。

 

People vs. Larry Flynt

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Angel Records
  • 発売日: 1996/11/26
  • メディア: CD

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  • 出版社/メーカー: EMI Premier
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