WHISPERS『IMAGINATION』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1981年に発表された彼らの14枚目アルバムである。1970年に結成されてから、1枚のアルバムを発表したら比較的近い間に次のアルバムを発表するということもあって、デビューから12年目で早くも14枚目のアルバムとなる本作であるが、本作は彼らのアルバムの中でも今までとは少し違った位置づけとなるアルバムである。というのは、1979年の前作「THE WHISPERS」からのシングル曲がアメリカよりもイギリスで大ヒットを記録(『And The Beat Goes On』が全英2位、全米では19位)したことで、本国アメリカよりもイギリスで注目される存在となってからのアルバムである。アメリカではBillboardで最高位23位ながらも、1981年の年間アルバム・チャートでは63位にランクインするということで、ロング・ヒットになっている。
サウンドの方は、ソウルフルであり、たっぷりと聴かせてくれるハーモニーを本アルバムでもたっぷりと聴かせてくれていて、彼らの持ち味を十分に発揮したアルバムである。(やはり10年を超えるキャリアは伊達ではないということでもある。)
収録曲は以下の全8曲である。『Imagination』『It's A Love Thing』『Say You (Would Love For Me Too)』『Continental Shuffle』『I Can Make It Better』『Girl I Need You』『Up On Soul Train』『Fantasy』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。前作と同様に、アメリカよりもイギリスの方がより大きなヒットとなり、チャート成績も良かった。まずは『It's A Love Thing』がBillboardで最高位28位、イギリスでは最高位9位を記録し、前作同様にTOP 10入りを果たし、続く2nd.シングルの『I Can Make It Better』はイギリスで最高位44位を記録している。
お薦め曲は、シングル・ヒットを記録している『It's A Love Thing』『I Can Make It Better』と、アルバム・タイトル・ナンバーの『Imagination』、そしていい形でアルバムに幕を下ろしてくれることになる『Fantasy』をピックアップしておく。
前作のヒットによって人気がイギリスに飛び火した彼らであるが、浮かれたことは無く、地に足を付けて、自分たちのサウンドを展開しているのは流石である。たっぷりと聴かせる曲と、リズミカルでテンポの良い曲とのバランスも良く、捨て曲もなく、完成度と言うことでも、前作のヒットを受けての期待に十分応えてくれている。全体を通しても落ち着いているため、安心して聴くことも出来る秀作である。じっくりと聴いてもらいたいアルバムである。
コメント 0