WHITESNAKE『SAINTS & SINNERS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年に発表された彼らの6枚目のアルバムである。アメリカではまだブレイクする前であったが、欧州と日本では既に評価されていて、ヒットを記録しているアルバムである。(アメリカではBillboardのアルバム・チャートにランクインしていない。)イギリスでは前作(最高位2位)までは行かなかったものの、最高位9位を記録している。それ以外ではオーストリアで最高位14位を記録している。
収録曲は以下の全10曲である。『Young Blood』『Rough An' Ready』『Bloody Luxury』『Victim Of Love』『Crying In The Rain』『Here I Go Again』『Love An' Affection』『Rock An' Roll Angels』『Dancing Girls』『Saints An' Sinners』。
この中からシングル・カットされたのは『Here I Go Again』であり、イギリスでは最高位34位、ノルウェーで最高位17位を記録している。尚、この曲は1987年にセルフカバーされて『Here I Go Again 87』としてシングル曲となり、その時には全米No.1、カナダでも1位を獲得、イギリスでは最高位9位を記録している。
お薦め曲は、『Here I Go Again』を外すことは出来ないですね。この曲は、後の全米No.1ソングの原点でもありますから。(当然、アレンジが異なっている。こちらの方が好きという方も多いことでしょう。)それ以外ではやはりセルフカバーされることになる『Crying In The Rain』、そして『Young Blood』『Victim Of Love』とアルバム・タイトル・ナンバーである『Saints An' Sinners』をピックアップしておく。
前作が(欧州で)大ヒットとなり、次作がアメリカでブレイクすることになるだけに、その間に発表された本アルバムは陰に隠れがちであり、今一つ評価されていないが、手抜きがあるという訳ではない。ただ、当時はバンドとして色々とあったのも事実であるが、そんな中でもしっかりしたアルバムになっている。また、次々作でセルフカバーされることになる曲のオリジナルが収録されているということでしか語られないことが多いのも、本アルバムが正当に評価されていないところである。確かに、セールスやヒットの規模で言えば、本アルバムは前作と次作との谷間になっている。が、内容的には決して悪い者ではなく、骨のあるハードロックを聴かせてくれている。本作に対する低い評価のことは忘れて、じっくりと聴いて、再評価されてほしいアルバムの一つである。
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