XTC『GO 2』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1978年に発表された彼らの2nd.アルバムである。'80's以降はポップなサウンドになる彼らであるが、本作のサウンドは前年のデビュー・アルバムからはポップになっているものの、まだまだニューウェーブと言った方がい内容である。一応、イギリスでは最高位21位を記録して、デビュー・アルバムよりは成績は良かったが、アメリカではさっぱりであり、Billboardのアルバム・チャートにはランクインしていない。(アメリカでの彼らのブレイクは'80年の4th.アルバム「BLACK SEA」ということになる。)
収録曲は、イギリス盤のオリジナル版では全12曲であったが、現在ではラストにボーナス・トラック1曲(シングルとしてリリースされた曲である。)が追加されて全13曲となっているが、アメリカ盤ではその曲が6曲目に収録されていて、最初から全13曲となっている。
収録曲はイギリス盤の方を記すことにする。(シングル曲はラストのボーナス・トラックということになる。)『Meccanic Dancing (Oh We Go!)』『Battery Brides (Andy Paints Brian)』『Buzzcity Talking』『Crowded Room』『Rhythm』『Red』『Beatown』『Life Is Good In The Greenhouse』『Jumping In Gomorrah』『My Weapon』『Super-Tuff』『I Am The Audience』『Are You Receiving Me?』。
この中からシングル・カットされた曲というのは、形の上では『Are You Receiving Me?』と言うことになるが、イギリス盤ではこれが当時のアルバムには収録されていなかったので、シングル曲は無し、アメリカではシングルとして先にリリースされていたことから追加収録されたものである。(シングル・ヒットということにはならず、英米共にチャートインせず、豪で86位を記録しただけであった。)
お薦め曲は、シングル曲の『Are You Receiving Me?』は別扱いということにして、UKオリジナル版に収録の12曲から選ぶことにします。で、『Meccanic Dancing (Oh We Go!)』『Battery Brides (Andy Paints Brian)』『Rhythm』『Red』『Beatown』という所をチョイスしておきます。
本アルバムは、セールスやチャート成績の点では目立った成績を残していないが、彼らのファンの間では比較的人気の高いアルバムであって、評価の高いアルバムである。それはサウンドの方を聴けば分かることであるが、捨て曲がなく、曲の完成度も高く、表現力が豊かであるためである。当時はパンクやニューウェーブ系のバンドと思われていた彼らであるが、そういうものとは別の次元のサウンドであり、ビートルズの後継者になると期待されるようになったことからも、評価が高かったことが分かる。(但し、評価とセールス/チャート成績とは必ずしも一致しない...)また、本作が発表された1978年当時は、世の中はディスコ・ミュージックが幅を利かせていた時期であるが、流行りのディスコ・サウンドに走ることをしなかったのも良かった所の一つである。
本アルバムのサウンドは、'80'sになってからの(ヒットを記録した)ポップなサウンドとは毛色が違っているものの、彼らのキャリアに於いてはポップに近づいたアルバムでもあり、時代をリードするサウンドを築くきっかけにもなったアルバムでもある。ということで、'70'sの作品であるが、'80'sのポップ(特にエレポップ)がお好きな方は聴いておきたいアルバムである。
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