ABC『HOW TO BE A...ZILLIONAIRE!』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1985年に発表された彼らの3rd.アルバムである。1982年の大ヒット曲『The Look Of Love』がある彼らであるが、2nd.アルバムは今一つという評価もあり、メンバー・チェンジを行ってのアルバムである。'80's前半には第二次ブリティッシュ・インベージョンの波に載って、イギリスから幾多の新しいバンドが登場したが、彼らもそんな中の一つであり、ニューロマンティック派のバンドとして、ビジュアルとサウンドの両方で楽しませてくれいて、しかも1st.アルバムにあったダンサブルな楽しさを取り戻したアルバムである。
本アルバムは、前2作ほどのヒットにはならなかったものの、イギリスでは最高位28位を、アメリカではBillboardで最高位30位を記録している。
オリジナル版では全10曲の収録であったが、2005年リリースのリマスター版では8曲のボーナス・トラックが追加されている。収録曲は以下の通りである。『Fear Of The World』『Be Near Me』『Vanity Kills』『Ocean Blue』『15 Storey Halo』『A To Z』『How To Be A Millionaire』『Tower Of London』『So Hip It Hurts』『Between You And Me』。以下はボーナス・トラックである。『How To Be A Trillionaire (Harajuku Mix)』『What's Your Destination?』『Vanity Kills (US Remix)』『Vanity Kills (Abigail's Party mix)』『Ocean Blue (Single Mix)』『Judy's Jewels』『Fear Of The World (In Cinemascope)』『Tower Of London (Instrumental)』。
この中からシングル・カットされたのは3曲である。『Be Near Me』がイギリスで最高位26位、アメリカでは最高位9位を記録して1985年のBillboard年間シングル・チャートでは71位にランクインしている。続いて『Vanity Kills』がイギリスで最高位70位、アメリカで最高位91位を記録、3rd.シングルの『Ocean Blue』はイギリスで最高位51位を記録している。
お薦め曲は、シングル・ヒットを記録している『Be Near Me』と『Vanity Kills』、1st.アルバムの延長線上にあると位置づけることが出来る『Fear Of The World』『Tower Of London』という所をピックアップしておく。(ボーナス・トラックの方の別バージョンと聴き比べるのも宜しいかと...)
'80'sも中盤になると、「エレポップ」という言葉も確立し、技術的にもほぼ確立した形となり、サウンドの方も成熟してきた。初期にはテクニックを魅せる曲もあったのだが、そういう部分が無くなってきたことで、サウンドの方に集中出来るようになったのは良い所でもあり、つまらなくした所でもある。(が、そういう中で世の中はバブルに向けて進んでいき、そういうことを感じさせるサウンドが生まれていくことになる。)ある意味では、これが'80'sという所を体現しているということにもなる。本アルバムは、そういう時代らしく、'80'sサウンドの持っている明るく楽しい所がたっぷりと出ているということで、これはこれで宜しいかと...
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