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「PEEPING TOM」 [映画(洋画)]

表題の作品はカルト作品として知られている1960年のイギリス映画「血を吸うカメラ」である。(本作のタイトルから「銭形海・3rd.2話」を思い出すが、関連性がある訳ではない。)映像美のある作品としても知られていて、ホラー映画らしくない所もある異色のサイコ・ホラー作品である。

作品データを記しておくと、時間は102分、製作と監督はマイケル・パウエル、原案と脚本はレオ・マークス、撮影はオットー・ヘラー、音楽はブライアン・イースデイルである。そして出演は、カール・ハインツ・ベーム、モイラ・シアラー、アンナ・マッセイ、マキシン・オードリー、マイケル・パウエル、シャーリー・アン・フィールド、ブレンダ・ブルース、マイルズ・メイルソン、エスモンド・ナイト、マーティン・ミラー、マイケル・グッドリーフ、ジャック・ワトソン、パメラ・グリーン、ナイジェル・ダヴェンポート、たちである。

マークは撮影所のカメラマンであり、ヌード写真の撮影をアルバイトにしていた。また、彼は父が心理学者であって、父の研究(恐怖が人間に与える影響の研究)の実験材料として育ったという青年であった。ということで、マークは、殺される寸前の犠牲者の恐怖と断末魔の叫びを撮影し、そのフィルムを見ることが生き甲斐になっていた。ということで、いつも撮影用のカメラを持ち歩くマーク。ある日、マークはドラという娼婦の部屋で、撮影を行いながら、カメラの三脚に仕込んであった凶器で恐怖を与えていた。そして翌朝、ドラの死体を運び出すところまで撮影していた。、その夜、マークは自室でドラを殺害した時のフィルムを見ていた。そこに階下の部屋に住むヘレンがやってきた。2人は親しくなり、ヘレンはマークの幼少時の体験に同情し、マークを慰めるようになった。そんな中、マークは、次のターゲットを新人女優のビビアンに定め、スクリーン・テストを口実にして誘い出し、殺害してそれを撮影した。死体は小道具のトランクの中に隠していたが、数日後、ビビアンの死体が発見され、警察はドラ殺しと関連があると睨む。操作の過程で、マークの父の話を知ったグレッグ警視は、息子のマークに目を付けた。やがて、マークはそれに気づき、愛するヘレンに財産の一切を譲るという内容の遺書を作ると、最後の獲物を求めて仕事場のヌード・スタジオに行った。そしてモデル女の殺しを撮影し、帰宅した。するとヘレンが待っていた。ヘレンはマークが撮影したフィルムを見ていたが、マークの行いを知って、出ていこうとする。マークは全てを知られてしまい気が狂ったようにヘレンに迫る。しかし、ヘレンは恐怖の表情を全く見せなかった。また、マークを尾行していた刑事の通報で警官隊が突入してきた。するとマークは、もはやこれまでと覚悟をして、三脚に仕込んであった凶器を使って自殺した。その時、マークのカメラは、マークが死んでいく姿を撮影していた...

何だかんだで半世紀前の作品ということになるので、劇中に登場する機材が時代を感じさせるのは仕方のない所である。(現在ならば、フィルムを使った撮影装置というのは、業務用では残っているもの、個人レベルであればマニア層を除いてはほぼ見られなくなった。)ムービーカムならば、撮影したらその場で直ぐに再生できるのは便利になったものの、本作に見られるようにサイコ的な雰囲気は得られにくいのもまた事実である。これは、フィルムの現像や、それを見るための映写機というものが独特の雰囲気を醸し出していることが分かるところでもある。(昔の機材は、扱い方が難しい所もあるが、それが人間味を感じさせる所でもあった。)そう言うことを思うと、人物設定は上手くできている。

更に、映像美を追求しているため、恐怖映画らしくない所があるのだが、そのことが恐怖部分での描写と対極の関係となっていて、一段と恐怖を感じさせてくれることになる。ということで、演出の工夫によって恐怖描写も色々と出来ることを教えてくれる作品である。

尚、恐怖映画と言っても、モンスターが登場したり、スプラッター映画のようなものがお好きな方には肌が合わないであろうが、古典という意味では色々と勉強になる作品でもある。

 

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