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「サラリーマン出世太閤記」(その5) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・シリーズ第41弾として記してきた「サラリーマン出世太閤記」シリーズは今回で終了です。今回はカラー作品となったシリーズ第4作と最終作の2本について記します。

シリーズ第4作サラリーマン出世太閤記 課長一番槍
作品データを記しておくと、1959年の東宝作品で、時間は99分、監督は筧正典、脚本は笠原良三、撮影は遠藤精一、美術は小川一男、音楽は松井八郎である。そして出演は、小林桂樹、団令子、沢村いき雄、加東大介、東郷晴子、有島一郎、藤木悠、宇野晃司、山田影、丘寵児、伊藤久哉、淡路恵子、水の也清美、土屋詩朗、三田照子、柳川慶子、野口ふみえ、江原達怡、千葉信男、左卜全、たちである。

本社の宣伝係長となった木下秀吉は、早速、大々的な宣伝計画を開始する。野球場の壁広告を取ろうとするが、ライバル会社の東西会社が先にそれを取っていたことで、アウトだった。で、敵が野球ならばこちらは相撲ということとにしたら、相撲ファンの社長は喜んだ。また、東西会社が銀座にネオン灯を出すことを知ると、こちらはそれ以上のものを出そうと社長に進言し、早速動き出す。で、目を付けた小早川ビルと交渉開始。が、そこの社長はマダムであり、ナイトクラブに付き合うという条件でOKを出した。が、クラブに行くと、そこは怪しげな店であって、しかも警察の手入れがあって、秀吉は取り調べを受けることになってしまった。そんな中、社長が秀吉に縁談話を持ってきた。で、取引銀行の令嬢・真知子と見合いをする秀吉。真知子は秀吉を気に入り、演壇成立か?と思われたが、ある日、秀吉の元に手弁当を持ってきたエイ子と、真知子、更にはバーの女給とが鉢合わせしたことで、真知子は怒って、破談となってしまった。広告塔の建設が進む中、インチキ新聞社が金をせびりに来るも、秀吉は撃退し、広告塔に自慢の車・アトラス号を乗せて完成と思いきや、インチキ新聞社の連中が車止めのネジを外してしまったことで、アトラス号は地上に落ちて、広告塔はぽしゃってしまった。これに社長が「お前はクビだ」と連発し、秀吉はそれを真に受けた。そんな中、東京-大阪間のラリーレースに、母校の代表として出場することになった秀吉は名誉挽回と奮戦するも、途中で失格となってしまった。しかも、レースに参加しているアトラス号は東南大学の1台だけとなってしまった。これに秀吉が尽力し、残ったアトラス号が優勝した。で、社長はその功績で秀吉を販売課長にした。

主人公・木下秀吉が係長になったものの、奮戦ぶりはこれまでと変わらない。結局は自分でことを運んでいき、それが上手く行って更に出世する、というパターンは同じであるが、係長になったのだから、部下に対してもやりとりがもっとあっても良かったと感じる作品でした。

シリーズ第5作サラリーマン出世太閤記・完結篇 花婿部長No.1
作品データを記しておくと、1960年の東宝作品で、時間は88分、監督は筧正典、脚本は笠原良三、撮影は完倉泰一、美術は小川一男、音楽は松井八郎である。そして出演は、小林桂樹、団令子、沢村いき雄、加東大介、東郷晴子、有島一郎、藤村有弘、八波むと志、リンダ・ビーチ、平田昭彦、原知佐子、塩沢とき、加藤春哉、関田裕、児玉清、峯丘ひろみ、ミッキー・カーティス、荒木保夫、宮田洋容、大辻伺郎、たちである。

木下秀吉は輸出課長となり、外国相手の商談を担当することになる。で、イラジスタン国の自動車バイヤーのアジャ・ババは秀吉を将軍ハッサンに紹介し、ルートを築く。また、アメリカのバイヤーのクラークと接触しようとするが、クラークは東西自動車の担当者と接触してしまった。で、秀吉はアジャ・ババやハッサン将軍たちと共に料亭・あかさかに行く、そこでアジャ・ババは芸者のまり玉に、ハッサンは亡き妻に似ているということで秀吉の恋人・エイ子に熱を上げることになった。社長から契約の催促を受けた秀吉は、イラジスタン国の領事館に出向くが、国では大統領が突然交代して、ハッサンは将軍を懐妊されてしまい、契約所ではなくなってしまった。そんな中、ナイトクラブでのアジャ・パパの借金を取りに来られ、エイ子とも関係が悪化する秀吉。やがて、輸出用の試作車が完成した。クラークは東西自動車と契約すると言う。これに秀吉は、試作車とクラークの車の競争を申し出る。が、試作車は競争に負けてしまった。が、クラークは試作車の燃費が良くて経済的な車であることから、急遽契約を変更することにして、ついに契約することに至った。この功績で秀吉は部長に昇進、更にエイ子とも結婚した。

役職が上っても物語のパターンは基本的に同じであるのだが、そのことが不自然さを一段と出してしまっている。前作の係長ならばまだしも、本作では課長になっているだけに、もっと部下が動いても言いのに、秀吉が動きすぎているのはどうかと...

こういう物語は、やはり平社員である間の方が面白い展開となる。今回記した2作品は係長と課長ということで、平ではなくて管理職でもある。管理職になったことで「カラー作品」となったというのは悪くないのだが、物語がつまらなくなってしまったのは残念な所でした。

本シリーズは白黒作品の第3作で幕とするべきだったですね。(第4作の冒頭で、平に降格されてから話が進んでいくというのもあり得るが、そうなるとモデルになった豊臣秀吉とは大きく変わってしまうだけに、これは無理でしょう。)あるいは、平社員のままでの活躍の物語を続けるという選択肢もあり得るが...

 

↓本作はソフト化されていないので、本を拾っておきます。

サラリーマン出世太閤記 (1957年)

  • 作者: 笠原 良三
  • 出版社/メーカー: 光風社
  • 発売日: 1957
  • メディア: -

サラリーマン出世太閤記〈続〉 (1958年)

  • 作者: 笠原 良三
  • 出版社/メーカー: 光風社
  • 発売日: 1958
  • メディア: -

サラリーマン出世太閤記〈〔第2〕〉花婿部長 (1962年)

  • 作者: 笠原 良三
  • 出版社/メーカー: 光風社
  • 発売日: 1962
  • メディア: -

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