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「大菩薩峠」(その3) [映画(邦画)]

今回は、1953年に製作された東映三部作についてです。尚、この3作については4年後の1957年から年に1本のペースで、同じ東映がリメイクしている。リメイク作と本シリーズでは、主演は同じ片岡千恵蔵であるが、監督は異なっている。また、本シリーズは白黒であるが、リメイク作はカラー作品らなっている。

第1作大菩薩峠 甲賀一刀流の巻
作品データを記しておくと、1953年の東映京都の作品で、時間は115分、白黒作品である。原作は中里介山、監督と脚本は渡辺邦男、撮影は渡辺孝、美術は角井平吉、音楽は山田栄一である。そして出演は、片岡千恵蔵、河部五郎、加賀邦男、島田照夫、岸井明、進藤英太郎、月形龍之介、阿部九州男、杉狂児、山室耕、澤村國太郎、原健作、香川良介、三浦光子、千原しのぶ、市川春代、霧立のぼる、たちである。

第2作大菩薩峠 第二部 壬生と島原の巻/三輪神杉の巻
作品データを記しておくと、1953年の東映京都の作品で、時間は93分、白黒作品である。原作は中里介山、監督と脚本は渡辺邦男、撮影は渡辺孝、美術は角井平吉、音楽は山田栄一である。そして出演は、片岡千恵蔵、三浦光子、阿井三千子、千原しのぶ、進藤英太郎、島田照夫、沢村国太郎、原健策、山室耕、岸井明、河部五郎、田中春男、杉狂児、寺島貢、たちである。

第3作大菩薩峠 第三部 竜神の巻/間の山の巻
作品データを記しておくと、1953年の東映京都の作品で、時間は90分、白黒作品である。原作は中里介山、監督と脚本は渡辺邦男、撮影は渡辺孝、美術は角井平吉、音楽は山田栄一である。そして出演は、片岡千恵蔵、三浦光子、西条鮎子、千原しのぶ、田崎潤、進藤英太郎、島田照夫、田中春男、高松錦之助、松浦築枝、岸井明、植木千恵、阿部九洲男、杉狂児、坊屋三郎、団徳麿、市川小太夫、たちである。

尚、出演者は登場人物の関係で、人によっては出演していない作品があるが、スタッフは3作とも同じである。

第1作は、大菩薩峠で机龍之助が試し斬りをして、祖父を殺されたお松は通りかかった裏宿の七兵衛に助けられた。そんな中、御嶽神社奉納試合で龍之助と対戦することになった宇津木文之丞の許婚・お浜が龍之助の元に行って、勝ちを譲ってくれるように頼むが、断られた上に手籠めにされてしまう。試合は龍之助が勝ったものの、龍之助はお浜と共に江戸に落ちていく。また、敗れた文之丞の弟・兵馬は、兄の仇を討つために剣聖・島田虎之助の弟子となって修行を始めた。それから4年が過ぎた。江戸では、子供が出来ていた龍之助とお浜だったが、兵馬からの果し状が届き、お浜は元許嫁の弟を不憫に思って龍之助を刺そうとするも、討たれてしまう。兵馬は新徴組に混って中仙道に進むが、お兵の幻覚によって半狂乱になった龍之助の姿があった。

第2作は鈴鹿から始まる物語である。龍之助が駕籠屋から救った女・お豊はお浜に生き写しであった。が、お豊は愛人・真三郎と心中してしまう。京に入った龍之助、また、兵馬は島原に売られていたお松と会っていたが、新撰組の芹沢鴨はお松に手を出して連れ去り、龍之助に預ける。が、龍之助は再び幻の女に悩まされることになる。そんな中、芹沢鴨は近藤勇たちに暗殺される。龍之助は三輪大明神で、心中したはずのお豊と再会し、お豊は藍玉屋の息子・金蔵に狙われていたことを知ると、お豊を助けようとする龍之助。しかし、そこに七兵衛と兵馬が決闘を求めてきた。相手にしようとしない龍之助はお豊に助けられて先を急ぎ、天誅組に加わる。が、お豊は龍之助を捨てて、金蔵と故郷に戻る道を選んだ。そして天誅組が烽起した戦いが始まる。しかし、天誅組は敗れ去り、悲惨な末路を辿ることになる。龍之助はそんな中で絶叫するお豊の声にも気づくことはなかった。

第3作は、天誅組烽起の失敗の後からの物語である。龍之助は十津川の山小屋に逃げ延びるが、小屋番の投げた火薬によって失明する。しかし腕の方は逆に冴え渡ることになる。そんな頃、お豊と金蔵は紀州龍神村で温泉宿を開いた。そこに天誅組の残党を追う兵馬が泊まった。そんな中、近くの池で龍之助を見たお豊は、龍之助の身を案じ、家を出る。が、金蔵はこれに怒り、兵馬を疑って斬りかかるも、歯が立たないと分かると放火して逃げる。そのため村は大火事となってしまう。燃えさかる炎の中、龍之助を連れて逃げるお豊の姿を目にした金蔵は、龍之助に襲いかかるが、倒される。それに気づいた兵馬だったが、お豊と龍之助はその場から脱出していた。兵馬はお松と七兵衛と共に龍之助を追う。龍之助は大湊の舟宿・与兵衛に匿われていて、お豊は宇治山田で病床にあった。お豊は龍之助に届けて欲しいと、手紙とお金をお玉に託して自害する。お玉は龍之助の元に行って手紙を届けるが、兵馬とお松が到着し、兵馬は長年の恨みを晴らそうとする。しかし、龍之助は兵馬の剣の前に無防備のまま剣も抜かず、崖下に転落していった。

3本のトータル時間は約5時間と言うことで、トータルして見るとすると、気合いが必要になる(気合いが入れば一気に見ることも出来る作品ですが...)が、3本に分けて見るのであれば比較的見やすい構成となっている。また、白黒作品ならではの陰影など、描写の方はなかなかである。こういう所は、カラー作品の東映リメイク版と比較してみるのも面白い所である。(特に演出の違いと描写の違いという所は面白い所である。)近い所でカラー作品のリメイク作があるだけに、白黒映画の醍醐味を知るという作品にするのも宜しいかと...(とは言っても、本作もDVD化されていないだけに... ちなみに、かつてLDではリリースされていました。)

 

↓原作はこちら

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  • 作者: 中里 介山
  • 出版社/メーカー: 第三書館
  • 発売日: 2004/08
  • メディア: 大型本

 

↓こちらはリメイク版の方です。

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