桜井亜弓『VACATION』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1999年にリリースされた彼女の2nd.アルバムである。Earth Music Magicの主催者の牧田和男プロデューサの下、とみたゆう子の継承者として製作されたアルバムである。(シンガーとしてだけでなく、アイドル的な部分もそのまま継承していると言うのもポイントである。)そのため、本アルバムの収録曲は全てとみたゆう子の楽曲である。(8曲のカヴァーと2曲の未発表曲である。)
収録曲は以下の全10曲である。『セプテンバー・ガール』『Bobby』『VACATION』『YOKOHAMA風のステイション』『アフロディーテの伝言』『今夜はAll Nightで!』『Where is my Boyfriend?』『赤いトタン屋根の上で』『終らない休日』『Sha-La-La』。
お薦め曲は、『セプテンバー・ガール』『Bobby』『アフロディーテの伝言』『終らない休日』と『Sha-La-La』という所をピックアップしておく。
楽曲がカヴァーであるため、否応なしにオリジナルと比べられてしまうのは仕方のないところであるが、'80'sの雰囲気をしっかりと出していて、彼女なりのとみたゆう子ワールドを再現しているということで、とみたファンにとっては嬉しいところである。(とみたゆう子作品は、'80's前半の作品はアイドルっぽい所のある身近で親しみやすいものが多く、'80's後半はフランスのテイストのするちょっとお洒落な世界であり、いずれもが'80'sのらしいものである。)
とみたゆう子というと、その名前は全国区ではなくて名古屋を中心としたローカル・シンガー・ソングライターであるが、アイドル的なところがある、交通事故によって一時的に音楽活動から離れざるを得なくなる、ということもあって、'80'sのシンガー・ソングライターとしては一部ではカルト的な人気のある1人である。また、澄みわたったボーカルと共に、上品な美しさのある楽曲は親しみやすく、支持され続けている。それだけに、その世界観が違った形で登場したというのはうれしい所である。
また、声の質が近いとか、アイドル的な要素を持ち合わせている桜井亜弓にしても、単にとみたワールドを継承するということだけでなく、彼女なりの持ち味を加えているのは言うまでも無い。
万人向けとは言わないが、とみたゆう子ファンと、「J-POP」という言い方が確立する前の'80'sの日本のニューミュージックがお好きな方にはチェックしておきたいアルバムである。
↓こちらも拾っておきます。
- アーティスト: とみたゆう子,富田裕子,竜真知子,イルカ,タッジオ,山梨鐐平,水谷公生,大谷和夫,青木望,木田高介,田代修二
- 出版社/メーカー: 日本クラウン
- 発売日: 2004/09/17
- メディア: CD
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