「大菩薩峠」(その7) [映画(邦画)]
今回からは1960年から1961年に製作された大映による三部作について記していきますが、今回はその第1作となる1960年の1本目についてです。大映のシリーズでは、市川雷蔵が主演を務めている。
大映三部作第1作「大菩薩峠」
作品データを記しておくと、1960年の大映京都の作品で、時間は105分、原作は中里介山、監督は三隅研次、脚本は衣笠貞之助、撮影は今井ひろし、美術は内藤昭、音楽は鈴木静一である。そして出演は、市川雷蔵、本郷功次郎、中村玉緒、山本富士子、菅原謙二、根上淳、見明凡太郎、笠智衆、島田正吾、島田竜三、千葉敏郎、丹羽又三郎、阿井美千子、藤原礼子、舟木洋一、真塩洋一、山路義人、荒木忍、花布辰男、南部彰三、葛木香一、伊達三郎、市川謹也、光岡龍三郎、水原浩一、石原須磨男、浅尾奥山、藤川準、岩田正、清水明、大林一夫、安田洋郎、浜田雄史、木村玄、森田健二、たちである。
机竜之助は富士山の見える大菩薩峠で、そこに居合わせた巡礼をしている老人を斬り捨てた。その孫・お松はたまたま通りがかった怪盗裏宿の七兵衛によって助けられて江戸へ向う。一方、道場に戻った竜之助だったが、そこには字津木文之丞の妹と名乗るが、実は文之丞の妻・お浜であり、御嶽山奉納試合の勝ちを譲ってほしいと頼みに来たのだった。が、竜之助はその言葉に耳を傾けず、お浜のを犯した。数日後、奉納試合の日がやってきた。文之丞と竜之助の対決は、竜之助が制し、文之丞を斬り捨てた。竜之助はお浜を連れて江戸に向かった。文之丞が死んだことが伝わると、文之丞の弟・兵馬は兄の仇を討とうとするが、竜之助の剣を破るには並大抵の修行ではだめと教えられて、剣聖・島田虎之助に正剣を学ぶことにして江戸に向かった。
江戸にやってきた竜之助は新撰組に出入りするようになって、近藤、芹沢、土方らと知り合いになる。そんな中、修行を続ける兵馬は竜之助の居場所を突き止めて、果し状を出した。お浜は竜之助に、兵馬に討たれてくれと頼むが、竜之助はそんなお浜を斬り捨てると一人息子の、郁太郎を残して江戸を去って京の都に入り、新撰組に入った。兵馬は竜之助を追って、近藤の世話で新撰組に入る。
ある夜、近藤の暗殺計画を知った竜之助は、京に来ていたお松を御簾の間に連れ込む。やがて竜之助は妖気に満ちていき、狂気の世界に突入する。そんな所に兵馬たちが迫ろうとしていた...
本シリーズも三部作であるが、この三部作は時間の関係で3つに分けたような感じと言っても良いような展開で、まるで前後編のTVドラマが「次回に続く」ということで引っ張るようなエンディングを迎えている。日本映画全盛期で次々と劇場公開される時代であれば。これはこれでよいのだか、映画としてこのような終わり方(次に続く)というエンディングというのは「金返せ映画」になってしまうだけに、問題と思えるところである。が、現在であれば、ソフトとしてリリースされているので、直ぐにその続きを見ることも出来るので...
内容の方は、市川雷蔵のスマートな所が独特の世界を出していて、これはこれで宜しいかと...
↓本シリーズは3作がBOXセットとしてリリースされています。
↓原作はこちら
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