CLIFF RICHARD『CLIFF』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1959年4月に発表された彼のデビュー・アルバムである。デビューから半世紀以上の歳月が流れた現在でも現役シンガーとして活動を続けている彼であるが、その記念すべきデビュー・アルバムである。(ちなみに、本アルバムはリリース当時はモノラルのLPであったが、現在ではステレオ処理されたCDがリリースされている。)本アルバムはイギリスで最高位4位を記録する大ヒットとなって、デビューから順調な船出となった彼でした。
収録曲は以下の全16曲である。(LPではA/B面に8曲ずつの収録でした。)『Apron Strings』『My Babe』『Down The Line』『I Got A Feeling』『Jet Black』『Baby I Don't Care』『Donna』『Move It』『Ready Teddy』『Too Much』『Don't Bug Me Baby』『Driftin'』『That'll Be The Day』『Be-Bop-A-Lula』『Danny』『Whole Lotta Shakin' Goin On』。
本アルバムは1959年のリリースであるが、前年の1958年に発表された彼のデビュー・シングルの『Move It』(イギリスで最高位2位を記録している。)が収録されているというところが面白い所であるが、その後にリリースされたシングル曲が無いというのも面白い所である。(当時は次々と曲を発表するということで、年に数枚のアルバムをリリースというのも当たり前であって、「シングル・カット」という形は一般的ではなかったですからね。)
お薦め曲としては、デビュー曲であってシングル・ヒットを記録した『Move It』と、『Apron Strings』『My Babe』『Jet Black』『Ready Teddy』『Be-Bop-A-Lula』という所をピックアップしておく。
50年を超える彼のキャリアを考えると、1st.アルバムである本作はまさに古典である。当時はまだティーンエイジャーだった彼も今年で70歳になる。それを思えば凄い歳月の蓄積があって、現在の彼とは別人のように感じられるところもある。(兎に角、声が若い。)しかし、彼は'60'sにBEATLESやROLLING STONESといったロック史に名前を残すバンドが登場する前にはイギリスの音楽シーンを引っ張る存在であり、旗頭でもあった。(事実、彼がイギリスのロックンローラーの祖とされている。)サウンドの方は、現在では「オールディーズ」と言ったところにカテゴライズされることになるが、最近のサウンドとは違う手作りの良さを感じられるものがある。
BEATLESやSTONESはUKロックを代表するものであることに変わりはないが、UKロックを来間のであれば、最初に登場したイギリスのロッカーである彼の、しかもデビュー・アルバムである本作はしっかりとチェックしておくべきである。半世紀前の若い息吹が感じられるアルバムである。(特に、最近氾濫している電子音楽とは全く違う人間がプレイしている音楽ということが伝わってくるアルバムでもある。)
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