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「日本女侠伝」(その5) [映画(邦画)]

今回は1971年のシリーズ第4作について記します。

シリーズ第4作日本女侠伝・血斗乱れ花
作品データを記しておくと、1970年の東映京都の作品で、時間は107分、監督は山下耕作、脚本は野上龍雄、撮影は山岸長樹、美術は石原昭、音楽は渡辺岳夫である。そして出演は、藤純子、高倉健、津川雅彦、水島道太郎、山本麟一、大木実、遠藤辰雄、天津敏、中村錦司、鈴木金哉、疋田泰盛、小田部通麿、内田朝雄、国一太郎、榊浩子、日暮郷子、野口貴史、丸平峰子、加賀邦男、池田幸路、山田みどり、宇崎尚韶、有川正治、たちである。

物語の時代は明治中期、舞台は北九州。大阪で呉服商をしていた平野ていは、夫が石炭に取り憑かれたことで、大阪に戻るように説得しに来たが、夫・藤吉は石炭の層を発見してものの、落盤事故で死んでしまう。で、ていは夫の志を継ぐことを決心し、大阪の呉服店を閉め、炭坑を発展させようと必死になって働く。まもなく、川船頭の吉岡幸次と知りあったてい。幸次はていの姿に惚れ込み、炭坑の山頭・吉岡銀蔵(幸次の父でもある。)に紹介した。そんな中、幸次は鉱山を牛耳ろうとしている勘造の子分たちに襲われた。そして自分の身を守るために、やむを得ず3人を殺してしまった。で、逮捕されて裁判で8年の実刑となり刑務所に入る幸次。それから2年が流れ、ていは銀蔵や平吉たちの頑張りと協力で鉱山を大きくして、ついに「平野鉱山」という看板を出した。更に5年が流れ、ていの鉱山は順調であった。また、模範囚となっていた幸次も出所が許された。が、その時には既に平野鉱山を乗っ取ろうという計画を進める影があった。勘造と芦屋の問屋組合長・大島が組み、大島はていに横恋慕した。更に、ていが頼りにしている人たちにも大島の手は伸び、銀蔵までも殺され、平野鉱山にはダイナマイトが仕掛けられ、もはやていにはどうしようも出来なくなってしまった。で、鉱山を閉めることを決意したていだったが、幸次がやり直すように説得する。で、ていは改めて鉱山を市からやっていくことを決心する。が、幸次の怒りは頂点に達していて、大島と勘造に決着を付けようとして殴り込んで行った。

前作と同様に、藤純子の見せ場という所が弱い作品でした。物語の主役は藤純子演ずるていであるのだが、任侠映画ということでは高倉健演じる幸次が主役と言うことが出来る。で、一応任侠映画の形にはなっているのだが、藤純子が主役の作品ということで考えると、今一つ物足りなさを感じてしまう。とは言っても、本作公開時には藤純子主演のシリーズということでは「緋牡丹博徒」シリーズや「女渡世人」シリーズがあっただけに、本作のような作品があっても悪くは無い。(少し違った彼女が見られる、ということでも...)が、本シリーズだけを取り上げると、物足りなさが出てしまう。まあ、結局の所、日本映画の最後の全盛期に於ける人気スターのシリーズ作品掛け持ちということが破綻してしまうことになる最後の時期の作品だからこそ成り立っているという作品でした。

 

↓DVDは未発売、ビデオです。

日本女侠伝 血斗乱れ花 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: VHS


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