ケータイ刑事銭形雷5話[裏ネタ編]PART 3 [ケータイ刑事]
「銭形雷」の第5話「小学生検事vs銭形雷 ~大学教授殺人事件」の「裏ネタ編・増補」の2回目となる今回は、真犯人にとどめを指すことになった事柄から、「DNA鑑定」について、「ユリの花」について、「花粉」について記します。
尚、BS-iの本放送時に記した記事は2006/1/30付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。
「DNA鑑定」:「DNA」とは「デオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic Acid)」のことである。これは高分子生体物質であって、生物の遺伝情報を担う物質である。また、「鑑定」とは、物の真偽や良否、または品質を見定める行為のことである。
20世紀の中頃になって、遺伝子はDNAで出来ていることがはっきりと分かり、そこからDNAに関する研究が進んでいくようになる。1950年代以降は急速に発展していき、様々なことが解明されていった。そしてその応用利用法として「DNAによって個人を特定できる」という研究が進んでいき、1980年代になって応用利用分野が模索され、1985年にDNAによって個人の特定が出来るということになって、個人特定の新たな方法として、犯罪捜査に利用されていくことになった。
「DNA鑑定」とは、DNAの多型部位を調べることで個人を識別することを目的として行われるものであって、1990年代以降(日本では2000年代になってから)犯罪捜査では頻繁に用いられるようになったものである。(犯罪捜査以外では、親子などの鑑定のために用いられることが多い。また、人間だけでなく、動物、植物に於いても有用なため、品種の特定などで用いられることがある。)
尚、「DNA鑑定」と一般に言われているが、専門家の間では、DNAの鑑定によって調べるのはDNAの型であるため、「DNA鑑定」ではなく、「DNA型鑑定」と言うべきという意見がある。そのため、近年では「DNA型鑑定」とも言われるようになっている。(但し、現時点では、呼び方に関しては統一されていない。)
しかし、DNA鑑定の技術は、まだ完全に確立したとは言い難く、赤の他人であってもDNAの型が偶然一致する可能性が指摘されていて、信頼性に於いては疑問が出るようになっている。(一致する確率は数十兆分の1といわれているが、この数字自体にも疑問が投げかけられている。)→アメリカで2007年に偶然の一致が起こって赤の他人の間で同じ型のDNAが検出されたことが裁判で明らかになったことから、21世紀になって科学捜査での個人特定の切り札として扱われていたDNA鑑定は急速に信頼性に疑問符が投げかけられる形となっている。
その一方で、DNAは非常に安定した物質であるため、数十年が経過してもその型が変化することはない。よって、数十年前(1960年代から70年代の事件が多いから、30~50年程度昔)の事件の証拠を再鑑定することで、未解決事件の真犯人が特定されたり、受刑者の無罪が確定するということが最近は起こっている。→まだまだ発展途上の技術と言うことである。(但し、発展のスピードは非常に早いのもまた事実である。)
「ユリの花」:植物のユリは、ユリ目ユリ科ユリ属に属する多年草の総称である。漢字で表記すると「百合」であり、英語では「Lily」という。
北半球の温帯地域を中心に分布していて、その種類は100種類ほどになる。(日本にはその内の15種類ほどが自生している。)自生するものが多いが、一部の品種は観賞用に手を加えたものがあり、園芸用途として栽培されている。
特徴としては、地下に鱗茎があることで、茎は直立して伸びる。また、葉は細長く、互生している。(一部の品種では輪生となる。)花は漏斗状の品種と鐘形状の品種とがあるが、いずれもサイズは大きい。花の色は、城、うす紅色、紅色、黄色、橙色、紫色などがある。
西洋では鑑賞用途として用いられることが多が、東洋では違った用途があって、日本では鱗茎(「百合根」と言われていることもある。)を食用として用いている。(但し、日本に分布する全ての品種ではなく、ヤマユリ、コオニユリ、オニユリの3品種に限られている。)生では食べず、煮ておいて、それを雑炊の具の一つとして用いたり、茶碗蒸しの具の一つとして用いることが多い。また、中国ではハカタユリ、イトハユリ、オニユリの鱗片を食用として用い、炒め物に加えられる。または、澱粉の原料として加工される。
また、オニユリやハカタユリの求婚は生薬としても利用されている。滋養強壮、利尿、鎮咳という効果があって、「百合」(但し、生薬の場合は「ゆり」とは読まずに「びゃくごう」と読む。)と呼ばれる薬になる。
尚、「百合」をはじめ「ユリ」「オニユリ」「ヒメユリ」「鹿の子ユリ」「ヤマユリ」「白百合」などは全て「夏」の季語である。(夏の時期に開花するためである。)また、「ユリ」の花言葉は「あなたはわたしを騙せない」である。→「百合の花」が犯人を特定することになっただけに、この花言葉は犯人に取ったら皮肉ですね。
「花粉」:種子植物門の生食に関係する雄性細胞であって、その植物の花の雄蘂から出る粉末状の細胞組織である。(粉末状であるが、粉末ではなくて細胞である。)大きさは10μm前後であり、大きくても数十μm程度である。但し、大きさは同一種の植物ではほぼ同じ大きさであるのが一般的である。そしてこれが雌蘂の先端部分(柱頭)に付着することで受粉が行われることになる。雄蘂と雌蘂の形状や位置関係、及び花粉の形状や大きさは植物によって異なっているが、種子植物であれば基本的にこの方法で有性生殖を行う。
普通、花粉は風に飛ばされて他の花に辿り着き、そして受粉が行われるが、これは裸子植物のことである。(一部の裸子植物は昆虫を媒介とするものもあるが、その数は少ない。)一方、被子植物では風によって花粉を飛ばすのではなく、昆虫や虫によって花粉を運んで貰うという方法が多い。(当然、風に頼る植物もありますが...)そのため、独特の臭いを出したり、蜜を出したりして虫がやってくるようにしている。で、蜜を厚めにやってきた昆虫が蜜を吸うときに体に花粉が付き、他の花に入ることで花粉が移動することになる。
被子植物では、他の動物に頼る形で受粉を行う品種が多いため、昆虫を集めるために派手な色をしているとか、甘い蜜を出すというように昆虫の注意を引くことが自然と行われている。(これって、繁華街で各商店が派手な看板を出して目立つように競い合っているのと同じですね。)
尚、英語、ドイツ語、フランス語では「Pollen」(但し、発音は異なる)、イタリア語では「Polline」、スペイン語では「Polen」、オランダ語では「Stuifmeel」と言う。
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