DON HENLEY『I CAN'T STAND STILL』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年に発表された彼のソロ・デビュー・アルバムである。EAGLESの解散によってソロになった彼であるが、EAGLESとの違いを出すことに労力を費やされることになったが、その工夫が次作以降の傑作アルバムを生むことに繋がっている。本アルバムは、Billboardのアルバム・チャートでは最高位24位を記録して、1983年の年間アルバム・チャートでは73位にランクインするということで、まずまずという結果だった。(ちなみに、カナダでは最高位5位を記録している。)
収録曲は以下の全11曲である。『I Can't Stand Still』『You Better Hang Up』『Long Way Home』『Nobody's Business』『Talking To The Moon』『Dirty Laundry』『Johnny Can't Read』『Them And Us』『La Eile』『Lilah』『The Unclouded Day』。
この中からシングル・カットされたのは全部で4曲である。1st.シングルの『Johnny Can't Read』はBillboardでは最高位42位に留まったが、2nd.シングルの『Dirty Laundry』がBillboardでは最高位3位を記録し、カナダでは1位を獲得、イギリスでは59位を記録する大ヒットになった。3rd.シングルの『You Better Hang Up』はパットせず、4th.シングルとしてアルバム・タイトル・ナンバーの『I Can't Stand Still』がリリースされて、Billboardで最高位48位を記録している。
本アルバムからのお薦め曲は、大ヒットを記録した『Dirty Laundry』とアルバム・タイトル・ナンバーの『I Can't Stand Still』、じっくりと聴かせるバラード系の『Long Way Home』と『Talking To The Moon』、そして、人が変わったのかと思わせた1st.シングルの『Johnny Can't Read』をピックアップしておく。
クオリティとしては、まだ伸びる余地があり、辛うじてアルバムという形に仕上げたという印象があって、完成度と言うことでは高くないのだが、その苦労が次作以降で花開くことに繋がっているのだから、これはこれで有用だったということになる。結局、EAGLESの存在が余りにも大きかったということに尽きるのだが、EAGLESとの違いを出すと言うことでは1st.シングルの『Johnny Can't Read』良かったですね。(本当に彼なの?と最初は感じましたし...)
次作で彼はソロ・シンガーとしても認められることになって、また違った新たな苦悩と直面することになるのだが、少なくとも本アルバムは「EAGLESの呪縛」との戦いで、その呪縛から逃れることに成功した作品と言うことが出来る。EAGLESのサウンドを期待する方には残念という声もあるが、彼がソロ・アーティストとして脱却することになったという意味では良かったと言うことが出来る。それだけに、EAGLESファンにもしっかりとチェックしておいて貰いたいと思うアルバムである。('80'sのウエスト・コースト・サウンドがお好きな方も必聴であるのは言うまでも無い。)
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