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「RUNAWAY TRAIN」 [映画(洋画)]

表題の作品は1985年のアメリカ映画「暴走機関車」である。日本が世界に誇る黒澤明監督が書いた脚本を元にしたアクション作品である。そのため、黒澤明が監督として本作を映画化していたら、という話がよく語られる作品としても知れている。(が、日本映画として製作されたら、アクション・シーンや機関車のシーンは随分と違ったものとなって、「アクション大作」ではない別の形になったことでしょうね...)サスペンス作品としてもなかなかのデキの娯楽大作である。

作品データを記しておくと、時間は111分、原作は黒澤明、(原案として、黒澤明、菊島隆三、小国英雄の3人の名前を挙げている資料もある。)、監督はアンドレイ・コンチャロフスキー、脚本はジョルジェ・ミリチェヴィク、ポール・ジンデル、エドワード・バンカーの3人、撮影はアラン・ヒューム、美術はジョセフ・T・ギャリティ、音楽はトレヴァー・ジョーンズである。そして出演は、ジョン・ヴォイト、エリック・ロバーツ、レベッカ・デモーネイ、カイル・T・ヘフナー、ジョン・P・ライアン、T・K・カーター、ケネス・マクミラン、ステイシー・ピックレン、ウォルター・ワイアット、エドワード・バンカー、ダニー・トレホ、ハンク・ウォーデン、タイニー・リスター・Jr.、たちである。

アラスカにあるストーンヘヴン重犯罪者刑務所から、所長の怒りを買って3年間独房に入れられていたマーニーと、15歳の娘をレイプした罪で服役中のバックが脱獄し、吹雪の原野を彷徨う2人は鉄道の操車場で4連ディーゼルを見つけ、それに飛び乗った。が、その列車では異変が起こっていた。というのは、初老の機関士が、列車を発車させると心臓発作で車外に転落してしまい、機関士がいない状態で列車は加速を始めていたのだった。操車場から連絡が入り、鉄道管制指令室は慌て始めた。しかし、マニーとバックはそんなことになっているとは全く思っていなかった。しかし、列車が別の貨物列車に突っこんだことで、異変の重要性に気がついた。また、列車の女性乗務員・サラはうたた寝している間にとんでもない事態になっていることに驚くも、何とかしようとする。

その頃、刑務所長も脱獄したマーニーたちが列車に乗っていることを掴み、ヘリコプターで追う。鉄道管制指令室では事故を最小限に留めるための作戦が決められる。

先頭の機関車は流線型で車体に通路がなく、運転席まで行くのは不可能だとサラはマニーたちに告げるが、マーニーは何とかして機関車に乗り込むことを考えていた。しかし、それは失敗してしまう。

その頃、鉄道管制指令室では、数人の犠牲が出ることは仕方ないとして、機関車を側線に入れて、脱線させて停止させるという作戦を実行することにした。でポイントが切り替えられ、列車は側線には入って行く。サラは直ぐに側線に入ったことを察知し、その先は行き止まりになっていることを告る。マーニーは何とかして機関車の連結器を外すことを試みることにした。

一方、刑務所長は脱獄したマーニーを許せず、始末しようとしてヘリコプターで追いかけてきて、遂に列車に乗り込んできた。マーニーと所長の争いは簡単にマーニーが制し、所長を手錠で車内のポールに繋いだ。で、連結器を解除しようとするマーニーは何とかして連結器を解除した。これによって先頭の機関車だけが行き止まりの線路に突っ込んでいった。

寒さ、追っ手、先のなさという三重苦の中で暴走する機関車を舞台にしたサスペンスということで、なかなか考えられたストーリーである。暴走スメ列車の迫力、スピード感、アクションという点ではアメリカ映画らしさがでていた、迫力満点である。また、登場人物を絞っていることで、極限に追いつめられた人間ドラマを堪能することが出来るのも良い所である。

尚、本作では「黒澤明が監督を務めていたらどうなった?」ということは必ず言われることである。そして、それに対しては、「人間描写に関してはより良くなっただろう」と言われているのと、「暴走する機関車の迫力は日本映画ではここまで出せなかっただろう」という声だけは面白いように共通していることである。アメリカ映画と言うことで娯楽性をより前面に出した作品にしている本作では、アクションが良くなったという意見から、好意的に受け取られているが、れはこれでいいということでしょうね。ただ、黒澤監督の演出も見てみたかったのも正直なところですが...(おそらく、人間関係の対立を突き詰めて描いていくことになったと思われますが...)

ところで、本作では、ジョン・ボイトがアカデミー主演男優賞に、エリック・ロバーツがアカデミー助演男優賞にノミネートされた(共に受賞はならず)ことは意外と知られていない。(また、この年のアカデミー賞では、監督賞に「乱」で黒澤明監督もノミネートされていたのだが、こちらも受賞はならずでした。)それだけに、本作の人間描写も決して悪くなく、作品的にも高く評価されているということである。(本作の名誉のためにも、この点は忘れないようにしましょう。)

 

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