SSブログ

ENGLISH BEAT『I JUST CAN'T STOP IT』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1980年に発表されたイギリス出身の彼らのデビュー・アルバムである。本来のバンド名は「THE BEAT」であるが、彼らよりも1年早く、アメリカで同名のバンドがデビューしていることもあって、彼らは「ENGLISH BEAT」の名前で呼ばれるようになった。(バンド名の変更は行っていない。)ポスト・パンクということで、スカを取り入れたサウンドが当時としては斬新であり、イギリスでは最高位3位を記録する大ヒットになったが、アメリカではBillboardが最高位142位を記録しただけであった。

収録曲はオリジナル版では全14曲であったが、現在のCDではこの中から5曲目と8曲目がカットされていて全12曲となっている。(別に、時間の関係というものでもないだけに、ちょっと珍しいですね。)

収録曲はオリジナル版の全14曲の方を記しておくことにする。『Mirror In The Bathroom』『Hands Off... She's Mine』『Two Words』『Twist & Crawl』『The Tears Of A Clown』『Rough Rider』『Click Click』『Ranking Full Stop』『Big Shot』『Whine & Grine/Stand Down Margaret』『Noise In This World』『Can't Get Used To Losing You』『Best Friend』『Jackpot』。

この中からシングル・カットされたのは一応5曲と言うことになっている。まずは本アルバムのリリースよりも先に、1979年にデビュー・シングルの『The Tears Of A Clown』がリリースされていて、イギリスでは最高位6位を記録するヒットになった。続いて、アルバムが発表されてから4枚のシングルがリリースされていて、『Hands Off... She's Mine』はイギリスで最高位9位、『Mirror In The Bathroom』は同最高位4位、『Best Friend』は同最高位22位、『Twist & Crawl』はチャートインせずだった。(アメリカではいずれもがダンス・チャートにランクインするだけであり、アメリカの同名バンド(THE BAND)と競合するという感じには成らなかった。)

お薦め曲はS・ロビンソンのカヴァーでもあるデビュー曲の『The Tears Of A Clown』と、シングル・ヒットを記録した中から『Hands Off... She's Mine』と『Mirror In The Bathroom』の2曲、それ以外では『Rough Rider』と『Can't Get Used To Losing You』をピックアップしておく。

ロックの世界にクラシックとの融合を計る試みは'70's前半にプログレとして確立するが、それ以外の音楽との融合も試みられ、'70'sの時代ではレゲエを取り入れるという動きは結構見られたことであり、いくつかのヒット曲も生まれている。そういう動きのある中でスカを取り入れたというのは面白い試みであったのだが、'70's終盤から'80's前半ではレゲエが他を圧倒することになってしまい、今一つ大きなものとは成らなかった。が、'80's中盤にレゲエ・ブームを経てからワールド・ミュージックのブームが到来して、スカもようやく陽の目を見ることになった。それを考えると、彼らは少し早く登場しすぎたと言うことになる。(実際、'90'sになって彼らの音楽は再評価されることになった。)

彼らにしては不運だったと言わざるを得ないが、そのサウンドの方は決して悪いものではなく、'80'sらしいスタイルで聴かせてくれているだけに、肩を張らずに気軽に楽しみながら聴くことが出来るアルバムであるだけに、機会があれば聴いておくことをお勧めしたいアルバムである。(特に暑い時期に聴くのが宜しいかと...)

 

I Just Can't Stop It

I Just Can't Stop It

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。