ケータイ刑事銭形雷11話[裏ネタ編]PART 5 [ケータイ刑事]
「銭形雷」の第11話「虹は知っていた! ~写真家アシスタント殺人事件」の「裏ネタ編・増補」の4回目となる今回は、雷ちゃんが事件の謎を解くヒントになった事柄である「東西ドイツ統一」について、そこに出てきた「フランクフルト」について、そして雷ちゃんがおじいちゃまとここへ旅行に行くと言っていた「温泉」について記します。尚、「フランクフルト」については「泪・37話(2nd.24話・AS2話)[裏ネタ編]PART 4」で、「温泉」については「愛・14話[裏ネタ編]PART 1」で記したものをベースにして、それぞれ加筆しました。
尚、BS-iの本放送時に記した記事は2006/3/13付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。
「東西ドイツ統一」:1990年10月3日に、ドイツ連邦共和国(西ドイツ)がドイツ民主連邦共和国(東ドイツ)の5つの州を編入する形で、2つのドイツが1つの国家になったことを言う。日本では「ドイツ統一」と呼ばれることもあるが、ドイツでは「ドイツ再統一」と呼ばれている。(「ドイツ統一」というと、1871年のプロイセン王国によるドイツ帝国の成立のことを指す。)
尚、これは2つの独立した国が合併したのではなく、崩壊したドイツ民主共和国が5つの州に再編され、その5つの州がドイツ連邦共和国に編入されたというものであって、結果的には西ドイツが東ドイツを吸収する形での国家統一である。(2つの規格が競い合い、その内の1つが撤退したことで、残った方が事実上の統一規格になったということと同じである。)
1989/11/9にベルリンの壁が崩壊したことから事態は一挙に進むことになった。1990年の3月の選挙で、東ドイツの政権がドイツ統一を掲げる保守連合が握ることになり、5月に西ドイツとの通貨・経済・社会同盟の創設に関する国家条約が調印される。7月にその条約が発効して、東ドイツの通貨が西ドイツ・マルクとなり、更に県が5つの州に再編された。8月にその5つの州の西ドイツ加盟が決議され、ドイツ統一条約が調印された。9月にドイツに関する最終規定条約が調印され、10/3に東ドイツの5つの州がドイツ連邦共和国に加入して、ドイツ民主共和国は完全に消滅し、1949年に東西ドイツに分断されたドイツが1つになった。
「フランクフルト」:食べ物に関してだと「フランクフルト・ソーセージ」の略称でもあるが、一般的にはドイツの都市のことである。
尚、「フランクフルト・ソーセージ」というのは和製語であって、正式には「フランクフルター」と言う。)太い燻煙ヴルスト(ソーセージ)であって、ドイツの大都市・フランクフルトが発祥地であり、その地名が名称になったものである。燻煙ソーセージの一つであり、豚の腸を使ってやや太く作られているのが特徴である。
また、都市のフランクフルトはややこしいことであるが、ドイツには2つある。1つは前述のフランクフルト・ソーセージの発祥地でもあるドイツ西部(旧西ドイツ)にある都市であり、もう1つは東部ドイツ(旧東ドイツ)にある都市で、ポーランドとの国境に位置している。
旧西ドイツにある都市は「フランクフルト・アム・マイン」(FRANKFURT AM MAIN)というのが正式名称であるが、一般に「フランクフルト」と呼ばれている。ドイツの経済、金融、交通の中心都市であり、西ドイツ時代でも同様に経済の中心都市であり、その地位は変わっていない。
ドイツ西部の都市であり、ヘッセン州に属し、ライン川の支流のマイン川の下流に位置している。ヘッセン州最大の都市であるが、州都ではない。(ヘッセン州の州都は人口28万人のヴィースバーデンである。)世界都市として発展している都市であって、人口は約67万人(ドイツの都市の中では5番目に人口の多い都市)である。ドイツは世界第4位の経済大国であり、ヨーロッパの中では最も大きい経済規模である。ということで、欧州中央銀行が置かれているということを含め、人口規模ではヨーロッパ各地により大きい都市があるが、ヨーロッパ経済の中心都市としても機能している。尚、フランクフルト証券取引所は世界で7番目の取引高を誇っていて、欧州ではロンドン証券取引所に次いで2位の規模となっている。
歴史は古く、かつてはローマ帝国の駐屯地であり、神聖ローマ帝国の都市として発達してきた都市である。その後、メッセ都市として発達していき、8世紀後半から9世紀初頭のカール大帝の時代では王国会議が行われた。その後、1372年に自由都市となり、後にプロテスタントの拠点の一つともなった。19世紀にはライン同盟によってその支配下に入るが、1815年に自由都市としての地位を回復する。1848年の3月革命の時、最初の全ドイツ国会(フランクフルト国民議会)が行われた都市でもある。第二次大戦では戦渦によって大きな被害を受けるが、戦後は経済の中心地として発展し、ドイツ経済の中心地となる。また、西ドイツの国土では地理的にほぼ中央に位置したことから、西ドイツの首都の有力な一つであった。(暫定首都として、ボンが西ドイツの首都となった。→統一によって首都はベルリンに移転した。)
交通の点では、ヨーロッパでも重要なハブ空港であるフランクフルト国際空港があり、日本からの直行便も就航している。
文化の点では、世界的にも知られているゲーテの出身地であり、美術館や博物館も多い文化都市でもある。また、本拠地として活動しているhr交響楽団(旧フランクフルト放送交響楽団)、フランクフルト・ムゼウム管弦楽団も世界的に知られた楽団である。また、ちょっと変わった所では、「アルプスの少女ハイジ」では、クララのゼーゼマン邸がある。
一方、旧東ドイツにあるもう一つの「フランクフルト」は、「フランクフルト・アン・デア・オーダー」(Frankfurt (Oder))という。ポーランドと国境を接しているブランデンブルク州の東部に位置し、ポーランドとの国境線(オーデル・ナイセ線)であるオーダー川に面した都市である。人口は約6万人である。
歴史はフランクフルト・アム・マインよりは新しいが、13世紀に交易都市として生まれた都市である。この地はオーデル川の浅瀬が近くにあると言うことで、オーデル川を渡る交通の要所として栄えることになる。1226年頃に最初の教会である聖ニクラウス教会が建設され、1253年には都市として認められることになった。1430年にはハンザ同盟に加わり、短期間であったもののその一員にもなった。19世紀になると、プロイセン王国の中央に位置する重要な交易都市として、ライプツィヒに次ぐ大きな見本市が開かれる都市となる。また、交通網もベルリンへと繋がる鉄道が開通し、水陸両方で交通の要地にもなった。第二次大戦ではソ連軍に対する要塞となって激しい戦闘が行われた地にもなった。戦後はオーデル川を挟んだ対岸がポーランドのスウビツェ市となったが、この地は元々はドイツ領フランクフルト・アン・デア・オーダーの一部であった。
「温泉」:地熱によって平均気温以上の温度に暖められた水(湯)がわき出る泉のことである。その水(湯)には鉱物質を多く含んでいるため、浴用、飲用としてだけでなく、医療効果が期待できることで、医療施設にも利用される。特に、その湧き出た水(湯)を利用した浴場や入浴施設は各地にあって、観光産業の重要な一つとなっている。
英語では「Spa」と言うが、日本語の「スパ」は「温泉」と言うよりも「温泉を利用した入浴施設」を指す言葉となっていて、英語の「Spa」とは意味が異なっている。また「Hot Spring」と呼ばれることもあるが、これは「熱水泉」と呼ばれる温度の高いものを指す。最近では日本語をローマ字表記した「Onsen」という言葉が世界共通語として使われるようになりつつある。(ちなみに、英語の「Hot Spring」に対応する言葉としては、ドイツ語の「Heiße Quelle」、フランス語の「Eaux Thermales」などがあるが、ドイツ語でもフランス語でも「Onsen」で通じるようになりつつある。)
日本の温泉法では、湧き出る水温が25゜C以上、または1kg当りに1g以上の溶存成分がある、若しくは温泉法で定めた特定成分が所定量以上含んでいるもの、と規定されている。(よって、「熱くない温泉」も存在する。→この場合は飲料用としてりようされるか、湧かして入浴用にするのが一般的である。)一応、水温が25゜C未満の場合は「冷鉱泉」、25゜C~34゜Cの場合は「低温泉」、34゜C~42゜Cの場合を「温泉」、42゜C以上の場合を「高温泉」と言うように区分される。
これらの中で、マグマの影響で暖められた高温泉は、地底を流れる間に鉱物成分が色々と溶け込むため、入浴用として様々な紅葉が期待でき、広く利用されている。(マグマによって暖められた温泉は「火山性温泉」と言い、火山とは関係なく湧く温泉を「非火山性温泉」と呼ぶ。日本に存在する温泉は基本的に「火山性温泉」である。)
↓参考まで
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