GAZEBO『GAZEBO』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1983年に発表された彼のデビュー・アルバムである。イタリア外交官の父とアメリカ人歌手の母との間でレバノンで生まれたイタリア人という彼は、パンクバンドの経験を経て染め・デビューし、『I Like Chopin』が世界的なヒット(日本でもヒットし、小林麻美が歌ったカヴァー曲『雨音はショパンの調べ』も大ヒットを記録した。また、彼女以外にも多くのシンガーがカヴァーしている。)となったことで知られているが、一発屋というイメージも強いシンガーである。本アルバムは、そんな彼のデビュー・アルバムであり、シングル・ヒット曲が生まれたことからヒットしたアルバムである。尚、チャート成績では、西ドイツで最高位4位、スイスで最高位16位、スウェーデンて最高位38位を記録している。
収録曲は以下の全8曲である。『Lunatic』『Love In Your Eyes』『London-Paris』『Masterpiece』『I Like Chopin』『Wrap The Rock』『Midnight Cocktail』『Gimmick!』。
この中からシングル・カットされたのは全部で4曲である。デビュー・シングルの『Masterpiece』が本国イタリアで2位を記録するという幸先のいいスタートを飾ることとなった。また、西ドイツで35位、スイスでは5位を記録している。2nd.シングルとして『Gimmick!』の後、3rd.シングルとなった『I Like Chopin』がイタリア、西ドイツ、スイス、オーストリアで1位になり、オランダでも7位となる大ヒットとなって、一躍彼の名前は知られることになった。そして『Lunatic』が4枚目のシングルとして、イタリアで3位、西ドイツで4位、スイスで6位、オーストリアで13位を記録している。
お薦め曲は、彼というとこの曲である『I Like Chopin』は絶対に外せないところであるが、ここに収録されているのはアルバム・バージョンであって7分半を越える大作である。幻想的なメロディ・ラインをたっぷりと堪能出来る一曲となっている。そしてシングル・ヒットを記録している『Masterpiece』と『Lunatic』、アルバム収録曲の中で最も時間の長い『Love In Your Eyes』(8分弱)という所をピックアップしておく。
内容としてはシンセサイザーを中心としたエレクトリック・サウンドである。(当時はまだ「エレポップ」と言う言葉は生まれていなかった。)しかも、メロディ・ラインの綺麗な曲が多く、幻想的なイメージのするスケールの大きな曲に満ちている。ただ、エレポップということでは典型的な'80'sサウンドそのものであり、後のユーロビートに繋がるものである。そのため、とても聴きやすく親しみやすい内容である。
また、本アルバムは彼の本国イタリアよりもドイツとスイスでの方がより大きなヒットとなり、日本でもカヴァー曲を含めて大きなヒットとなったが、英仏では今一つ伸び悩み、アメリカでも大きなヒットにはならなかった。ということで、本アルバムは(日本では)非常に入手困難という状況になっている。その代わりというのは変だが、ベスト盤は多数リリースされている。(特に、日本オンリーという日本で編集されたベスト盤までリリースされている。)ということなので、彼の本国であるイタリア盤、若しくはヒットの規模が大きかったドイツ盤であれば、何とか本アルバムを聴くことが出来る。(それでも入手は楽ではないですが...)
彼のヒット曲を堪能するのであれば、初期作品を集めたベスト盤でも悪くはないのだが、コレクターとしてはやはりオリジナル版を入手したいのはやまやまでしょう。ということで、コレクターズ・アイテムとしては間違いなくA級にランクされる貴重盤である。尚、内容の方もA級であるのは言うまでもないですが... こういうアルバムを探して入手するというのも、また楽しい所でありますし...
本アルバムは入手困難であることから、彼のベスト盤と本アルバムに関係するマキシシングルなどをいくつか拾っておきます。
↓これはイギリス編集のベスト盤で、本アルバムとは別のアルバムです。
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